パレスチナ自治区のイスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突が起こっているなか、その中東情勢を背景とした映画『カンダハル 突破せよ』が10月20日に公開となる。本作は元CIA・NSA局員のエドワード・スノーデンによる2013年の内部告発・情報漏洩事件と、同時期に米国防情報局の職員としてアフガニスタンに赴任していたミッチェル・ラフォーチュンの実体験をベースにした脱出アクション作品。
脚本をミッチェル・ラフォーチュン自身が手掛けていて、何度もアフガニスタンへ派遣された経験をもとに執筆。フィクションの中に実際に起きた出来事や真実を編み込んでいるため、説得力のある内容となっている。ジェラルド・バトラー演じる主人公トム・ハリスこそ、複数の人物を集約したキャラクターだが、相棒となる通訳のモーは実在の人物をモデルにしているという。
このような題材だと敵を設定することも多いが、本作では登場人物それぞれの立場に共感できるよう作られているのも特徴。複雑な中東情勢で対立関係にある各勢力が、なぜそのような行動をとっているのか、わかりやすく描き出している。
またカーチェイスや銃撃戦、夜の砂漠で繰り広げられる武装ヘリとの戦いなどアクションシーンも見応え十分。脱出作戦がはじまると同時に、クライマックスまで息つく暇もない展開が繰り広げられる。ちなみ本作のロケ地はサウジアラビア。サウジアラビア政府、サウジアラビア空軍(RSAF)からの手厚い支援を受け、完成に漕ぎ着けたそうだ。
イラン国内に潜入し、核開発施設の破壊工作に成功したCIA工作員トム・ハリス。あとは帰国の途につくだけだったが、急遽新たなミッションが伝えられる。気乗りしないものの頼みを断りきれないトムは、アフガニスタン国境の町ヘラートの隠れ家へと向かった。しかし、そこで衝撃的なニュースが飛び込んでくる。CIAの内部告発によって機密が漏洩。工作員の正体が暴露されてしまったのだ。イラン当局をはじめ、パキスタン軍統合情報局、ゲリラや武装集団にまで狙われることになったトムは、決死の覚悟で中東から脱出を図ることに。目指すはアフガニスタン南部のカンダハルにあるCIA基地。30時間後に離陸する英国SAS連隊の飛行機に乗らなければ、生き残ることは不可能となる……。
『カンダハル 突破せよ』10月20日公開
監督/リック・ローマン・ウォー 脚本/ミッチェル・ラフォーチュン 出演/ジェラルド・バトラー、ナビド・ネガーバン、アリ・ファザル 配給/クロックワークス
2022年/イギリス/上映時間119分
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