Safari Online

SEARCH

CULTURE カルチャー

2023.06.17


【マッツ・ミケルセン】最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』を語る。

【マッツ・ミケルセン】最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』を語る。PROFILE
1965年、デンマーク生まれ。国立演劇学校で学んだ後、『プッシャー』で長編劇場映画に初出演。以降、『しあわせな孤独』『アフター・ウェディング』『誰がため』『ヴァルハラ・ライジング』などに出演し、2012年の『偽りなき者』でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞。2013年にはドラマ『ハンニバル』のレクター役でファン層をさらに拡大した。近年の主演作に『ポーラー 狙われた暗殺者』『ライダーズ・オブ・ジャスティス』、そしてアカデミー賞国際長編映画賞受賞の『アナザーラウンド』などがある。

マッツ・ミケルセンがハリウッドで最も成功したデンマーク人俳優であることは、もはや疑う余地もない。“北欧の至宝”と呼ばれる彼は母国での活躍が国際的な注目を集めるのに前後し、活動の場をワールドワイドに拡大。2006年に公開された『007/カジノ・ロワイヤル』を筆頭に、『ドクター・ストレンジ』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』といった大型シリーズ作品に次々と出演している。

いまや「マッツの出演していない大型シリーズ作品はあるのか?」という言葉は本人にとってもささやかなジョークになっているようで、やはり大型シリーズ作品である出演最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』について、こんな秘話を明かしている。

「出演に際しては、面白い経緯があってね。ある日、友人が面白半分に、僕がこれまで出演したシリーズものの作品を列挙していったんだ。そして、彼は“唯一出演していないのは『インディ・ジョーンズ』だね”といった。おかしかったよ。ところがなんとその1週間後、“『インディ・ジョーンズ』の新作に出演しないかい?”というオファーの電話がかかってきたんだ。友人にもすぐさま喜びのメッセージを送ったね」

ただし、大型シリーズ作品に登場する際の役柄の大半が、“悪役”であることに思うところのあるファンもいる様子。先頃開催された『大阪コミックコンベンション2023』でも来日&登壇したマッツに対し、観客から「あなたはそんなにもいい人なのに、どうして悪役が似合うのでしょうか?」との質問が飛んだ。

「どうして悪役が似合うのか?」の回答は後に取っておくとして、まずは『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』の話を。この作品で彼が演じる科学者フォラーも、どうやら“悪役”らしい。世界公開まであと1カ月。いまだ極秘事項だらけの状況に注意を払いつつ、フォラーについて明かす。

「公開まであまり話せないのだけど、彼はドイツ人の科学者で、1930年代の終わりから’40年代の初頭にかけ、ドイツのための任務に就いていた。こう話せば彼が歴史上、どんな立場の人間かは察しがつくよね。そして、フォラーには、(考古学者である)インディ・ジョーンズと重なるところがある。60歳代後半の2人はある意味、時代に取り残されているんだ。彼らはああいった職業に就く男たちの典型で、その原動力になっているのは仕事。遺物を愛し、同じものを探しているという共通点もあるため、必然的にお互いと遭遇することになる。2人は長年、そういったことをずっとやってきたんだろうね」

インディの冒険を阻む宿敵だというフォラーは劇中、全世界を股にかけ、陸で海で空でインディに牙を剥くという。もともとフットワークが軽く、「撮影のためならどの国にも駆けつける」と公言しているマッツのこと、多岐にわたった撮影場所での時間を楽しむこともできたようだ。

「幸運にも、モロッコに行かせてもらった。シチリア島にもね。大半の撮影を行ったロンドンやグラスゴーを含め、旅をたくさんしたよ。本当に、美しいところばかりだった。シチリア島に行ったのは、撮影にぴったりの美しい風景があったから。そういった場所を目にする機会を得られたのは、間違いなく幸せなことだった」

インディとフォラーが繰り広げるバトルの規模は想像の域を出ないが、インディにとって、彼の物語において、フォラーが大きな存在であることは間違いなさそう。「印象的なキャラクターになっていればいいけどね。それが使命だから」と語りつつ、独自の“悪役論”を展開させる。おそらく、「どうして悪役が似合うのか?」の回答もここから読み解くことができるだろう。

「フォラーには目標がある。その目標は、インディ・ジョーンズの目指すものと必ずしもかけ離れているわけじゃない。問題は、目標を達成するための手段。それが違うんだ。彼は(インディとは)別の道を歩んでいる。そこが善人と悪人の違いなのだと思う。欲しいものを手に入れるための手段が、ほとんどの人間にとっては考えられないものなんだ。僕が演じる際にいつも留意するのは、“彼の野心はなんだろう? 夢は? そんなことをする動機は? 目標はなにか? なにが彼を突き動かすのか?”といったことだね。それをキャラクターを演じる際の燃料にするんだ。その方法が人に認めてもらえないものかどうかは、演じるうえでは重要じゃない。僕はただ、その人を突き動かすキーワードを探せばいいだけなんだ」

