『コラテラル』
製作年/2004年 製作総指揮/フランク・ダラボン製作・監督/マイケル・マン 脚本/スチュアート・ビューティー 出演/トム・クルーズ、ジェイミー・フォックス、ジェイダ・ピンケット=スミス、マーク・ラファロ、ハビエル・バルデム、ジェイソン・ステイサム
トップスターが悪役を演じる最高のサンプル!
トム・クルーズという人は、もちろん映画の主役として“華”がある稀有な存在なのだが、無表情の際の目には、決して人には言えない内面が潜んでいるようにも感じる。そんな彼の隠れた特徴を引き出したのが、本格的悪役に初めて挑んだ『コラテラル』だ。演じたのはプロの殺し屋なのだが、冒頭ではトムのいつもの“いい人”オーラも漂って、隠された素顔や、その後の展開への心の準備もまったくさせてもらえない。トップスターが悪役を演じる、最高のサンプルだと言っていいのでは?
ロサンゼルスのタクシー運転手マックスに、ある夜、客が多額なチップをちらつかせ、5カ所を回るように頼んでくる。その客は5カ所で人を殺すのが目的だった。マックスは客が仕事を終えるのを待ち、次の場所へ向かうのだが、自分も殺しの片棒をかついでいる事実に耐えられなくなり……。殺し屋としてのトム・クルーズの冷血非道な熱演もさることながら、アクションスターとして超一流というイメージが重なり、“この男に狙われたら誰も敵わない”というリアルな恐怖を生み出すことにも成功。そしてディカプリオの『ジャンゴ』と同じく、対峙する“正義”側のキャストがジェイミー・フォックス。偶然とはいえ、大スターの悪役を受け止める相手にふさわしいのかも。
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