超軽量ボディがドカンと加速! 〈マクラーレン〉750S
自動車評論を生業としている筆者から見ても、目下SUVの流行は衰えることを知らず。世間はもはや、クルマに“マルチのみ”を求めているのでは……、と考えなくもない今日このごろだ。もしかして「“クルマニア”たるもの、一生一度はスーパーカーを所有してみたい」なんていう願望は過去のものになりつつある? な~んて邪推してしまうくらい。しかし、先日サーキットで試乗してきたコイツによって、やっぱり消費マインドの高い富裕層やクルマニアこそ「こういうクルマでエンパワーメントされることは超大切!」と実感したので試乗レポートをお届けしたい。〈マクラーレン〉750Sだ。
- SERIES:
- 話題のクルマを品定め!
- TAGS:
- 話題のクルマを品定め! Cars マクラーレン
現在〈マクラーレン〉のモデルラインナップは大きく3つにカテゴライズされる。タウンユースのGT、サーキット走行までを見越したスーパーカー、そしてサーキット走行用のアルティメイト。今回ご紹介する750Sはラインナップの中核を担うスーパーカーにカテゴライズされる。つまり、街乗りもこなせる欲張りなスーパースポーツというわけ。
全長4569㎜×全幅1930㎜×全高1196㎜、隣に立つと圧倒的な“低さ”を実感する、ロー&ワイドのスーパーカーシルエットにおのずとテンションが上がる。さらにボディデザインは有機的なラインとスリットだらけで、空力を感じさせるパーツでしか構成されていないのもスパルタンだ。
たとえばフロントのライト。これは同社お馴染みのデザイン、通称“アイソケット”と呼ばれるものだが、まるでスカルのように瞳の中に空洞が組み込まれている。もちろんこれは空力のためなのだが、独特の世界観にハッとさせられること間違いなし。サイドビューのウインドウエリアの狭さ、そしてリアウイング(可変式になっている)のシンプルな迫力も、イメージに思い描く“憧れのスーパーカー”そのもの。跳ね上げ式のドアも素敵だ。
ゴン太のサイドシルを跨いで室内に入ると、コックピットは最新世代の〈マクラーレン〉とトーンを合わせられている。縦長の小さなディスプレイはじめ、ボタン類はごく少量に抑えられ、まさに“走るための操縦席”としての硬派さが潔い。
さて、そのモデル名が示すとおりのスペックは、750psの800Nmとモンスター級。組み合わされるのは7速のATだが、モードチェンジが可能で一般道からサーキットまでを網羅する。……とはいうものの、ノーマルモードですら乗り出しから印象は超絶カゲキ! 4ℓV8エンジンのサウンドはさほど派手ではないものの、超軽量の空力ボディがドカンと加速し、コーナーを舐めるようにビタッと攻めていく。
今回の試乗ではプロドライバーの先導がついたのだが、彼らに誘われるままにコースインすれば、一瞬で速度は250mk/hをオーバー。その安定感と俊敏な加速の、なんと気持ちいいことか! もちろんハードなブレーキングでも車体はピタッと路面に吸い付き、安定してペダルを踏み抜ける。そう、750Sはそのバランスのよさ。誰でも乗れるが、乗りこなすにはさらなる精進が必要という、懐の深さにある。
この日正直、あまりメンタルのコンディションがよくなかった筆者だが、750Sから降りた後はまるでランニングの後のように……、いや、もっと別次元でアタマすっきり、気分爽快。エナジードリンクを飲んだ後のように、異様にテンションが上ってしまっていた。いやはや、スーパーカーの持つ魔力の源はここにあったのか!
★DATA 〈マクラーレン〉750S
●全長×全幅×全高:4569×1930×1196㎜
●車両重量:1277㎏
●ホイールベース:2670mm
●エンジン:4.0ℓV型8気筒ツインターボ
●最高出力:552kW(750PS)/7500rpm
●最大トルク:800N・m/5500rpm
●トランスミッション:7速オートマティック
●駆動方式:後輪駆動
●税込み価格:3930万円
●マクラーレン・オートモーティブ
URL:https://cars.mclaren.com/jp-ja
話題のクルマを品定め!の記事をもっと読みたい人はコチラ!
●『Safari Online』のTikTokがスタート!
こちらからアクセスしてみて!