〈エイブルキャリー〉CEOにインタビュー!
アクティブな都市生活に必要なのは洗練デザインの“無重力バックパック”
近所へのお出かけならスマホひとつでOKだが、ウィークディだと話は別。ノートPCやタブレットはマストだし、仕事帰りにジムに寄るならそれなりの準備も必要。それらを持って移動するとなるとバックパックがイチバンだが、重くて疲れてしまうことも。そんな悩みを払拭できるのが、“無重力バッグ”としてSNSでバズった〈エイブルキャリー〉。そこで新作発表のタイミングで来日したCEOにインタビューを敢行。まずはブランド誕生のきっかけから聞いてみた。
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「もともとは香港で“ジグザグ”というセレクトショップをやっていたんだ。やがて2016年頃からコワーキングスペースが増え、ラップトップPCを持ち歩く人が多くなった。そこでスマートかつ安全にPCを持ち運べるバックパックを開発し、自分のショップで販売したら瞬く間にヒットしたんだよ」
その後ニューヨークに進出し、昨年ついに日本上陸。香港と共通するのは、2都市とも公共の交通機関で移動するライフスタイルということ。そんな都市生活のバックパックに求められていたのが“軽さ”。〈エイブルキャリー〉のバックパックは本体も軽量だが、背負ったときに感じる重さが違うという。
「1本に繋がったショルダーストラップを、バッグ底部でA字型に固定する構造により、下から持ち上げられているような効果が得られる。この“Aフレーム”のおかげで、大幅に重量が軽減した感覚になるんだ。1日中背負っていても重さを感じないほど快適だよ」
ただ“軽い”だけではなく、“頑丈さ”も備えたことで〈エイブルキャリー〉は大ヒット。
「表地の“X-PAC”はヨットの帆にも使用される、軽量かつ頑丈な4層構造の素材。さらに破けやすい内側にはリップストップナイロンを組み合わせたり、最も壊れやすいストラップ付け根部分の留め方を工夫するなど、より長く使ってもらえるように開発したんだ」
あえてロゴが目立たないシンプルなデザインも、長く使ってもらいたいという思いから。
「中身がいっぱいでも空でも同じように見えるフォルムや、どんなファッションにも合わせられるタイムレスなデザインなど、見た目にも徹底的にこだわった。オン・オフを問わず、どんなシーンにもしっくり馴染むバッグを作ることも、ミッションのひとつだったからね」
“デイリープラス”W29×H49×D19㎝。3万580円(エイブルキャリー)
2月号本誌で紹介した“デイリープラス”は、1月に発売されたばかりの新作。〈エイブルキャリー〉で最も人気の“デイリー バックパック”をアップデイトしたモデルだ。
「シンプルなデザインで人気だったモデルだが、今回はさらに小物の収納に便利なオーガナイズポケットとワインボトルも入る隠しポケットを追加し、収納力もアップした。これはユーザーのレビューに応えたアップデイトなんだよ」
本誌ではバリエーションとして掲載した“マックス バックパック”は、1〜2泊のエアトリップも想定した、たっぷり容量のモデル。
「空港の手荷物検査で、メイン荷室を開けずにPCだけ取り出せるようにした。キャリーハンドルに固定できるストラップや、空港のトイレに掛けられるハンドルも便利でしょ。パンデミック中に開発したモデルだからテストする機会が少なくて心配だったけど、アメリカの有名な賞を獲得することができた。今回の来日ではチーム全員がこのモデルを使っているよ(笑)」
今後、日本での販路やビジョンは?
「メインは自社のECサイトだね。有楽町や渋谷、新宿にある“ベータ”では実際に見て触って、その場で注文することもできる。近い将来はセレクトショップでの展開も叶えたいね」
最後に今後どんなバッグを展開していきたいかを聞いてみた。
「仕事から遊びまで、すべてのライフスタイルをカバーできるバッグを開発することが目標。だから常にアンテナを張って新しいライフスタイルを模索し、それをいち早くサポートしたいと思っている。時代の流れをしっかり見極めながら、最高のバッグを提供したいね」
日本滞在中、東京の街で精力的にマーケティングをこなした〈エイブルキャリー〉チーム。近い将来、我々のライフスタイルによりフィットするバッグをリリースしてくれるはずだ。
PROFILE
JULIAN CHOW
ジュリアン・チョウ
エイブルキャリーCEO/創業者。南カリフォルニア大学を卒業後、バッグを中心としたライフスタイルアイテムのセレクトショップ“ジグザグ”を香港にオープン。“冒険に溢れた毎日のために、より良いバッグを”というミッションのもと、2018年に〈エイブルキャリー〉をローンチ。2022年に日本上陸を果たす。
●エイブルキャリー
URL:https://ablecarry.jp/
text : Yoshito Ogiwara