大ヒット公開中の映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』。ヒロインのヘレナ・ショー役を務めたフィービー・ウォーラー=ブリッジが、米ニューヨークタイムズのインタビューで、アマゾン・スタジオとタッグを組み『トゥームレイダー』のドラマシリーズを製作することを明かした。
『Fleabag フリーバッグ』(2016年)
1985年ロンドン生まれのフィービー・ウォーラー=ブリッジは、王立演劇学校で学んだのち2009年の舞台『ローリング・トレード』で俳優デビュー。複数のテレビドラマへの出演を経て、2016年に製作総指揮、原案、脚本、主演を務めたドラマシリーズBBC『Fleabag フリーバッグ』で脚光を浴びる。同作は、2013年に上演されたフィービー・ウォーラー=ブリッジの一人芝居を脚色したコメディ作で、ロンドンで暮らす30代女性の少し変わった生活を赤裸々に描いている。ブラックユーモアとシュールな展開は、日本人にとっては好みが分かれそうな内容ではあるものの、海外では大絶賛。英国アカデミー賞やプライムタイム・エミー賞、ゴールデングローブ賞などを獲得し、マルチな才能を高く評価された。
『キリング・イヴ/Killing Eve』(2018年)
2018年には、美しき女暗殺者ヴィラネルとそれを追うMI6の中年女性捜査官イヴを描いたサイコサスペンス『キリング・イヴ/Killing Eve』シーズン1のショーランナーを務め、脚本も執筆。メインとなる2人のほか主任の捜査官も女性で、男性は主に彼女たちをサポートする役回りになっているのが本作の特徴。イヴの夫ニコなどは、彼女に振り回されっぱなしで、何が起きているかわからず常に不安を抱えてばかりいる。この関係性、ちょっと前なら男女の立場が逆転していたことが多かったはず。ドキッとするような容赦のない殺害シーンも随所に盛り込まれるなど、フィービー・ウォーラー=ブリッジの切れ味にドラマファンは魅了された。
そんな彼女の才能に惚れた一人が俳優ダニエル・クレイグ。自身の主演作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021年)の脚本家に起用し、監督キャリー・フクナガほか、ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、スコット・バーンズと共に執筆に参加した。『Fleabag フリーバッグ』や『キリング・イヴ/Killing Eve』と『007』シリーズでは作品の毛色がだいぶ違うが、それについて「ボンドはこれまでで一番クールな男性。そして有名な女性蔑視者。私は行儀の良い男性には興味がないわ」(米ニューヨークタイムズ)とコメント。ボンドが彼女にとって創作意欲の湧くキャラクターであったことを語っている。
『トゥームレイダー』(2001年)
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018年)でドロイド L3-37役の声優を務めたのち、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』に出演。ハリソン・フォード演じるインディの旧友の娘ヘレナ役に扮し、インディを騙しつつも一緒に“ダイヤル”を探す冒険を繰り広げる。本作を引き受けたことについて、自身が常に新しくてスリルのある体験を求めている“経験ジャンキー”であることが大きいという。「物から飛び降りたり、インディと一緒に洞窟に入りたいという『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』でしか得られない経験は断ることができないもの」(米ニューヨークタイムズ)だったそう。
そんな彼女の次回作は、過去にアンジェリーナ・ジョリーやアリシア・ヴィキャンデル主演で映画化した『トゥームレイダー』のドラマ版。脚本と製作総指揮を務める。出演するかどうかは明らかになっていない。『トゥームレイダー』は、奇しくもお宝探しがテーマとなるアクションアドベンチャー作品。『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』に出演した経験が糧となるのは間違いなさそうだ。
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