【LA情報も!】ヴィゴ・モーテンセン主演『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』
ボディ・ホラーの名匠デヴィッド・クローネンバーグの待望の新作が登場! 主演のヴィゴ・モーテンセンは監督と4回めのタッグとなり、自分のカラダに新たな臓器を生み出すという超人的な人物を演じた。鬼才監督が創造する人類の進化に注目!
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鬼才監督が描く強烈な近未来
近未来の世界では、人類のカラダは人工的な環境に適応するように進化し続け、生物学的構造も変容し、痛みというものが存在しなかった。ソールという男は自分のカラダから臓器を生み出し、それをパートナーのカプリースとともに摘出するという前衛的なパフォーマンスで人気を集めていた。しかし政府は、人類の誤った進化を監視するため“臓器登録所”を設立。新しい臓器が遺伝により根づいてしまうことを懸念していて、特にソールには強い関心を持っていた。そんな彼のもとに、生前にプラスチックを食べていたという少年の遺体が持ち込まれる。2人のアーティストを中心に、彼らを監視する秘密機関や、未知の犯罪を扱う刑事、プラスチックを食べる男など、進化したカラダにまつわり、それぞれの思惑が交錯していく……。
『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』
監督 : デヴィッド・クローネンバーグ
出演 : ヴィゴ・モーテンセン、レア・セドゥ、クリステン・スチュワート
8月18日(金)より全国公開
配給 : クロックワークス/STAR CHANNEL MOVIES
© Serendipity Point Films 2021
そう遠くない未来。人類のカラダの構造は変わりつつあった。体内に新しい臓器を生み出す男ソールを中心に、鬼才監督が人類の強烈な近未来像を創造する!
【Evolution 01】環境に適応するために食が変化!
冒頭、海辺で遊んでいる子供だがその後、家に帰ると、あるものを食べはじめる。衝撃的な食生活だけでなく、朝食専用の椅子の存在など、食べるスタイルの変化も描かれている。
【Evolution 02】新しい臓器を生み出す人がいた!
どんな機能を果たすかわからない臓器をカラダの中に生み出す“加速進化症候群”という体質が存在。主人公のソールもその体質だった。臓器を摘出するショーで新臓器を取り出すのだが、新しい臓器はまた生まれてくる。
【Evolution 03】近未来では愛し方も違っていた!
人類から“痛み”が消えたことで、人々の愛の行為も変化。カラダを交える代わりに、刃物でカラダを切りつけ、血を流すことに悦びを感じていた。また、人工的に傷を作り、アートとして楽しむ人々も出現している。
でも、退出者も続出!?
クローネンバーグ監督は、作品を発表するたびに物議を醸しているけれど、本作も2022年のカンヌ国際映画祭で上映された際に、退出者が続出したという賛否両論の問題作。ハマる人はハマる! 監督が描く独特の未来世界に注目!
主人公のパートナー役にボンドガールとしても名を馳せるレア・セドゥ。主人公らを監視する政府の秘密機関の職員に、『スペンサー ダイアナの決意』のダイアナ妃役で注目されたクリステン・スチュワート。主演として存在感を発揮したヴィゴ・モーテンセンだけでなく、主役級のスターが豪華に共演していて、とても華やか! 2人の女優それぞれが、ヴィゴ・モーテンセンに官能的にかかわっていく場面もあり、なかなかに心が躍る。
ハリウッドで今なにしてる!?
二足のわらじ、三足のわらじを履くハリウッドセレブは意外と多いもので、ヴィゴ・モーテンセンもその1人だ。『ロード・オブ・ザ・リング』三部作のアラゴルン役で一気に世界に名を馳せた彼だが、実は1990年代から詩人、作家、写真家、画家として活動し、数多くの出版物をリリースしている。さらに、2002年にはサンタモニカを拠点にパーシヴァル・プレスという出版社を設立。アート、詩、写真などの分野で埋もれている才能を発掘したことから「インディーズ出版界の大御所」と、NYタイムズ誌で呼ばれた。
俳優業でも、出演する作品にはかなりこだわり、それがハリウッドの超大作であろうと簡単に飛びつかないことで知られている。『X-MEN』シリーズのウルヴァリン役のオファーを断ったのは有名な話で、実はそもそも『ロード・オブ・ザ・リング』の出演にも当初は乗り気ではなかったらしい。しかし、原作者トールキンの大ファンだった息子が説得して実現したのだとか。
逆に、『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』は物議を醸す内容ではあったが、脚本の時点で「素晴らしいストーリーだ」と絶賛。監督とは縁があり、4回めのタッグの実現となった。メジャーかインディーズかということよりも、独自の感性を大切に忖度なく突き進む姿勢は好感度が高い。
次回作としては、1860年代のアメリカを舞台にした西部劇映画『The Dead Don't Hurt(原題)』の公開を控えていて、自身が脚本、監督、主演、プロデュースまで手掛けているとあって、渾身の一作になりそうだ。
恋人の女優アリアドナ・ヒルとマドリードでランチを楽しむヴィゴ。最近は、彼女の住むスペインにいることが多いという。ニューヨーク出身ながらヨーロッパや南米でも暮らした経験があり、6カ国語を流暢に話すというから、スペインで生活するのも問題なさそう。
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雑誌『Safari』9月号 P198~199掲載
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text : Yuka Marmo Okamura photo by AFLO