“ローファー”が復活の兆し!
格上ブランドのものを選ぶ理由とは?
最近、ローファーに注目が集まっていることをご存知だろうか。そう、アラフォーであれば学生のときから親しみのあった、あのローファー。というのも、このご時世、仕事着もスーツというより、Tシャツにセットアップなんて少々カジュアルな装いが主力に。で、そんなコーデをぐっと格上げするアイテムとして、絶妙な上品さが魅力のローファーに白羽の矢が立ったというわけ。当然、休日のラフなデニムスタイルの格上げにも使えるから便利。しかもそれが、ラグジュアリーブランドの1足であれば、学生っぽい足元に見える心配もなし!
ということで新作をチェックしてみたところ、この春は名だたるブランドがローファーを手掛けている。ここで集めたものは、いずれもラグジュアリー然とした革の質感で、ディテールからも各ブランドのこだわりが伝わってくる。もちろん、スリッポンだから脱ぎ履きも楽ちんだし、履き心地のよさからも違いは感じられるはず。では、さっそく今季の新作を見ていこう!
レオパード柄の“ル・ロファー”15万円、ブラックの“ペニーローファー”9万円(以上サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ/サンローラン クライアントサービス)
レオパード柄の“ル・ロファー”の魅力は、目を引く柄だけにあらず。カーフレザーの表面に加工を施し、馬の毛皮のような風合いを演出したポニーエフェクトがお見事。柄使いだけでなく、素材感でも格上感を印象づけられる1足となっている。ブラックのものは、つま先の高さを抑えたトウシェイプが上品さを感じさせる“ペニーローファー”。サドルの右側に、同色の“YSL”ロゴをさりげなく配置。モカ縫い部分のシワさえもギャザーの様に装飾的に見せるなど、細部の作りこみも目を楽しませてくれる。
10万円(ディオール/クリスチャン ディオール)
〈ディオール〉が手掛けたホースビットローファーは、サドル部分にご注目を。パラジウムコーティングを施した真鍮製のホースビットが、よく見るとCDのシグネチャー型になっている。その名も“CDローファー”。しかも“C”と“D”を繋ぐセンターの金具にも“ DIOR”のロゴが描かれているという芸の細かさ。アッパーは、ポリッシュド加工によって艶やかな質感に仕上げたカーフ製。
10万円(グッチ/グッチ ジャパン クライアントサービス)
これは、クリエイティブ・ディレクターであるミケーレが「コレクションアイテムは、ワンシーズン限りものもではなく、タイムレスなものではならなくてはいけない」という思いをこめた“エピローグ コレクション”の1つ。つま先に向かってすっきりとシェイプさせたフォルムは、まさに流行を超越した美しさ。ホースビット ローファーといえば、1953年以来〈グッチ〉のアイコンになっているけど、この1足もまたマスターピースとして未来に受け継がれそうな予感。
10万9000円(エルメネジルド ゼニア/ゼニア カスタマーサービス)
深みのある青の濃淡の美しさに目を奪われるこの1足は、その名も“L’Asola(アゾラ)モカシン”。表面に繊細な模様が浮かぶカンガルーのグレインレザーを贅沢に使い、流れるようなスクエアトウを描き出している。よく見ると。サドルの中央部分のカットが、ボタンホールの形になっているのがわかるはず。こんな遊び心は、テイラードクロージングに軸足を置くブランドならでは。
●グッチ ジャパン クライアントサービス
TEL:0120-99-2177
●クリスチャン ディオール
TEL:0120-02-1947
●サンローラン クライアントサービス
TEL:0120-95-2746
●ゼニア カスタマーサービス
TEL:03-5114-5300
photo : Kouki Marueki(BOIL) styling : Hidenori Asai text : Takumi Endo