価値ある“マウンテンパーカ”選びで、
知っておきたい名品と最新!
マウンテンパーカが街着として市民権を獲得したのは、なにも最近のアウトドアブームがきっかけじゃない。遡れば、およそ50年前。1970年代にアメリカで巻き起こった“Back to Nature”を合言葉にしたアウトドアブームがそもそものきっかけ。そして今、古きよきアメカジ人気の再燃とともに、クラシックなマウンテンパーカに注目が集まっている。今回は、その優れた特徴を改めておさらいするとともに、最新のラインアップも見ていこう。
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ポイント1:スプリングアウターとして最適
ポイント2:多ポケットが今っぽい
ポイント3:トレンドの武骨なアメカジとマッチ
昨今のトレンドキーワードを挙げてみよう。1:古きよきアメカジ 2:多ポケット 3:軽くて撥水性あり 4:クラシック&トラッド。と、まぁこんなところかと。そこでマウンテンパーカに注目をしてみると? そう、見事これらの要素を備えている。今注目を集めているのも、納得だ。
マウンテンパーカとは、読んで字の如く主に山岳で着られるパーカのこと。最も有名というか、ほぼ元祖といっていいのが〈シエラデザインズ〉の1着だろう。1968年に誕生したそれは、コットン60%にナイロン40%を用いた、いわゆる“ロクヨンクロス”に加え、大型のフラップ付きポケットやベルクロカフ、ウエストのドローコードといったディテールとともに、“マウンテンパーカ=高機能撥水アウター”という概念を確立した。その後、ゴアテックスをはじめとしたハイテク素材が登場し、その進化は今もなお続いている。
もはや定着したアウトドア人気により、高機能なマウンパ選びに事欠かない昨今。トレンドとしてはクラシックなデザインが人気で、〈シエラデザインズ〉然り、往年のデザインの魅力が再認識されている。今回は、そんなクラシックな面影を残すマウンテンパーカをピックアップしてみた。
[シエラデザインズ]
SIERRA DESIGNS
4万9500円(シエラデザインズ/アリガインターナショナル)
今に続くマウンパの原型!
1968年に登場。コチラは当時としては相当なハイスペックな作りだった。注目は素材。コットン60%にナイロン40%をブレンドした生地は、乾燥時にはコットンが通気性を確保する反面、雨天時には水分を吸ったコットンが膨張。ナイロンとともに撥水性を発揮するという画期的な素材だった。現在も基本的なスペックは踏襲され、アメリカ国内で生産し続けられている。いわば時代を超えた名品というやつだ。
首元からの風雨の侵入を防ぐため、高さを持たせたフロントジップライン。フードのレザーは通称ブタ鼻と呼ばれるコード留めで、クラシックなマウンパにおける象徴的なディテール
フロントは風雨を防ぐために、ジップに加えてスナップボタン仕様のフラップが備わっている。同じく風雨の侵入を防ぐフラップ付きの大型のポケットも、マウンパでは定番
マチ付きのカフにはベルクロをあしらっている。風雨の侵入防止に加えて、袖のずり上がり防止やグローブをした際に収まりをよくするためのデザイン
[ザ ・ノース・フェイス パープルレーベル]
THE NORTH FACE PURPLE LABEL
3万6300円(ザ ・ノース・フェイス パープルレーベル/ナナミカ マウンテン)
アーバン目線のマウンパ!
ポリエステル65%にコットンを35%ブレンドした、“ベイヘッドクロス”を採用する65/35マウンテンパーカ。さらに表生地に撥水加工することで、’70年代をイメージさせるクラシックな顔つきながら高機能な1着に仕上げている。裏地にはリサイクルポリエステルを使用するなど、サスティナブルな一面にも注目。シルエットはすっきりとしたワイドシルエットで、イマドキなリラックス感が味わえる。
THREE DOTS
4万1800円(スリードッツ/スリードッツ青山店)
快適さにこだわった1着!
耐久性の高い撥水加工を施したナイロン製生地を使用。高密度に織り上げているので、止水ジップとも相まって、風を通しにくくなっている。フロントには大型のジップポケットを採用するなど、実用的な機能もしっかり。さらには、ドライな肌触りやストレッチ性など、快適な着心地へのこだわりも披露。一方で、シンプルなデザインは都会的かつファッション性が高い仕上がりになっている。
TEN C
15万4000円(テンシー/ティーエヌピー)
タフで頼れる1着ってこと!
一生着続けられるマウンパが欲しい。それなら選ぶべきはここ。その手触りこそスムージーで心地いいが、超高密度で織り上げたナイロン×ポリエステル生地は実にタフ。ボンディング&シームシールとともに、激しい風雨もしっかり防いでくれる。さらに、着続けることで経年変化を楽しめるのも魅力。つまり、化学繊維ならではのハイパフォーマンスを、天然素材同様の風合いをもって楽しめる1着ってわけ。
JUGEM
3万5000円(ジュゲム/ヘムトPR)
ヴィンテージの新時代解釈!
ヴィンテージ テック マウンテンパーカというネーミングのとおり、フラップ付きの大型ポケットが往年のマウンパの顔つきに。一方で、防水透湿素材のeVentを採用するなど、そのスペックは実に高い。さらに縫い目からの滲みを防ぐシームシール、脇下のベンチレーションも完備。それでいて、スマホやAirPodsを収納するのに便利なポケットも採用するなど、現代の街着としての要求も満たしている。
BEAMS
2万4200円(ビームス/ビームス 原宿)
シルエットがそれを物語る!
大型のフラップ付きポケットを8つも採用したこちら。ワイドかつロングなリラックスシルエットと、クラシックにしてイマドキな雰囲気を両立する。たとえるなら、アメリカンサイズの’70年代製マウンパを、ルースなストリートコーデにマッチするシルエットに仕上げたといったところ。生地はコットン×ポリエステルのグログランで、クラシックな風合いに。着込む楽しさも与えてくれる。
マウンテンパーカは基本的に保温性を備えていないが、その一方で軽くて収納力も抜群と、イマドキの春アウターとしては理想的なスペック。雨風を防ぎつつもライトな羽織りとして1着持っておくと重宝する。まさにそんなアウターだ。
●アリガインターナショナル
TEL:03-6659-4126
●スリードッツ青山店
TEL:03-6805-1704
●ナナミカ マウンテン
TEL:03-6416-3012
●ビームス 原宿
TEL:03-3470-3947
●ヘムトPR
TEL:03-6721-0882
●ティエヌピー
TEL:03-3463-8545
photo : Tomoo Syoju(BOIL) styling : Takumi Tagawa text : Masafumi Yasuoka