Safari Online

SEARCH

CULTURE カルチャー

2024.03.24

MLBの挑戦者たち〜メジャーリーグに挑んだ全日本人選手の足跡
Vol.13 小宮山 悟/熱いハートの精密機械


Profile】小宮山悟(こみやま・さとる)/1965915日生まれ、千葉県出身。日米通算117144敗4セーブ(19902009年)

母校の早稲田大学野球部で監督を務め、伸び盛りの若者たちと向き合う日々を送る小宮山 悟。現役時代は七色の変化球を操る頭脳派投手として鳴らし、緩急巧みにコーナーをつく様は“精密機械と称された。ナックル以外の変化球はほぼ投げられたそうだが、そのナックルに似た新魔球“シェイクを自ら開発したことでも知られている(実戦で投げることは少なかったが)。小宮山はかつて「速いボールを投げるには限界がありますが、遅いボールはいくらでも調整できます」と語っている。彼がいかにユニークだったか、よくわかるコメントだ。

高校時代から六大学野球に憧れていた小宮山は、二浪して早稲田大学に入学。2年秋からエースとして活躍し、1989年のドラフト会議でロッテ・オリオンズ(当時)に1位指名された。ロッテではいきなり先発・リリーフとしてフル回転。ルーキーにしてチーム最多登板、最多投球回を達成している。裏を返せば、当時のチーム状況がいかに悪かったかということ。勝利数よりも敗戦数が多いシーズンが続き、入団からの4年間で55敗。低迷期のロッテを支え、腐らずひたむきに腕を振り続けた。

忘れてはならないのが、ロッテのエースとして臨んだ199879日のマウンドだ。チームは悪夢の18連敗中。小宮山は被安打14、失点6という内容ながら、140球を投げきり完投勝利。粘りに粘ってチームの連敗を止めた。ちなみにその2日前には、次世代エースのジョニーこと黒木知宏が登板。あと1アウトで勝利という139球目を痛打され、同点ホームランを浴びるという“七夕の悲劇が起きている。茫然自失の黒木に対し、小宮山は「エースなら諦めるな」と諭したという。さらに「このことが自分の魂に火をつけた」と後に小宮山は語っている。
 

  

 

ボビー・バレンタイン監督とともに入団会見に挑んだ

そんな小宮山に転機が訪れたのは1999年のオフ。ロッテを退団し、MLB移籍を目指して交渉の席につくも、好条件を得られず断念。横浜ベイスターズ(当時)へと移籍し、2年間にわたり在籍した。そして自己最多タイとなる12勝を挙げた2001年オフ、FA権を行使して元ロッテのボビー・バレンタインが監督を務めるニューヨーク・メッツへ移籍。この時、すでに36歳を迎えていた。
 

  

 

マイク・ピアッツァ捕手ともバッテリーを組む

メッツに入団した小宮山は、同世代の大投手にちなみ“和製マダックスと称されるなど、ニューヨーカーの期待をおおいに集めた。しかし初登板こそ順調だったものの、以降は思うような結果を残せない。中継ぎのみで25試合に登板し、03敗、防御率5.61。メッツが契約を更新せず、わずか1年限りのMLB挑戦となってしまった。翌年は日米各球団との契約がまとまらず、自主トレーニングをしながら野球浪人。’03年オフにロッテと契約して現役復帰し、’09年に44歳で引退した。

小宮山は後に「メジャーリーグでの1年間をとても反省しています。どうして一生懸命できなかったのだろうと」と語っている。さらに「もう一度人生をやり直せるのであれば、あの時に戻りたい」とも。ハングリーさが足りなかったMLB挑戦。その後悔の念は、大学野球の指導者となった現在に生かされているように思える。早大野球部の初代監督で、“学生野球の父ともいわれる飛田穂洲(すいしゅう)氏の言葉に”一球入魂“というものがある。同野球部に代々受け継がれている言葉だが、その重さを誰よりも知るのが小宮山ではないだろうか。そんな彼だからこそ、若者に伝えられることも多いに違いない。
 

  

 

 
文=野中邦彦  text : Kunihiko Nonaka
photo by AFLO
〈ディースクエアード〉の新作コレクションに注目!とびきりお洒落して週末は山へ!?
SPONSORED
2024.07.25 NEW

〈ディースクエアード〉の新作コレクションに注目!
とびきりお洒落して週末は山へ!?

