【メキシコ/トゥルム】アズリク
ここ数年、ゴージャスで超快適なラグジュアリーリゾートよりも、少しくらい不便でも、地域に根ざし、周辺環境とほどよく調和した共生型エコリゾートの人気が高まっている。といっても、もちろんチープすぎたり、ワイルドすぎたりするのはNG。そこはあくまでバカンスだから、ロマンチックなロケーションは必要だし、部屋では思いっきりくつろぎたい。当然、美食だって欠かせない。そんな逆に贅沢すぎる要望に応えてくれるのがこちらのエコリゾート。
- SERIES:
- 海リゾートが呼んでいる! vol.7
場所はメキシコ東海岸のカンクンからクルマで南に2時間弱ほど走ったトゥルム遺跡のすぐ近く。遺跡や街とはジャングルを挟んで反対側にあり、目の前はカリブ海という絶好のロケーションだ。創業者はアルゼンチン出身のアーティスト。この場所が気に入った彼は、マヤの職人たちとともに手造りで全48のヴィラから成るリゾートを造り上げた。
カリブ海とジャングルの間に連なるヴィラは、カタロックスと呼ばれる地元の木材によるツリーハウス。至るところに吊り橋やハンモックが張り巡らされ、ラグジュアリーでありながらも、どこか大人の秘密基地のような雰囲気が漂う。おまけに照明はキャンドルのみ。電気もなければ、Wi-Fiもない。無垢の自然に囲まれ、デジタルデトックスできる環境こそが、現代人にとってはなによりの贅沢ってこと。
またエコリゾートでありながら、食がハイレベルなのも人気の要因。ジャングルの中に3つのダイニングを擁し、それぞれがローカル食材を巧みに駆使したモダンな料理を提供している。スパやウェルネス施設も然り。古代マヤ時代からのリチュアル(伝統儀式)にインスパイアされた各種スパメニューは、リピーターが続出するほどの人気なんだとか。本物の海好きなら、環境にもしっかり配慮した、こんな個性派ビーチリゾートを選びたい。
How to Reach?成田空港からメキシコシティまで直行便で約13時間。別の便に乗り継ぎ、カンクンまで約2時間。または日本からアメリカの都市を経由してカンクンまで14 ~ 16時間。空港からリゾートまではクルマで約100分。
こんな体験ができる!メインダイニングの“キン・トー”はマヤ・メキシコ料理をモダンにアップデイト。一方、“セノーテ”はシェフが近隣で入手してきたローカル食材をメインに使用する。いずれもマヤのカルチャーに根ざした、この土地ならではの食体験が味わえる。同様に“マヤ・スパ”も古代からこのエリアに伝わるマヤのリチュアルが基本となる。ローカルハーブによるマッサージのほかに、パワーストーンを使ったメディテーション系のメニューも豊富に揃っている。
●Azulik[アズリク]
住所:Carretera Tulum Ruinas Km 5 Zona Hotelera,77780 Tulum, QROO, Mexico
TEL:+52-984-980-0640
URL:www.azulik.com/
雑誌『Safari』10月号 P246~247掲載
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text : Takehisa Mashimo