スニーカーでよくいう“コート系”ってなんのこと!?
着こなしに関する記事で「クリーンな印象を足元からアピールできる」な〜んて文言があったら、多くは“コート系スニーカー”合わせのこと。レザー、もしくはキャンバスのアッパーで、デザインも作りも極めてシンプル。ダッドスニーカーや、カラフルでいくつものパーツをレイヤードしたランニング系に比べたら、クリーンな印象はダントツ。つまり、大人の足元にお似合いなスニーカーってわけ。ところで、そもそもコート系スニーカーってどんな靴のことか知ってる?
基本はその言葉どおり、テニスやバトミントンのコートの上で履いていたモデルのことを指す場合が多い。たとえばその代表格が“世界一売れたスニーカー”としてギネス認定もされている〈スタンスミス〉。こちらは、1963年全仏オープンで活躍したフランス人テニス選手、ロバート・ハイレットのために〈アディダスオリジナルス〉が開発した“ハイレット”というモデル。キャンバスが主流だった当時としては珍しいレザーアッパーのテニスシューズを、アメリカの伝説的プレイヤー、スタン・スミスが競技用として愛用。その人気ぶりから、1973年より改名したという経緯がある。
また、バスケットコートの上で履くために開発された“エア ジョーダン”シリーズだって立派なコート系。でも、不思議とそうカテゴライズされないのは、シンプルなローテクスタイルであることがコート系と呼ばれる条件となっているからかもしれない。事実コート系と呼ばれるものは1980年代前半以前に初登場となったモデルが多く、または当時のデザインにインスパイアされたモデルを指す場合もある。とはいえ、言葉で説明してもわかりにくいかも。そこで、クリーンで大人らしい足元を作れるコート系シューズってどんなものか、次の4足でチェックしていこう。
1万5400円(アディダス オリジナルス/Safari Lounge)
ブランドのアイコンであるスリーストライプスをパンチングで表現し、白レザーを主役にシュータンとヒールカウンターに色を差す。さすがは“世界一売れたスニーカー”、見ただけですぐにそれとわかるアイコニックなデザインが魅力の“スタンスミス”はまさにコート系スニーカーの筆頭。コチラは左右の色をそれぞれ定番色で分けたユニークな個体だ。
1万3200円(プーマ/プーマ お客様サービス)
〈プーマ〉を語るうえで欠かせない存在が、この“スエード”。’60年代後半に誕生したトレーニングシューズが、NYで活躍したプロバスケットボール選手ウォルト・フレイジャーのシグネチャーモデル“クライド”として1973年にリモデル。これがグリップ力を買われてブレイクダンサーをはじめとしたストリート系で人気となり、’80年前後から“スエード”という呼称が定着。現在はモデル名として扱われている。
1万2650円(リーボック/リーボック アディダスお客様窓口)
‘85年に発売された“クラブチャンピオン”をもとに、様々な改良を重ねて現在に至る“クラブシー”。ガーメントレザーによる優れたフィット感と、グリップ力の高さから、競技用として非常に愛された1足。汎用性の高さからデイリーユースとしても親しまれた歴史があり、いまなお世界中の多くの足元を飾っている。
6490円(ニューバランス/ニューバランス ジャパンお客様相談室)
心地よい軽さと屈曲弾性に優れたリブライト X ソールを採用し、アッパーは’70年代のクラシカルなコートスタイルを提案。とにかくシンプルで合わせるパンツを選ばず、ストレスフリーな履き心地も兼ね備える“CT300”は、’79年に発表されたオリジナルが原点。昨今の〈ニューバランス〉人気とあいまって、コート系スニーカーでもまわりと差をつけたい人には特におすすめ。
●Safari Lounge
TEL:03-4485-1305
●ニューバランス ジャパンお客様相談室
TEL:0120-85-0997
●プーマ お客様サービス
TEL:0120-125-150
●リーボック アディダスお客様窓口
TEL:0570-033-033
photo : Kouki Marueki(BOIL) styling : Hidenori Asai text : Yuta Yagi