唖然! 呆然!
驚愕のエンディング映画5選!
映画好きにとって、先が読めない展開は大好物。しかも衝撃の結末を迎えるとなると満足度もグッと高くなってくる。そこで驚愕のエンディングを迎える作品を5本セレクト。作品紹介の後半には【ネタバレ】が含まれているので、ラストを知りたくない人はご覧にならないようご注意ください!
『オールド・ボーイ』
製作年/2003年 監督・脚本/パク・チャヌク 出演/チェ・ミンシク、ユ・ジテ、カン・へジョン
監禁された衝撃の理由とは!?
日本のコミックを韓国で映画化し、ハリウッドではリメイクもなされた、凶暴にして哀切なサスペンス。ある日突然、何者に誘拐され、15年にわたり監禁された、平凡な会社員デス。解放された後、犯人への復讐を誓った彼はその正体を探る一方で、偶然知り合った若い女性ミドと恋に落ちていく。犯人は意外にあっさり判明したが、この男はミドを盾に取り、監禁した理由を突き止めることを要求。やがてデスが行き着く、衝撃の真実とは!?
【ココからネタバレ】
タイトルの“オールド・ボーイ”とは同窓生の意味。犯人は高校時代のデスの同窓生で、高校の頃に実の姉と愛し合っていたことをデスに知られ、それが言いふらされたことにより、姉は自殺していた。15年に渡るデスの監禁は、これに対する復讐。しかし、それははじまりに過ぎなかった。デスとミドが出会ったのも、実は犯人の差し金。デスもミドも知る由もなかったが、彼らは実の親子だったのだ……。この衝撃は、見ていて胸を引き裂かれずにいられない。
『search /サーチ』
製作年/2018年 監督・脚本/アニーシュ・チャガンティ 出演/ジョン・チョウ、デブラ・メッシング、ジョセフ・リー、ミシェル・ラー
失踪事件の結末に震える!
すべての映像がPCの画面上で展開するユニークなスリラー。16歳の少女マーゴットが突然、失踪した。シングルファーザーである父デビッドは彼女のPCにログインして何が起きたのかを探る。SNSをたどって明らかになる、朗らかだった娘の、孤独を募らせていた裏の顔。彼女は犯罪に巻き込まれたのか? 捜査に当たる女性刑事はシングルマザーで、似た境遇のデビッドに同情しつつ奔走。やがてマーゴットを殺したという男が罪を告白した後、みずから命を断ち……。
【ココからネタバレ】
マーゴットはハンナと名乗る女性とネットを通じて親しくなっていた。しかし、ハンナはある人物がなりすましていたキャラクター。その正体は、なんと女刑事の息子だった! この青年はマーゴットが失踪した当日、彼女と会っており、正体を偽っていたことや金銭のやりとりの件で揉めたあげく、彼女を渓谷に突き落とす。女刑事はそんな息子をかばうため、デビッドに嘘を報告し、別の犯人をでっちあげていた……。我が子を思うデビッドの真相追及の旅は、我が子を思う女刑事の悪事を明らかにすることになる……という構図。
『閉ざされた森』
製作年/2003年 監督/ジョン・マクティアナン 出演/ジョン・トラボルタ、コニー・ニールセン、サミュエル・L・ジャクソン
二転三転する結末は予想不可能!
米軍パナマ基地近くの密林で特殊訓練を行なっていたレンジャー部隊7名が消息を絶ち、2名が捜索隊に発見された。隊を率いていた軍曹に加え、ほかのメンバーは行方不明。真相究明のために陸軍大佐が白羽の矢が立てたのは、尋問を得意とする元軍人で、現在は謹慎中の麻薬捜査官トム。正義感の強い基地の女性捜査官ジュリーとともに生存者2名の尋問に当たった彼は、証言の食い違いを調べるうちに、部隊が麻薬の密売に関わっていたことを突き止める……。
【ココからネタバレ】
第8特殊班と呼ばれる麻薬密輸チームの黒幕をめぐり、物語は二転三転。最初は基地内の医師がそうかと思われたが、トムを雇った大佐こそが黒幕と判明。トムを殺そうとした大佐をジュリーが射殺して一件落着……のはずだったが、裏にはさらなるからくりが。大佐は基地内の麻薬密輸網を暴くために特殊訓練を命じ、その一員らしき軍曹の殺害を隊員に命じたに過ぎなかった。黒幕の正体は、実はトム! 捜査を装い、第8特殊班を守っていたのだ。このオチは、さすがに予想できない。
『猿の惑星』
製作年/1968年 原作/ピエール・プール 監督/フランクリン・J・シャフナー 出演/チャールトン・ヘストン、キム・ハンター、モーリス・エバンス
どんでん返し映画の不朽の名作!
多くの観客に愛され、シリーズ化やリメイク、リブートがなされてきたSF映画の名作中の名作。はるか未来、宇宙でのミッションを終えたテイラー大佐は機の故障により未知の惑星に不時着。そこは言葉を話し、高度な知能を持つサルが人間を支配する世界。サルたちは言葉を話すテイラーを脅威とみて拘束し、虐げる。しかし、サルの科学者夫妻と心を通わせたテイラーは、彼らの協力を得て脱走を画策し……。
【ココからネタバレ】
本作のドンデン返しは、あまりに有名なラストシーンに尽きる。サルの社会から脱走し、言葉を話せない人間の女性ノバとともに海岸線にたどり着いたテイラーは、そこで信じられない光景を目にする。崩れ落ちた自由の女神像――そう、ここは未知の星ではなく、未来のNY、つまり地球だったのだ。文明を滅ぼしかねないほど暴走する、そんな人間の愚かさを痛烈に風刺した名シーンでもある。
『RUN /ラン』
製作年/2020年 監督・脚本/アニーシュ・チャガンティ 出演/サラ・ポールソン、キーラ・アレン
飲まされていた薬の正体とは!?
『seach /サーチ』で注目された俊英アニーシュ・チャガンティが新たに放つ、2021年の日本劇場公開作。主人公のクロエは慢性の病気で車椅子生活を余儀なくされているハイティーンの少女。学校に通っていないが勉強熱心で、大学生活に夢を馳せている。唯一の家族である母親ダイアンは、彼女に惜しみない愛情を注いでいた。そんなある日、クロエは母があたえる薬に疑念を抱き、調べてみると、それは人間に処方してはいけない薬品だった。日増しに深まる母への疑惑。そんな娘の異変に、ダイアンは気づき……。
【ココからネタバレ】
ダイアンは実はクロエの実母ではない。出産時に赤子を死なせた彼女は絶望の中で、院内の赤子をすり替え、自分の子=クロエとして育てていた。しかも、完全に自分の保護下に置くために、病弱であると言い聞かせながら体によくない薬をあたえ続けていたのだ。大学に進学させる気も、さらさらない。毒母と呼ぶにふさわしい、母親の壮絶な独占欲に戦慄!
photo by AFLO