一貫一貫が宝石のよう! 〈ブルガリ ホテル 東京〉の〈Sushi Hōseki(スシ ホウセキ)〉は、鮨デートにおすすめ!
2023年4月にオープンした〈ブルガリ ホテル 東京〉は、東京ミッドタウン八重洲の上層階に位置する、日本初のブルガリ ホテル。東京駅から至近の距離ながらも皇居の緑や東京の街並みを一望でき、2024年には“世界のベストホテル50”で22位にランクインした。ミシュランガイド東京で1つ星を獲得している〈イル・リストランテ ニコ・ロミート〉と並んで、ゲストから高い評価を受けているのが〈Sushi Hōseki(スシ ホウセキ)〉。最高級の宝飾品を紡ぎ出す〈ブルガリ〉らしい店名となっている。
料理長の清水拓郎さん
料理長の重責を担うのは清水拓郎さん。出身地の神奈川県でキャリアをスタートし、3つ星店を含む北海道、神奈川、東京の名店で鮨職人として経験を積んできた。清水さんの“極みの握り”を体験できるのが、“ランチおまかせコース”(2025年1月16日から2万5000円)と“ディナーおまかせコース”(2025年1月16日から3万5000円)。どちらとも、つまみの後に握りが続くスタイルで、ディナーのほうがつまみと握りの数が多い。
“季節の刺身”
この日のつまみの刺身は、清水さんが目利きした、旬の白身魚を用いた一品。平目は函館の天然もので、繊細な上味が堪能できる。大根おろしとポン酢、葱が添えられているので、好みで調整するといい。
赤シャリは、提供する時間を計算して仕上げられる。使われている酢は、選び抜いた2種類の赤酢と無農薬栽培の純米酢をブレンドして、1カ月寝かせてまろやかな味わいに整えた。握りは流線型なので食べやすく、噛んだ時にほろりと解ける。
フィンガーガーゼではなく、フィンガーボウルが提供されるのも、さすがラグジュアリーホテルならでは。
“大トロ”
握りは鮪から始められるのが大きな特徴。鮪は歴史のある鮪仲卸から仕入れている。当日は青森県大間産で、“大トロ”は脂の幽香が素晴らしい。ふくらみのある旨味で、温度もちょうどよく、白眉の口溶け感。
途中で野菜の昆布巻きが提供され、箸休めとしてちょうどいい。大葉の香りも食欲をそそる。
“小肌”
“小肌”は東京湾で漁れた江戸前。赤酢で締めたメリハリある味わいの中にも、慎ましやかな甘味が感じられる。
最後のお椀とは別に、吸い物も提供される。秋は松茸の吸い物で、その佳香に気持ちがほっと和む。
“車海老”
この時期の“車海老”は山口県産。茹でる前だけではなく、茹でた後も見せてくれる演出。身がしっかりと肥えていて、見た目も食べ応えも秀抜。
“雲丹といくらご飯”は、シャリの上に北海道産の雲丹といくらがふんだんにのせられている。力強さが感じられながらも、上質で閑雅な味わい。明治時代の古伊万里の上で、雲丹の黄色といくらの赤が存分に映える。
お酒はプレステージなものばかりが取り揃えられているから、スーパーバイザーで、きき酒師の松元彩綺さんに相談してみるといい。
“シャルル・エドシック ブラン・ド・ブラン”(7100円/グラス)はシャルドネだけで造られたシャンパーニュ。フレッシュで引き締まった味わいが、酒肴にも握りにも合う。ほんのりスパイシーなニュアンスを漂わせているのが、“産土 穂増 六農醸 2023”(90㎖ 3800円)。ほのかな苦味をもつので、口中もリセットされる。“龍の瞳 純米大吟醸”(90㎖ 3800円)はフルーティーな吟醸香がありながらも、優しい口あたり。米の旨味も感じられ、握りに完璧なマリアージュとなっている。
檜の一枚板を用いた8席のみのカウンター
天井高7mものスペーシャスな空間と、美しい檜の一枚板の8席カウンターが目を引く。和紙を用いた乳白色のガラスパネルがスタイリッシュで、握りをより映えさせる。奥のテラスに広がる坪庭は趣がある。
〈Sushi Hōseki(スシ ホウセキ)〉の握りは、一貫一貫がそれぞれ本当に宝石のよう! 彼女との鮨デートにぴったりなスポットじゃないかな?
注)※2024年12月20日~2025年1月1日は“ランチフェスティブおまかせコース”(4万5000円)と“ディナーフェスティブおまかせコース”(6万5000円)。
※2025年1月2日~15日は休業。
●〈ブルガリ ホテル 東京〉Sushi Hōseki(スシ ホウセキ)
住所:東京都中央区八重洲2-2-1 ブルガリ ホテル 東京40F
営業時間:昼 12:00~14:00(火・金・土曜のみ)、夜 18:00~20:00、20:30~22:30
定休日:日・水曜
TEL:03-6262-6624(レストラン予約直通 10:00~19:00)
URL:https://www.bulgarihotels.com/ja_JP/tokyo
※サービス料込み
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1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。