通販で失敗しないために
“スウェット”で知っておくべきこと!
アメカジの定番スウェットアイテムも、いまや名だたるラグジュアリーブランドにおいても定番に。なにしろ楽ちんで快適だから、その存在感は増すばかりだ。だがここで一度立ち止まりたい。スウェットって、そもそもなんなんだ? やや地厚で伸縮性のある、コットンのクルーネックかパーカ? いや、実は一般的にスウェットとひとくくりにされているものでも、実はまるで違うものが混在している。ウェブショッピングで失敗しないためにも、ちゃんとその違いを知っておこう。
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ポイント1: 裏の編み方でおおよそ判別可能
ポイント2:編み方によって着心地が全然違う
ポイント3:編み方によって雰囲気が全然違う
いまや大人の休日コーデにおいて、欠かせないアイテムとなったスウェット。でも、スウェットがなんたるかをちゃんと知っている人は少ないように思える。アメカジ人気の中でその存在感をさらに強めている今、そのなんたるかを知っておこう。
スウェットの誕生は1920年代に遡る。アメリカの〈ラッセル・アスレティック〉によって生み出されたという説が有力。当時、スポーツウエアにはウールが主に用いられていたが、軽く伸縮性に優れ、吸汗性がよく肌離れのいいコットンに切り替えたのがそのはじまり。汗をよく吸うことから、スウェット=汗と名づけられたのだとか。つまり、スウェットとはアイテムの名前ではなく、生地の名前ってこと。ただし、その定義は“汗をよく吸う生地”ということ。それだけに、様々な素材の登場を前にすると「スウェットとはなんぞや?」ってことになってしまう。
スウェットは基本的に平編みにしたニット生地を指し、表面と裏面が異なる2重構造のものとされる。ただし、それはひとつじゃない。一般的に裏毛と裏起毛に分けられるのだ。裏毛は別名“フレンチテリー”といい、いわばパイル。タオルのような小さなループした糸が見えるはずだ。そして裏起毛は別名“テリーフリース”と呼ばれ、起毛させ細かい毛羽になったフワフワの裏面になっている。吸汗性に優れているのは共通だが、その肌触りはまるで異なる。しかし、表面から見ると両者はほぼ同じ。だから、実際に店頭で手に取る際は気づくだろうが、ウェブショッピングの場合は知っておかないと思っていたものと違う場合があり得る。
さらにいえば、表面はどう見てもスウェット顔なのに、裏を見ると裏毛でも裏起毛でもないものがある。正確にはスウェットではないが、見た目がほとんど同じなら「別にどっちでもいい」という人もいるだろう(笑)。とはいえ、いざ袖を通したときの肌触りや生地感は全く違うので、知っておいて損はない。
01/“ループ裏毛”
[サタデーズ ニューヨークシティ]
SATURDAYS NYC
裏はこんな感じ!
1万9800円(サタデーズ ニューヨークシティ)
ヘビロテを約束!
胸にあしらったスプリクトロゴのエンブロイダリーが、ボディのポーセリンブルーと相まって実に爽やか。素材はコットン100%で、やや厚みのある生地感は着込むほどに馴染んでくる。裏面を見るとタオル地のように糸がループしているのがわかるはず。これが通称“ループ裏毛=フレンチテリー”と呼ばれるもので、汗をよく吸い取りながら肌離れがいいのが特徴。見た目だけじゃなく、着心地においても爽やかな1着ってこと。
[ディスカス アスレチック]
DISCUS ATHLETIC
裏はこんな感じ!9350円(ディスカス アスレチック/ドリームワークス)
シンプルでよし!
ソフトでライトオンスのアメリカ製スウェット生地で仕立てた、シンプルな1着。セットインスリーブを採用し、縫製はフラットシームで行われている。いわば、アメリカンなスウェットにおけるオーセンティックな作りといったところだ。で、裏面を見るとこちらは“裏起毛=テリーフリース”になっている。裏面を起毛させることで吸汗性を高め、ループ裏毛と比べると比較的肌触りが柔らかなものになっている。
01/“ダンボールニット”
[ロイアル]
ROIAL
素材はこんな感じ!
1万1880円(ロイアル/ジャングルジャム)
一度袖をとおすとヤミツキに!
昨今よく見かけるのがこちら。一見するとスウェットのように見えるが、実はまるで組織が異なる。2枚のニット生地を中糸でつなぎ合わせたもので、ストレッチ性に加え指で押さえるとフワリとした弾力性を備えているのが特徴。やや厚手なのにとても軽く、また2重になっていることで生地にハリ感が生まれ、シルエットが立体的に。さらに多層構造とあって、保温性に優れているのも見逃せない。
[デュノ]
DUNO
素材はこんな感じ!3万1900円(デュノ/トヨダトレーディング プレスルーム)
手放せなくなる生地の代表格!
スポーツウエアに多く用いられながら、まるで異なるのがジャージ生地。メリヤス編みによる目の細かいニット地のことで、表面はスウェットと変わらないが、裏面も表面と同じくフラットになっているのが大きな違い。ストレッチ性が高いのが特徴で、一般的には厚みがなく軽い着心地になっている。比較的春夏アイテムに多く使われる生地で、このロンTのようなスポーティかつアクティブなデザインと好相性。
いざ裏返してみたら、正式にスウェットとは呼べないものを着ていた人もいるのでは? まぁ、見た目がスウェットっぽかったら別に構わないっちゃ構わないが、ただ、これからの季節は汗をかくことも多くなる。快適にファッションを楽しむためにも、正しくスウェットを選びたいものだ。
●サタデーズ ニューヨークシティ
TEL:03-5459-5033
●ジャングルジャム
TEL:03-6452-5282
●トヨダトレーディング プレスルーム
TEL:03-5350-5567
●ドリームワークス
TEL:03-6447-2470
photo : Tomoo Syoju(BOIL) styling : Takumi Tagawa text : Masafumi Yasuoka