中身を大きく刷新した人気SUV! 〈ボルボ〉XC60 B5 AWDインスクリプション
かつて“エステート”=住居のような広さを持つとして一世を風靡した〈ボルボ〉のモデルはステーションワゴンタイプだった。けれど、いまや頭文字に“XC”の文字がつくSUV群が販売の過半数を占めているのだという。
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確かに〈ボルボ〉のSUVは魅力的だ。その新しい歴史の皮切りとなった(新プラットフォームに新パワートレーン、そして新デザインを手にした)XC90が世界発売されたのが2014年。実に6年の時を経てもなお、未だに同車は乗りこむたびに心に強く訴えかけるなにかを持っているし、決して色褪せることはない。
写真右はXC90 B5 AWDノルディック・エディション、左はXC60 B5 AWD インスクリプション
ことのほか室内装飾に強いこだわりを持ち、北欧で育った〈ボルボ〉。このカーメーカーが、ステーションワゴンよりも広い室内空間を手に入れた結果がSUVだとしたら、もしかしたらSUVというパッケージこそスカンジナビアン・デザインを落としこむ究極のパッケージだったのかもしれない。
そんな〈ボルボ〉のSUVから先出の長男XC90、そしてトップセラーの中間子XC60という、同車大型プラットフォームを持つ2モデルに新パワートレーンが搭載された。それが欧州のハイブリット・トレンドど真ん中の48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載する“B5”パワートレーンだ。
大型SUVを次々と排出しつつ、環境コンシャスな北欧生まれのこと、〈ボルボ〉は欧州を牽引すべく早い段階から“全モデル電動化”を掲げてきた。今回のB5群もそれを忠実に果たすかたちでリリースされたもの。今後これまでラインナップしていたガソリンエンジン群“T5”はラインナップから姿を消し、さらに(ちょっと衝撃的なのだけど)今、日本で売れに売れているディーゼルエンジンも新規開発やモデルイヤー刷新を止め、数年以内に徐々に新規生産をストップするのだという。
しかし嘆くことなかれ、今回試乗したXC60 B5 AWD インスクリプションはまさにモデル最高とも呼べる出来だ。
マイルドハイブリッドは〈トヨタ〉プリウスに代表されるハイブリットシステムのようにモーターで走行する領域は持たない。だが、これを搭載することで加速など高負荷時に回生したエネルギーを生かすなど、上手に走行をアシストしてくれるうえ、軽量でシステムが小さいのが魅力。加えて〈ボルボ〉は気筒休止システムやシフトバイワイヤ、ブレーキバイワイヤ機構を備え、エコながらにスッキリとした先進のドライブフィールを実現している。
さらに実は今回、48Vマイルドハイブリッドシステム搭載のほかに、実に9割以上の部品が刷新されたといわれるほどの大改良がなされている。エンジン自体が2014年の“新生〈ボルボ〉”になって以降、第3世代に進化しているのだ。
具体的にはターボシステムの刷新やエンジンマウントの変更、8ATの制御の最適化など、ほぼモデルチェンジといっていいほどの刷新がなされている。
むろん、同車といえばの予防安全技術も網羅し、ますます魅力的な1台に仕上がっているのだ。
★DATA 〈ボルボ〉XC60 B5 AWD インスクリプション
●全長×全幅×全高:4690×1900×1660mm
●車両重量:1890kg
●ホイールベース:2865mm
●エンジン:2ℓ直列4気筒DOHCターボ+電気モーター
●最高出力:184kW(250PS)/5400~5700rpm
●最大トルク:350Nm(35.7kgm)/1800~4800rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:四輪駆動
●税込み価格:734万円
●ボルボ・カスタマーセンター
TEL:0120-922-662