彼女を誘って新型アートの街・前橋へ!? 〈白井屋ザ・レストラン〉で上州キュイジーヌと人の温もりに癒される!
芸術の秋。彼女を誘って、群馬・前橋へ。街のアートスポットで、アイコン的な存在でもある〈白井屋ホテル〉のメインダイニングなら、旬の上州食材たっぷりのイノベーティブなコースとペアリングドリンクで、味覚の芸術品を堪能できる!
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その昔、芸術家や著名人たちに愛された老舗旅館〈白井屋〉。2008年に廃業したが、その後、リノベーションし、2020年12月に〈白井屋ホテル〉として姿を変えてオープンした。ホテルのヘリテージタワーのエントランスやロビーでアートを目にしながら、メインダイニングの〈白井屋 ザ・レストラン〉へと向かう。
ディナーは、10皿前後のコースのみ。シェフの片山ひろさんが、フレンチの技法を使い、群馬の郷土料理のエッセンスを盛り込んで独自に再構築し、新たな料理へと昇華させた“上州キュイジーヌ”が味わえる。昼夜の寒暖差が大きい土地で作られた甘味の強い野菜や、自然豊かな赤城山麓で時間をかけて育てられた赤城牛のほか味噌など、群馬の地の恵みを受けた上州食材をふんだんに使っているのが特長だ。
コースからいくつかの料理をペアリングドリンクとともに紹介していこう。
©Shinya Kigure
ディナーコース(1万5000円~)より、“岩魚”
2皿めに出される料理は“岩魚”。清らかな水に恵まれた群馬ならではの冷菜。スモークして軽く炙った岩魚に、蕪のサラダが食感を、昆布のパウダーがうま味をまとわせる。添えられたブルーチーズのアイスクリームが、口中でより重層的な味わいを演出する。
コースのひと皿ごと合わせるドリンクペアリングを、ぜひオーダーしたい。アルコールもいいが、ノンアルコールのペアリングが実に楽しい。ソムリエの児島由光さんが意識するのは多層的な味わいを作ること。例えるなら、フレグランスがトップノートからラストノートにかけて香りが変化するように、ドリンクを味わった瞬間と、少し後では味や香りの印象が変わる。そして、料理を食べてからの印象はまた違うものに。
「ワインは、魚をじっくりと燻製していたことから“熟成”が頭に浮かび、2001年のムルソーを合わせました」と、児島さん。ブルーチーズアイスのクリーミーさに、ムルソーの持つ熟成感と、ナッツやバニラを思わせる余韻の樽香が、クリーミーなボリューム感として重なる。
ノンアルコールは、スモーキーな香りの料理に同じように主張のあるナッツフレーバーを合わせた1杯。さまざまなナッツ類やココナッツファインの香りを移した液体に、河内晩柑(かわちばんかん)の酸味と香りで季節感をプラス。こちらもナッツ由来のボリューム感が、ブルーチーズアイスのクリーミーさに寄り添う。料理にはない柑橘の風味が加わることで、飲み、食べたときに旨味を最大限に感じる仕立て。
©Shinya Kigure
ディナーコースより、“OKIRIKOMI”
3皿めに供される“OKIRIKOMI”は、幅広のうどんと野菜を煮込んだソウルフード“おっきりこみ”をリメイク。季節によって、使う食材やプレゼンテーションが変わるのもまた楽しみだ。
秋バージョンは味噌風味のムース、3種(ネギ、唐辛子、昆布)のオイル、下仁田こんにゃくや大根、人参、蓮根などが盛りつけられた器に、目の前で温かなコンソメを注いで仕上げる。芳香が立ち上り、オイルが浮き上がるといった趣向である。
アルコールのペアリングは、オリジナルの白井屋ジンにジャスミンのシロップの風味を加えたカクテル、ノンアルは、台湾茶・金萱芳香(きんせんほうか)を水出しで。ジンの苦味が口の中をリセットし、繊細な香り漂う台湾茶は、旨味を感じながらも口の中をクリアにしてくれる。
©Shinya Kigure
ディナーコースより、“YAKIMANJU”
メインに続くデザートの後は、味噌が香る癒しの小菓子“YAIMANJU”で締め。
©Shinya Kigure
オープンキッチンを囲むカウンター席
片山シェフ、ソムリエの児島さん、さらにスタッフ全員が群馬県出身という、まさにメイドイン上州のキッチン。一度は群馬の外に出て経験を積み、上州ならではの食文化や食材の豊かさに惹かれて戻ってきた面々が、オープンキッチンで料理を作り上げる。
コの字型のカウンター席だから、シェフやスタッフと話が弾むこと間違いなし。アートを楽しむとともに、上州キュイジーヌと人の温もりに癒された夜に。
●白井屋ザ・レストラン
住所:群馬県前橋市本町2-2-15 白井屋ホテル ヘリテージタワー1F
営業時間:ランチ(土・日・祝日のみ)12:00~14:30(最終入店12:00)、ディナー18:00~22:00(最終入店19:30)
無休
TEL:027-231-4618
URL:https://www.shiroiya.com/dine/restaurant
※サービス料10%別
※要予約
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ライフスタイルジャーナリスト
美酒と美食はもちろん、ホテル、ビューティ、インテリアなどライフスタイル全般を得意とする。現在はラグジュアリーメディア、ビジネス誌、ホテル専門誌など幅広い媒体に寄稿。美味しいもの探求家でもあり、日々のシャンパーニュは欠かせない。