夏は海でたっぷり遊んで、秋の週末は山へ。山といっても川遊びや高原なら、しっかりお洒落もできるでしょ? というわけで秋のそんなムードにぴったりなのが〈ディースクエアード〉の新作。ポジティブで遊び心の効いたアイテムで、大自然に映えるお洒落を楽…

TAGS:   Fashion Denim
〈ロエベ〉なら遊びと洒落感がちゃんとある!大人のカジュアルはどこかが違う!?
SPONSORED
2024.07.25

〈ロエベ〉なら遊びと洒落感がちゃんとある!
大人のカジュアルはどこかが違う!?

大人カジュアルに必要なのは、やっぱり遊び心と洒落感。ひと味違う“なにか”があるかどうかで、印象が大きく変わってくる。そこで注目すべきなのが〈ロエベ〉の新作コレクション。モードな洒脱さがあり、クラフト感やヴィンテージ感のある独特な世界観が魅…

TAGS:   Fashion
元サッカー日本代表・松井大輔が〈ベルルッティ〉を選ぶワケ!こだわる男を虜にするハイエンドなスニーカー
SPONSORED
2024.07.25

元サッカー日本代表・松井大輔が〈ベルルッティ〉を選ぶワケ!
こだわる男を虜にするハイエンドなスニーカー

今年2月、セカンドライフの第一歩を踏み出した元サッカー日本代表の松井大輔さん。ファッションへの情熱も高く、特にレザーグッズは若い頃にフランスで出会った〈ベルルッティ〉を愛用しているという。そんな彼が現役引退後、初のファッションシューティン…

TAGS:   Fashion
“IQOS Together X”で夢を叶えよう!一生に一度は行ってみたい楽園モルディブで “究極の体験”!
SPONSORED
2024.07.17

“IQOS Together X”で夢を叶えよう!
一生に一度は行ってみたい楽園モルディブで “究極の体験”!

心を奪われる絶景が広がる南国の楽園で、自然と触れ合い、なにもしない贅沢を楽しみ、優雅な時間を過ごす。これこそまさに、誰しもが一生に一度は体験してみたいと願う“究極の体験”のひとつではないだろうか。そんな願いを叶えるチャンスがあるのを是非紹…

TAGS:   Lifestyle
【Safari】TOSHIO MATSUMOTO Meets BLACK WOLF間が空いてもいい。とにかく続けることで、前向きになれる。
SPONSORED
2024.06.30

【Safari】TOSHIO MATSUMOTO Meets BLACK WOLF
間が空いてもいい。とにかく続けることで、前向きになれる。

パフォーマーから退いてはや9年が経つにもかかわらず、いまだ現役さながらの肉体を保ち、キレのいい動きで第一線で活躍する松本利夫さん。歳を重ねたことで円熟味が出てきたものの、まだまだ若々しく精悍で、エネルギーに満ちあふれた印象。彼のスタイルは…

TAGS:   Health&Beauty
【Safari me time】RYOHEI OHTANI Meets BLACK WOLFなりたい自分自身をイメージして、努力することが楽しい。
SPONSORED
2024.06.30

【Safari me time】RYOHEI OHTANI Meets BLACK WOLF
なりたい自分自身をイメージして、努力することが楽しい。

寡黙で優しく、それでいて芯が強い。最近出演する映画やドラマでは、そんな役どころを演じることが多い俳優の大谷亮平さん。実際にお会いすると、若々しくフレッシュな印象だ。きっと、いまだ鍛えているという身体と艶やかな黒髪が、そう感じさせるのだろう…

仕事も週末も両立する新ブランド〈MCFC〉。ビジネスマンのための時代を創造するバッグ。
SPONSORED
2024.06.30

仕事も週末も両立する新ブランド〈MCFC〉。
ビジネスマンのための時代を創造するバッグ。

クリエイティブディレクターを戸賀敬城、デザイン監修を橋本 淳が務める〈アウール〉から新しくバッグブランド〈MCFC〉がデビュー。ウエアと同じく、“ビジネスをより快適に”をテーマに使い勝手がよく、かつスタイリッシュなデザインが最先端で働くビ…

TAGS:   Urban Safari Fashion
ラグジュアリーを身近に感じさせてくれる〈フレデリック・コンスタント〉の新作。ビジネスシーンに映えるシンプルで優美な腕時計。
SPONSORED
2024.06.30

ラグジュアリーを身近に感じさせてくれる〈フレデリック・コンスタント〉の新作。
ビジネスシーンに映えるシンプルで優美な腕時計。

余裕を忘れがちな仕事中、手元にさりげなくラグジュアリーな腕時計があれば、忙しさの中にも優美さを保てる。1988年の創業から16年で自社製ムーブメントを製造する“マニュファクチュール”となった〈フレデリック・コンスタント〉。その真摯なウォッ…

TAGS:   Urban Safari Watches

NEWS ニュース

More

loading

ページトップへ