【LA情報も!】ロバート・ダウニー・Jr.出演『オッペンハイマー』
世界ではじめて原子爆弾の開発に成功した天才物理学者、ロバート・オッペンハイマー。彼の波乱に満ちた生涯を、クリストファー・ノーラン監督が壮大なスケールで描き出す。本年度のアカデミー賞で、作品賞をはじめ最多7部門を受賞した大ヒット作が公開中!
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- 見逃せない人気スターの最新作! vol.19
天才科学者と対立する男を熱演!
留学先のドイツで才能を開花させ、帰国後は大学で教鞭を執っていたオッペンハイマー。第2次世界大戦がはじまると、アメリカはナチスドイツによる原子爆弾の開発を危惧。政府は、優秀な人材を集めて原子爆弾を開発する“マンハッタン計画”のリーダーにオッペンハイマーを任命する。1945年7月、ついに原子爆弾の開発に成功。しかし、実際に原爆が投下されると、その惨状を聞いたオッペンハイマーは深く苦悩するように。政府はさらなる威力を持つ水爆の開発を推進していくが、オッペンハイマーは核開発競争の加速を懸念。原子力委員会のルイス・ストローズが推し進める水爆開発に反対の姿勢をとったことで、次第に追いつめられてