【LA情報も!】トム・ハンクス主演『オットーという男』
「アメリカの父」と称され、世界中で愛されているトム・ハンクスが、そのイメージとは正反対の頑固爺さんを演じきる。人生の希望を失った男が陽気な家族に振りまわされ、触れ合ううちに、もう一度生きる希望を見つけていく。ユーモアあり涙ありの感動作!
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- 見逃せない人気スターの最新作! vol.6
なのに、好きにならずにいられない
オットー・アンダーソンは曲がったことが大嫌いで、駐車の仕方、ゴミの分別、犬のしつけなど、ルールを守らない者には口うるさい。挨拶されても仏頂面、野良猫にも八つ当たり。なんとも近寄りがたい男という印象。ただ、オットーは孤独だった。最愛の妻に先立たれ、仕事もなくし、生きる意味をなくした彼は、人生に終止符を打とうとしていた。しかし、向かいに引っ越してきた家族にタイミング悪く邪魔され、死にたくても死ねない。それも、1度だけでなく2度、3度と。向かいの奥さんマリソルはオットーとは真逆な性格。メキシコ出身でとにかく陽気でお節介。突然訪ねてきて手料理を押しつけたり、子守を平気で頼んできたりする。だが、この迷惑な一家の出現により、人生を諦めようとしていた男の人生は一変していく……。
『オットーという男』
監督 : マーク・フォースター
出演 : トム・ハンクス、マリアナ・トレビーニョ、マヌエル・ガルシア=ルルフォ、レイチェル・ケラー
全国公開中
配給 : ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
頑固者の心を開く!
何度も自殺を試みるオットー。そのたびにマリソル一家に阻止されるが、フレンドリーな彼女たちの影響で、「人生、捨てたもんじゃない」と気づきはじめる。
【Turning Point 01】陽気なお向かいさんがオットーを救う!
オットーが自殺しようとするたびに、運悪く現れては邪魔をしてしまうお向かいの住人マリソル。オットーのことを正しい人間だとわかっていて、好意をストレートに表現する彼女に、オットーの心も柔和になっていく。
【Turning Point 02】野良猫がオットーの心を和ませる!
家のまわりをうろつき、見つかるたびにオットーに追い払われる野良猫。だが、あるきっかけから彼はその猫をかわいがることになる。孤独だったオットーの寂しさを野良猫が埋めてくれた。
【Turning Point 03】頼られることでオットーに変化が!
居場所がないと感じる青年マルコムとひょんなことから知りあうオットー。時間を共有するうち、自分が頼られ、それが人助けになると気づき、オットーは次第に人と繋がることになる。
息子の共演も話題!
主人公の若い頃を演じるのは主人公に似ている俳優がいい。そう考えた監督が、白羽の矢を立てたのがトムの息子トルーマン。実は彼の本業は俳優ではないが、兄弟の中で一番の適任だったそう。でも、さすが名優の子息、幼少期からカメラに慣れ緊張はなかったという。
『オットーという男』は、2017年のアカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされたスウェーデン映画『幸せなひとりぼっち』のリメイク。世界的ベストセラー小説を原作に、スウェーデンの映画史上3番めの大ヒットを記録したという映画で、この作品に魅せられたトム・ハンクスが自らプロデューサーを務め、ハリウッドでリメイクするに至った。スウェーデンで5人に1人が見たという国民的映画と見比べてみるのも面白いかも。
ハリウッドで今なにしてる!?
生まれも育ちもカリフォルニアのトム・ハンクス。現在はサンタモニカ北部の山間に位置する超高級住宅街パシフィック・パリセーズの邸宅を主な拠点に、俳優業&プロデューサー業を二足のわらじでこなしている。今年はじめに全米公開された『オットーという男』も、トムが主演とプロデュースをどちらもこなした作品だ。主人公の若き日の姿として、実の息子であるトルーマンが起用されたことも話題になった。
さらに、妻のリタ・ウィルソンもプロデューサーとして参加していて、主題歌も手掛けている。俳優で歌手のリタ・ウィルソンとは実に35年近く連れ添い、イベントなどでいつも一緒にメディアに登場することから“おしどり夫婦”として知られている。先日もビバリーヒルズで行われたプレミア上映会に2人で参加した際に、米フォックスニュースのインタビューで仲よしの秘訣を聞かれ「秘訣が“ある”ことは公表するけれど、中身は明かさないんだ。誰にも教えない! キミになら個人的にその秘密を$17兆(とてつもない額)で売るよ(笑)」とジョークをとばした。
現在トムは、マーゴット・ロビーやスカヨハと共演する『AsteroidCity(原題)』の米公開を6月に控えているほか、『フォレスト・ガンプ/一期一会』のロバート・ゼメキス監督とロビン・ライトと実に30年ぶりのタッグを組んだ『Here(原題)』を製作中。同作は、AIを駆使して若返った姿を披露する点も話題で、『フォレスト・ガンプ』並みの世界的ヒットになるのでは⁉ と囁かれるほど。1977年から俳優としてのキャリアをスタートさせたトム・ハンクスだが、今でもハリウッドで安定した存在感を誇っている。
今年はじめ、ニューヨークで行われた『オットーという男』の上映会に姿を現したトム・ハンクス、息子トルーマンと妻リタ・ウィルソン。映画に携わった3人の家族ショット。本作では、トム・ハンクス夫妻がプロデューサーとして名を連ね、息子が本格俳優デビューを飾った。
雑誌『Safari』5月号 P254~255掲載
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text : Yuka Marmo Okamura photo by AFLO