Safari Onlineの人気記事『【まとめ】まさかのエンディングに驚愕! どんでん返し映画35本!』から、ヒロインが主人公のどんでん返し映画をよりぬき! まだまだどんでん返し映画を観たいという人は、リンクからアクセスしてみて!
『フライトプラン』
製作年/2005年 監督/ロベルト・シュヴェンケ 出演/ジョディ・フォスター、ピーター・サースガード
機内で娘が行方不明、けど誰も見ていない!?
明らかにそこで起こっていることを主張しているのに、周囲からは全否定される。もしかして勘違いだったのかと、自分で自分がわからなくなっていく……。『フライトプラン』はこのパターンで、先が読めない一作だ。
主人公は航空機の設計士であるカイル。事故で亡くした夫の棺、そして6歳の娘とともに、ベルリンからNYへの飛行機に乗った。しかし離陸して3時間。隣に座っていたはずの娘が姿を消す。パニックになるカイルに対し、乗客・乗員とも「娘なんて見ていない」と話し、搭乗記録にも娘の名前が存在していないと報告される。
すべてカイルの思い違い? それとも何か壮大な罠が仕掛けられている? カイル役、ジョディ・フォスターの鬼気迫る演技もあって、上空を行く機内という密室空間でのサスペンスが劇的に進行していく。職業柄、カイルが飛行機の内部に詳しいというのも大きなポイント。かなり強引な設定ではあるので、よく考えるとツッコミどころも見つかったりする。しかしそれも含め、強烈なインパクトのシチュエーションと幕切れに呆気にとられるのは間違いない!
【ここから驚愕のラスト】
カイルが眠っている間に娘は機内の機械室に連れ込まれていた。その犯人は、カイルの夫を殺したうえ、棺に爆弾の起爆装置を仕掛け、カイルをハイジャック犯に仕立てようと、周囲に策略をめぐらせていたのだ。乗客が空港に避難した後、主犯は機内で爆死させられる。
『女は二度決断する』
製作年/2017年 監督・脚本/ファティ・アキン 出演/ダイアン・クルーガー、デニス・モシット
想像すらできない突然の結末にビックリ!
“衝撃の結末”というのは、映画ではある程度、常識。観る者を驚かせることも映画の目的だからだ。けれども、その結末も、だいたいは「こうなったらスゴい」と予想できたりするし、願望どおりだったりする。でもそんな予想や願望を打ち砕くのが、この映画。
ドイツで平穏な暮らしを送っていたカティヤだが、トルコ系移民の夫と6歳の息子が爆発事件の犠牲になって命を落としてしまう。カティヤは絶望して自殺を図ろうとするも、ネオナチの夫婦が事件の容疑者であることが発覚。やがて彼女の心は、復讐に傾いていくという、背筋が凍るサスペンスだ。
ヨーロッパでの移民排斥というリアルな社会問題を背景に、人間の絶望や怒り、復讐の心理に引き込んでいく骨太な作り。カンヌ国際映画祭で主演女優賞に輝いた、カティヤ役、ダイアン・クルーガーの迫真の表情に最後まで圧倒される。
【ここからエンディングのネタバレ】
容疑者夫婦のキャンピングカーに侵入したカティヤは、彼らを道連れに爆発装置を使って自爆! 復讐を果たしたとはいえ、ヒロインが死ぬという結末に呆然としてしまう。
『ワイルドシングス』
製作年/1998年 監督/ジョン・マクノートン 脚本/スティーブン・ピータース 出演/ケビン・ベーコン、デニス・リチャーズ、マット・ディロン
事件が解決したと思ったら、その先があった!
ハイスクールで心理カウンセラーを務めるイケメンの教師サムが、裕福な家の女生徒ケリーにレイプされたと告発される。追い打ちをかけるように、ほかの女生徒スージーも、彼にレイプされたことがあると証言。だが、法廷でそれらが狂言であったことが判明。サムはケリーの母から莫大な示談金を得て街を去る。ところが、これは彼とケリー、スージーが組んだ大芝居だった。彼らの結託を疑っていた刑事レイは、真相を追って奔走する。
<ココからネタバレ>
3者の結託が判明するのはホンの小手調べで、どんでん返しはさらに続く。レイが動いていることに動揺したスージーは口封じのために殺され、その犯人と見られたケリーもレイに射殺される。これもすべて仕組まれたことで、サムとレイは手を組んでいた……と思いきや、真の黒幕が後に発覚! これぞ正しい二転三転で、マット・ディロンやケビン・ベーコンらクセ者俳優たちの妙演も相まって、最後の最後まで目が離せない!
