やっぱり“S”だけある⁉ 〈アウディ〉S3 スポーツバック
暑けりゃ暑いで憂鬱だけど、秋の気配がぐっと高まってくると、これはこれで寂しい気持ちになるのはもう毎年のこと。「あとちょっと、夏のままでもよかったかな……」、なんてセンチメンタルを紛らわせてくれるのは、やっぱりピリッとスパイスの効いたクルマでドライブすることじゃない? 〈アウディ〉S3スポーツバックのホットな走りなら、往く夏を取り戻せるかも⁉
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今年5月にフルモデルチェンジをした〈アウディ〉のA3/S3。シリーズにはコンサバティブなセダンのほかに、今回ご紹介するスタイリッシュなスポーツワゴンタイプの“スポーツバック”が用意されている。
手前がA3スポーツバック、奥がS3スポーツバック
3ボックスでセキュリティの高いセダンにするか、それともフレキシブルに荷室~後部座席を使えるスポーツバックにするかは完全に個人の好みとライフスタイル次第。けれど、個人的には断然若々しいスポーツバックを推したい。
全長4345mm、全幅1815mmの、日本でも圧倒的に扱いやすいコンパクトなサイズながら、なんといってもクーペライクなルーフの傾斜の角度が美しい。これによって惚れ惚れするようなサイドビューを実現している。
しかし、シリーズ全体を通して叶えられている、“小さくてもさすが〈アウディ〉!”と思えるような、シャープでキリッと引き締まったデザインはどちらにも健在。特に〈アウディ〉のシグニチャーであるヘッドライトは、A3とS3で意匠が分けられるというこだわりだ。
ほかにも〈アウディ〉のスポーツモデルの証、RSにも採用されるハニカムパターンをグリルに配したり、随所にメタル装飾を入れたりとかなりゴージャス。先代よりもよりAとSのキャラ分けが明確になったと言ってもいい。そうそう、ボンネットとグリルの隙間の3本のスリットも、〈アウディスポーツ〉由来のデザインで、A3にはないものだ。
そして、肝心な走りも明確に性格を分けている。今回、A3には2つのパワートレーンが用意されているが、まず日本に導入されたのは1ℓターボのFFモデル。追って間もなくS3と同じ2ℓターボのクワトロ(四輪駆動)が導入されるとのことだが、A3のそれは190PS/320Nm。それがこのS3なら310ps/ 400Nmと段違い。もし冒頭にのべたように「夏を取り戻す」気持ちなら、迷わずこのS3を選んだほうがいい。
すでに試乗した1ℓターボ+48Vマイルドハイブリッドシステムの30TFSIと比較すると、爆発的なトルクはむろん段違いだ。いや、決してA3も悪くない。以前も当連載でご紹介したとおり、この30TFSIは48Vマイルドハイブリッドを本当に上手に使っていて、これほどの小排気量を上手に〈アウディ〉味に仕上げているのだから。しかし、S3に乗ってしまうと、「やっぱり“S”だけあるな!」と、ガツッと背中を蹴られるような加速に納得させられてしまうこと請け合い。やっぱパワフルなエンジンって最高(喜)!
さらにこの走りの質感を高めるクワトロも“さすが”の仕上がり。ターンインからアウトまで、しっかり路面を掴んで離さない。その滑らかなコーナリングには〈アウディ〉ならではの大胆かつ、きめ細やかなロードホールディング性をきっちりと表現しているのだ。
★DATA 〈アウディ〉S3 スポーツバック
●全長×全幅×全高:4350×1815×1440mm
●車両重量:1560kg
●ホイールベース:2630mm
●エンジン:2.0ℓ直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボ
●最高出力:228kW(310PS)/5450~6500rpm
●最大トルク:400Nm(40.8kgm)/2000~5450rpm
●トランスミッション:7速Sトロニック
●駆動方式:四輪駆動
●税込み価格:642万円
●アウディ コミュニケーションセンター
TEL:0120-598-106