やはり大会の主役のひとりとなったネイマール! その魅力とは?
大会もラウンド16が終了し、準々決勝(ベスト8)が始まります。
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- 誰かに話したくなる!北澤豪のW杯とっておきトーク 7回め
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総括は大会が終わってからにしようと思いますが……まぁ触れないわけにはいきませんよね、日本代表には。まだ踏みこんだことのないベスト8まで、あと一歩というところまで近づきました。ただ、その一歩が世界との大きな差なんですよ。あの後半アディショナルタイムでの本田選手のコーナーキックから、カウンターでやられると誰が想像したでしょうか。おそらく誰も想像できなかったはずです。でもベルギーはその隙を狙ってきました。試合をどのようにマネージメントしていくのか、そういう差を感じたことが経験となるので、日本代表にはしっかりと胸に刻んで欲しいと思います。
5日に帰国した日本代表。長谷部や本田が代表引退を表明するなど、この大会を機にチームは世代交代となりそうだ
さて、ここでは今大会でも注目となったブラジル代表のネイマールについて取り上げたいと思います。ファールを受けた後の転がり方がわざとらしくて、批判されていますね(笑)。けれども、グループリーグの試合終了後にはソックスに穴が開くほど削られていました。ブラジルの攻撃は彼がボールを持ったところからスタートするような部分もあるので、どの試合も厳しいマークに合うのは必然なんですよね。それでも相手をかわしていくテクニックと、トップスピードに乗ったドリブルは世界最高峰でしょうね。
ファールを受けた回数が多かったネイマール。しかし、演技も少々過剰なうえ、コスタリカ戦ではファールを受けPKを獲得するも、VARで取り消しとなる出来事もあった
ネイマールはピッチでは凛々しく見えますけど、ピッチ外だと自由な若者だなと感じますね。自身のインスタグラムにまだ発売されていない〈シュプリーム〉×〈ナイキ〉のスニーカーをアップするなど、ファッションや私生活でも話題を振りまいていますよね。そういったインフルエンサー的な振る舞いは、同じ世界最高峰の選手でもあるアルゼンチンのメッシにはない部分です。メッシは、すごくストイックなイメージがありますし。ただ、数年前にいきなりタトゥをびっしり入れてきたのには驚きましたよ、どうしちゃったんだろう……って(笑)。
今大会でも試合ごとにヘアスタイルを変えるなど、実にお洒落な一面も。私服でも派手なスタイルが多いのは、ファッションでも目立ちたいというアピール!?
その点、ネイマールはピッチ外でも注目を浴びていて、それをフィールドにフィードバックさせる力を持っていると思いますね。「なにかやってくれるんじゃないか!?」みたいなワクワクや期待感を観ている側に持たせてくれます。
ネイマールは僕も好きなプレイヤーです。本来ならプロになると責任が出てきます。それに代表に選ばれると国を背負うわけです。それもブラジルというサッカー王国の代表(セレソン)なわけですから、プレッシャーも相当なものだと思います。けれど、それでも遊び心を持ってプレーをしていますよね。それはとても勇気がいることだし、普通の人ではできないことだと思います。そこが、ネイマールの魅力ですね。カリスマ性は言うまでもなく“ハンパない”ですよ。ただ調子に乗りすぎるところもあって、バルセロナ時代には勝ちゲームで相手をおちょくったプレーをして批判されていましたね(笑)。
次戦は、準々決勝となるベルギー戦。決勝まで登りつめれば得点王となる可能性も残されている
元サッカー日本代表。現役時代は豊富な運動量と闘志あふれるプレースタイルから、“中盤のダイナモ”と称された。現在は日本サッカー協会の理事を務めながら、サッカーの普及などに尽力する傍ら、日本テレビ系『NEWS ZERO』のサッカー解説やサッカー中継の解説などでも活躍中。