『エスター』
製作年/2009年 監督/ジャウム・コレット=セラ 出演/ベラ・ファーミガ、ピーター・サースガード
少女エスターの本性とは!?
3人めの子供を流産したことから情緒不安定に陥った妻ケイトのために、夫のジョンは新たに養子を迎える。孤児院から引き取られた、その子供、エスターは聡明で礼儀正しい9歳の女の子だった。しかし、首と手首に巻かれたリボンを決して外そうとしない。やがてケイトは彼女の挑発的な態度を気にしはじめるが、夫は気のせいと取り合おうとしない。さらにエスターの不審な行動はエスカレートし、ジョンとケイトのふたりの実子を脅迫。さらには孤児院から様子を見に来たシスターを殺害してしまう……。
<ココからネタバレ>
その後、エスターはあろうことか、ジョンを誘惑するという9歳の少女とは思えない驚くべき行動に出る。ここで明らかになるのは、難病のために身体の成長が止まってしまったエスターが、実は33歳であったこと!あどけない顔をしながら、手段を選ばずほしいものを手に入れようとする彼女の狂気に、戦慄を覚えずにいられない。ちなみにエスターを演じたイザベル・ファーマンは本作の撮影時は11歳の子役だったか、その怪演は鮮烈!
『RUN /ラン』
製作年/2020年 監督・脚本/アニーシュ・チャガンティ 出演/サラ・ポールソン、キーラ・アレン
飲まされていた薬の正体とは!?
『seach /サーチ』で注目された俊英アニーシュ・チャガンティが新たに放つ、2021年の日本劇場公開作。主人公のクロエは慢性の病気で車椅子生活を余儀なくされているハイティーンの少女。学校に通っていないが勉強熱心で、大学生活に夢を馳せている。唯一の家族である母親ダイアンは、彼女に惜しみない愛情を注いでいた。そんなある日、クロエは母があたえる薬に疑念を抱き、調べてみると、それは人間に処方してはいけない薬品だった。日増しに深まる母への疑惑。そんな娘の異変に、ダイアンは気づき……。
【ココからネタバレ】
ダイアンは実はクロエの実母ではない。出産時に赤子を死なせた彼女は絶望の中で、院内の赤子をすり替え、自分の子=クロエとして育てていた。しかも、完全に自分の保護下に置くために、病弱であると言い聞かせながら体によくない薬をあたえ続けていたのだ。大学に進学させる気も、さらさらない。毒母と呼ぶにふさわしい、母親の壮絶な独占欲に戦慄!
『アザーズ』
製作年/2001年 製作総指揮/トム・クルーズ 監督・脚本/アレハンドロ・アメナーバル 出演/ニコール・キッドマン、フィオヌラ・フラナガン、クリストファー・エクルストン
屋敷に暮らす家族の秘密とは?
『オープン・ユア・アイズ』のアレハンドロ・アメナーバルが監督を務め、トム・クルーズが製作総指揮として参加。製作当時、トムの妻だったニコール・キッドマンが主演を務めている。物語の舞台は、第2次世界大戦直後のジャージー島。出征した夫の帰りを待ちながら、広い洋館で娘と息子とともに3人で暮らすグレース(キッドマン)。子供たちは光にアレルギーがあるため、カーテンは日中も閉め切られたまま。そんな屋敷に3人の使用人が現れるが、その日を境に不可解な現象が起きはじめ……。
<ここからネタバレ>
光から子供たちを守ろうとする神経質な母グレース、どこか怪しげな使用人たち、帰って来る気配のない夫……。直接的なホラー描写はなく、ただただ充満する不穏な空気がスリルとなって押し寄せてくる作品だが、ラストではグレースと子供たちがすでに死者であると判明。悲しき事情を抱えるグレースを美しく熱演したニコール・キッドマンの演技に、公開当時も多くの賛辞が寄せられた。