悪役に人間味をもたらし、魅力的にする方法を知っているからこそ、“悪役が似合う”ように見えてしまう。演じるキャラクターに対する圧倒的な“寄り添い力”も、マッツ・ミケルセンの躍進にひと役買っているのは間違いなさそうだ。ハリソン・フォードにとって本作が最後のインディ役となる。

『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
【マッツ・ミケルセン】最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』を語る。数々の冒険を繰り広げてきた考古学者のインディ・ジョーンズ。そんな彼が人類の歴史を変える力を持つという究極の秘宝“運命のダイヤル”を巡り、元ナチスの科学者フォラー(ミケルセン)と争奪戦を繰り広げることに。『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』からはじまる大ヒットシリーズの第5作。監督は『フォードvsフェラーリ』のジェームズ・マンゴールド、製作総指揮にスティーヴン・スピルバーグ。●6月30日より、全国ロードショー
©2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.


That’s why it’s compelling, funny, thrilling,
and at the same time stunningly
beautiful and poignant.

だからこそ、魅力的で、面白く、スリル満点でありながら、
驚くほど美しく、心に響く作品になっている。

マッツ・ミケルセン

 
Information

『Urban Safari』Vol.34 P6~7掲載

●『Safari Online』のTikTokがスタート!
こちらからアクセスしてみて!

写真=AP / アフロ 文=渡邉ひかる
photo : AP / AFLO text : Hikaru Watanabe
〈アメックス〉のスモール・スポンサーシップ・パートナーズも参加!『サファリ・オープン』で特別な1日を体験!
SPONSORED
2025.12.24

〈アメックス〉のスモール・スポンサーシップ・パートナーズも参加!
『サファリ・オープン』で特別な1日を体験!

今年で3回めの開催となった、本誌『サファリ』主催のゴルフイベント『サファリ・オープン 2025』。毎年、様々なコンテンツやアクティビティでも話題となるこのコンペ。今回はさらに斬新なサービスも加わり、熱い盛り上がりを見せていた。そんな大盛況…

TAGS:   Lifestyle
知的なムードが漂う〈トム フォード アイウエア〉の新作!大人の品格を宿すクラシックな1本!
SPONSORED
2025.12.24

知的なムードが漂う〈トム フォード アイウエア〉の新作!
大人の品格を宿すクラシックな1本!

大人のコーディネートは、小物選びで“品格”が決まる。特に顔まわりの印象を左右するアイウエアは、手を抜けない重要パートだ。そこで注目したいのが〈トム フォード アイウエア〉の新作。繊細でクラシカルなフォルムが目元に知性を添え、冬スタイルを格…

TAGS:   Fashion
今、〈エドウイン〉の名作“505”が見逃せない!デニムにこだわるならメイド・イン・ジャパン!
SPONSORED
2025.12.24

今、〈エドウイン〉の名作“505”が見逃せない!
デニムにこだわるならメイド・イン・ジャパン!

タフで男らしい大人のカジュアルに欠かせないデニムは、今、王道の骨太な1本が人気。なかでも2023年に復活し、昨今のトレンドも相まって注目されている〈エドウイン〉の名作“505”が見逃せない。デニム本来の武骨な魅力やヴィンテージ感を気軽に楽…

TAGS:   Fashion Denim
クオリティにこだわった〈センテナ〉の新作アウター!今、着たいのは大人仕様のミリジャケ!
SPONSORED
2025.12.24

クオリティにこだわった〈センテナ〉の新作アウター!
今、着たいのは大人仕様のミリジャケ!

カジュアル好きの男にとって、ミリタリー系のアウターは昔から定番。とはいえ、いい年の大人になるとガチの軍モノは、マニアックすぎて少々着こなしにくいのも事実。ならば、洗練された大人仕様の1着を。〈センテナ〉のミリジャケなら武骨なデザインはその…

TAGS:   Fashion
創業地“小矢部”の名を冠した〈ゴールドウイン〉のプレミアムな1着!大人のスキーウエアは上質感と快適さで選ぶ!
SPONSORED
2025.12.01

創業地“小矢部”の名を冠した〈ゴールドウイン〉のプレミアムな1着!
大人のスキーウエアは上質感と快適さで選ぶ!

1950年にはじまった〈ゴールドウイン〉のヒストリー。その新作スキーウエアコレクションの名前は、創業地にちなんだ“オヤベ”だ。歴史の深みを感じさせ、エイジレスなスタンダードデザインでありながら、機能は最新鋭。素材はもちろん、ひとつひとつの…

TAGS:   Fashion

loading

ページトップへ