一生もののジャケットとは? “紺ブレ”人気は終わらない!
トレンドは繰り返すもの。相変わらずストリートスタイルが人気を集めているが、ここにきてアイビーやプレッピーが再び頭角を現してきた。ボタンダウンシャツやチノパン、ローファーといったアイテムが若者の中でも人気だが、となればやっぱり気になるのはブレザーだろう。
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理由1:もはやトレンドを超越した永久定番
理由2:退屈なジャケパンにならない
理由3:ビジネスにもカジュアルにも使える
もはやアイビーやプレッピーが流行しているから、と謳うのもはばかられる永久定番品だが、ここにきて注目が集まっているのは確か。正確には英国クラシックの流れやフレンチトラッドを受けて、数シーズン前から注目されてきたアイテムではある。
その出自は諸説あるが、ケンブリッジ大学のボートクラブのユニフォームとして着られていたジャケットが由来という説や、イギリスの戦艦ブレイザー号の軍服に由来するという説が有力だ。つまり発祥はイギリスだが、その後アメリカへわたり人気を博し、アイビーやプレッピーにおける定番アイテムとなった。ここ日本においてはアイビーやプレッピーの影響が強いことから、アメリカ的な空気を感じ取る人が多いだろう。
特徴は、いわゆる金ボタン。ネイビーやブラック地に輝く金ボタンには、確かに軍服的な威厳が漂う。一方で、ある意味カジュアルとも取れるその仕様は、パンツ選びのバリエーションを広げてくれる。ウールのスラックスから色落ちデニムパンツまで、実に幅広い着こなしが可能なのだ。
威厳や見栄えのよさが重要な、軍服の面影を残す金ボタン。軍艦ブレイザー号にヴィクトリア女王が訪問した際、乗組員の見栄えをよくするために金ボタンで飾ったという説があるアメリカントラッドにおけるブレザーでは、こんなパッチ&フラップタイプのポケットがスタンダード。生地はネイビーが基本で、ウールフランネルやウールサージなどが多く用いられる
8万1400円(ブルックス ブラザーズ/ブルックス ブラザーズ ジャパン)
アメリカントラッドなブレザーにおける代表格と言えるのがこちら。ウエストの絞りがない型“マディソン”は、No.1サックスーツの系譜を継ぐまさにアメリカントラッドの象徴的シルエットだ。生地はヴィタル バルベリス カノニコ社のエクスクルーシブを採用。
12万6500円(ポロ ラルフ ローレン/ラルフ ローレン)
ブレザーの伝統的な意匠を継承しつつも、イタリアメイドらしいやわらかなシルエットを披露するこちら。芯地も薄手で軽く、ラペルも7cmとややナローで実にスタイリッシュ。ポロ競技用ヘルメットにラケットを組み合わせた金ボタンが、ブリティッシュな空気感を匂わせる。
6万9300円(J.プレス オリジナルズ/J.プレス & サンズ 青山)
上質なニュージーランド産メリノウール100%のドスキン生地を採用することで、ソフトで美しい微光沢感のある風合いに仕上げた1着。ブレザーならではのカジュアルさに、ドレッシーさをバランスよく調和させた。一方で仕立てはアンコンで、着心地は実にソフト。
24万2000円(ベルヴェスト/伊勢丹新宿店)
スーパー110sウールならではの美しい光沢となめらかさ。さらにダブル仕立てとあって、貫禄のある雰囲気を楽しませてくれる。とはいえ、合わせは浅めなのでボタンを全開けして着てもバランスがいい。アイビーだけでなく、フレンチトラッドとも好相性の1着。
12万1000円(タリアトーレ/トレメッツォ)
昨今のニットジャケット人気は、ブレザーにおいても。こちらはウールジャージを採用。ピークドラペルがクラシックな雰囲気を漂わせつつも、その着心地はとてもソフト。ボタンに合わせて、ブートニエールもゴールドで統一するあたりに、イタリアらしい遊び心が。
ブレザー最大の特徴である金ボタンのアイキャッチが、たとえベーシックな組み合わせでも退屈なジャケパンスタイルに見せないのが魅力。パンツを選ばず、ビジネスでもカジュアルでも使えるとなれば、まさしく持っておいて損のないジャケットだ。
●伊勢丹新宿店
TEL:03-352-1111
●J.プレス & サンズ 青山
TEL:03-6805-0315
●トレメッツォ
TEL:03-5464-1158
●ブルックス ブラザーズ ジャパン
TEL:0120-02-1818
●ラルフ ローレン
TEL:0120-3274-20
photo : Kouki Marueki(BOIL) styling : Takumi Tagawa text : Masafumi Yasuoka