“サンローラン プロダクション”がアカデミー賞で快挙!
迫りくる決断と勇気で運命を切り開く『エミリア・ペレス』の面白さ!
ゴールデングローブ賞4部門受賞、そして先日行われたアカデミー賞で、助演女優賞と歌曲賞の2部門を受賞し喝采を浴びた作品『エミリア・ペレス』。すでに日本でも話題になっているので、公開を待ちわびている人もたくさんいると思うが、さっそく日本でも試写会を行い、セレブたちが来訪。その様子とともに、作品を紹介していこう!
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第97回アカデミー賞で助演女優賞、歌曲賞の2部門で受賞した『エミリア・ペレス』の試写会に潜入! そこへ訪れた、中田クルミ、塩野瑛久、安斉星来、松島 花の4人に作品の感想を聞いてきた! サンローランが手掛けた華麗な衣装にも注目!
【アカデミー賞助演女優賞を受賞!】
弁護士リタを演じたゾーイ・サルダナ。ドレスはもちろん〈サンローラン〉だ。受賞スピーチでは、移民の両親の子であることへの誇りを語り、会場は感動に包まれた
じゃあ、こんなにもなにが絶賛されているのか? それは、一言では言い切れないが、なにもかもが新しい試みで独創的であることだろう。たとえば、サスペンス×アクション×ミュージカル×ヒューマンドラマという、様々なジャンルを融合させ、ひとつの作品へと築き上げているのも斬新さのひとつだ。で、その作品を制作したのが、 “サンローラン プロダクション”。
世界を魅了するラグジュアリーブランド〈サンローラン〉が、本格的な映画制作に乗り出したのは2023年。ムッシュ イヴ・サンローランが映画や舞台をはじめとする様々なカルチャーに深い興味を持っていたということもあり、現在のクリエイティブ・ディレクターであるアンソニー・ヴァカレロが構想したプロダクション。ラグジュアリー メゾンとしての初の映画制作会社だ。
社会や人間をあらゆる角度から切り取り見せていく作品の中でも、特に今回注目されたのが『エミリア・ペレス』。麻薬王のマニタスが「女性としての新たな人生を極秘に用意してほしい」と弁護士リタに依頼するところから物語ははじまる。そしてこの話を彩るのは、立場の異なる4人の女性。男性優位社会で才能を搾取され手柄まで横取りされてきたリタ、男性の肉体から解放され本当の自分を取り戻したいと願ったエミリア、麻薬王と恐れられた夫に逆らえず子育てにすべてを捧げてきたジェシー、そして夫のDVに心身を傷つけられたエピファニア。なにかに閉じ込められた状況の4人の女性が、勇気を出して飛び立とうとするその姿に、おそらく誰もが衝撃と感動を覚えるだろう。彼女たちの運命はどう動きはじめるのか‥‥…。
“セレーナと出会い”
「ある朝、ニューヨークでセレーナ・ゴメスに会ったんだ。『スプリング・ブレイカーズ』で彼女を覚えていたが、彼女についてはなにも知らなかった。でも会って10分で彼女がジェシーに適役だって確信したよ」
“脚本を読んで”
「脚本はまさに並外れていました。筋書きや登場人物も普通ではなく、みんな従来の枠に捕らわれない生き方をしていました。歌を聞いたときには、さらにワクワクしました。そして、私にもできると、勇気を振り絞るしかありませんでした」
“あなたにとってのエミリア・ペレス”
「エミリア・ペレスは、美女と野獣が同じカラダに閉じ込められてしまったような存在だと思っています。映画の冒頭では、彼女はマニスタという男性の名のもと違和感のある人生を送っています。しかしあるとき、こんな人生と決別する方法があると気づくんです。「もうたくさんだ」と。マニスタは両親から“オカマ”より“ワル”であれという教えのもとに育ちました。そのため、彼は2つの間で囚われてしまったのです。悪にも、自分本来の姿ではない男らしさにも」
“ジェシーに共感すること”
「30代になった今、私は多くの自己発見をしていると感じます。複雑で奇妙なこともありますが、時間とともに充実感を感じるようになり、すべてがいい方向に向かっています。知恵や自己認識がより深まったとも感じます。ジェシーには、何事にも熱心に取り組む姿勢に共感しました。彼女には安定した瞬間がなく、情熱であれ怒りであれ、演じていて楽しいキャラクターでした」
“自由に生きたい”と願うすべての人の心を掴む『エミリア・ペレス』に、きっと共感するに違いない。ジャック・オーディアール監督と“サンローラン プロダクション”、そしてアンソニー・ヴァカレロがクリエイティビティにこだわって制作した映画を堪能してほしい。社会や人の奥に潜む真実を描く映画を発表してきた“サンローラン プロダクション”。これからも目が離せない!
●『エミリア・ペレス』
3月28日(金)新宿ピカデリーほか全国順次公開
監督・脚本:ジャック・オーディアール
出演:ゾーイ・サルダナ、カルラ・ソフィア・ガスコン、セレーナ・ゴメス
配給:ギャガGAGA
2024年/フランス/上映時間113分