イタリアの時計ブランド〈パネライ〉が、ドイツの老舗カーチューニングメーカー〈ブラバス〉とのコラボを発表。それを記念してサブマーシブル S ブラバス オプス エディションを発売。先日、そのコラボに至る経緯やコラボモデル開発の舞台裏を、〈パネライ〉CEOジャンマルク・ポントルエと〈ブラバス〉CEOコンスタンティン・ブッシュマンが明かしてくれた。さて、どのような理由で両社がタッグを組むことになったのか?
スケルトン仕様の新ムーブメント搭載となった新作サブマーシブル S ブラバス オプス エディション。ケースはダークグレーのカーボテック製と、堅牢でありながらも緻密さを備えた1本となっている。
このモデルが誕生するにあたり、〈パネライ〉CEOジャンマルク・ポントルエがコラボの経緯をこう語る。「パートナーシップを組んだ理由は、〈パネライ〉とボートの関係です。〈パネライ〉はクラシックヨットのアイリーンを所有しており、アイリーンは現在、地中海や大西洋でお客様のおもてなしや、イベントを開催する役割を担っています。また、ルナロッサのスポンサーとして競技にも関わっています」。今回の〈ブラバス〉との協業により、技術的な部分でさらに深くボートの世界に入っていこうというわけだ。
加えて〈ブラバス〉と組むことによって〈パネライ〉もボートの開発に関わることができること、そしてエクスペリエンス企画(体験付きの時計)を一緒に行えることを理由として列挙。つまりは今後、〈パネライ〉のボートが水面を駆け抜けたり、時計を購入した人が〈ブラバス〉のボートで貴重な体験ができる可能性があるということ。う〜ん、これは夢が広がる話じゃない?
一方、〈ブラバス〉のCEOコンスタンティン・ブッシュマンは、「単に商品にロゴを付ける、ということはしません」と今回のコラボ企画についての本気度を説明。「“本当に協業して完成した商品”を世に送り出すことが重要。今回はスケルトンのムーブメントが新たに開発されましたし、カーボテックという素材を使用しています。〈ブラバス〉はディテールにとてもこだわる会社なのです」と語った。
2020年の初頭からプロジェクトがスタートし、両社のデザインチームが定期的にミーティングを開いてきたという。コンスタンティン・ブッシュマンは「両ブランドのDNAを統合しているため、ほかの〈パネライ〉の時計とは一線を画していることがすぐにわかるはずです」と誇らしげに語る。確かに〈ブラバス〉を象徴する黒と赤の色を採用しているスタイリッシュな見た目は、これまでの〈パネライ〉のモデルとは明らかに違うデザインだ。
ベルクロクロージャー付きパネライ スポーテック製のスペアストラップと、ストラップやバックルを取り外すためのドライバーとツールが付属。限定100本、2022年2月発売予定。ケース径47mm、自動巻き、カーボテックケース、バイマテリアルストラップ、30気圧防水。561万円(パネライ/オフィチーネ パネライ)
新しく開発されたムーブメントP.4001 / sは、両方向の巻き上げを可能にする一体型のオフセンターのローターを備えている。それにより時計を着用している間に2つのスプリングバレルが効率的に巻き上げてくれるという。光沢のある高密度金属であるタングステン製の振動錘を採用することで、薄く軽いムーブメントを実現。時計自体も軽量になっているため、つけ心地も快適そのものだ。パワーリザーブは3日間。
3時位置に、特許取得済みのポラライズドクリスタルの日付表示を配置と日常使いにも対応しているのが嬉しい。特別感を際立たせてくれる〈ブラバス〉のロゴは、文字盤に加えてリュウズプロテクターのレバー、ストラップ、ケースバックにも刻印してある。
名門ブランドの両社が本気で取り組んだコラボウォッチ。ダークグレーのボディは、大人が大好物なモノトーンコーデと相性バツグン。これからの季節なら、黒のレザージャケットにグレーのデニムパンツと合わせれば大人っぽい表情が作れるはず。
●オフィチーネ パネライ
TEL:0120-18-7110