シーバスリーガルの樽で熟成し、ブレンドした日本酒“リンク8”と旬の懐石料理のペアリングの妙!
彼女とお気に入りのシャンパーニュやワインを1本開け、食事を通して味わうことって、たまにはあるけれど、日本酒となるとどうだろう。今回は、富山のミシュラン2つ星〈御料理 ふじ居〉の懐石コースを通して、スコッチウイスキー樽で熟成し、ブレンドして造られた日本酒“リンク8(リンクエイト)”を味わった。その料理と酒のベストなマッチングとはいかに!?
“リンク8”は、数種類の異なる酒米を、数種類の酵母で発酵させた原酒を、数種類のスコッチウイスキー樽で10カ月間熟成させてブレンドした“日本酒”である。つまり、スコッチウイスキーの熟成に使われた樽で日本酒を熟成させ、さらにブレンドして造られる。
“リンク8” 750㎖ 実勢価格1万3200円 ※実勢価格は編集部調べ
このコラボレーションは、2018年に、富山の銘酒“満寿泉”の蔵元、桝田酒造店の五代目当主の桝田隆一郎氏と“シーバスリーガル”の元マスターブレンダー、コリン・スコット氏が、スコットランド・キースのストラスアイラ蒸留所で出会ったことに端を発する。スコッチウイスキーと日本酒というカテゴリーの壁を超え、複雑で洗練された日本酒を造るという、独創的な発想から“リンク8”が誕生した。
ベースとなる日本酒に使う酒米のメインには、力強い旨味と個性を持ち、ウイスキー樽の風味と相性がいい、希少な“山田穂”を使う。さらに、上質な“山田穂”の古酒もブレンドすることで、ドライフルーツの香りが特徴的な深みを与えている。
熟成樽は主にシングルモルトの熟成に18年以上使用されたユニークな個性を持つスコッチウイスキー熟成樽を使い、複雑味のある特別な香りと味わいを生み出している。スコッチウイスキーをけん引する“シーバスリーガル”と富山の銘酒「満寿泉」の職人技を“ブレンド”したラグジュアリーな日本酒というわけだ。
今回は、“リンク8”が生まれた富山・桝田酒造店にほど近い、ミシュラン2つ星の名店として知られる〈御料理 ふじ居〉にて、本ずわい蟹などを含む特別なコースと“リンク8”のペアリングを味わった。“リンク8”の食中酒としてのポテンシャルの高さを実感したその体験を、いくつかの料理とともに紹介しよう。
コースは、八寸、お造り、凌ぎ、進肴2種、焼き物、食事、デザートという構成。最初に、八寸が春爛漫を感じさせる大皿で登場すると、一気に場が盛り上がる。
八寸と“リンク8”で乾杯!
まずは、ほのかに黄色味を帯びた“リンク8”で乾杯。スコッチウイスキーのアロマをほんのりと感じる上質な日本酒といった感。上質な酒として、いつまでも飲み続けられそうだ。
特別コースより、八寸。スモークサーモン温玉巻き、ほたるいか沖漬け、じゃことセロリ、もなかに蕗味噌、生麩にカマンベールチーズ、白身魚のカステラ、げんげ干物
料理は、ほたるいか、げんげ、蕗といった地元の食材、春を感じさせる料理が凝縮された八寸。丁寧な仕事を経て生み出された料理の旨味、塩味、甘味、苦味……etc.と、様々な味わいと香りが堪能できる。“リンク8”を合わせてみると、どの料理ともマッチするから不思議だ。熟成香が、蕗味噌やスモークサーモン、カマンベールチーズなどの発酵料理と相性よし。
煮物椀。えんどう豆のお豆腐、甘海老 蕗のとう
煮物椀に続いて、お造りの“富山湾めじマグロ 塩すだち、山葵醤油”。生き締めした新鮮なめじマグロを部位違いで3種味わった。凌ぎは“八尾の絹漉し豆富の木の芽味噌田楽”。
ほたるいかを炭火焼きと釜揚げで
楽しかったのは、ほたるいかを炭火焼き(さっと焼きとしっかり焼き)で食べ比べ、茹でたて釜揚げ、そして、最後の食事に土鍋ご飯として味わったことだ(すでに、八寸で沖漬けとしても)。同じ素材を調理法や味付け、火入れの加減で全く異なる料理として楽しめた。“リンク8”も味わいの引き出しを変えて、その料理に寄り添う。
富山湾新港漁港の本ずわい蟹も登場!
“富山湾、新港漁港の本ずわい蟹、蟹出汁のしゃぶしゃぶ 蟹身のカニ味噌がけ”は、まさに旨味の宝庫。
まずは、“蟹出汁のしゃぶしゃぶ”を
続いては“蟹身のカニ味噌がけ”
甘辛く味つけされた、ほたるいかのご飯で締め。
“ほたるいかとなばなの土鍋飯”
コースを通じ、適温でも、温度が少し上がっても透明感は失われず、料理に合わせてすんなり味わえる“リンク8”の懐の深さに感激した。そして、食中“水”は満寿泉の仕込み水が出されるのも、ここならではの贅沢。
カウンター席なら、庭園を眺めながらのランチが楽しめる
今回はスペシャルなペアリングだが、通常の懐石コースと“リンク8”も極上のマッチングを見せる。初夏の富山旅へのグルメ旅、計画してみてはいかが?
●御料理 ふじ居
住所:富山県富山市東岩瀬町93
TEL:076-471-5555
URL:https://www.oryouri-fujii.jp
※通常のコース料金は、昼、夜いずれも2万7500円(サービス料10%別)
●ペルノ・リカール・ジャパン
TEL:03-5802-2756
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ライフスタイルジャーナリスト
美酒と美食はもちろん、ホテル、ビューティ、インテリアなどライフスタイル全般を得意とする。現在はラグジュアリーメディア、ビジネス誌、ホテル専門誌など幅広い媒体に寄稿。美味しいもの探求家でもあり、日々のシャンパーニュは欠かせない。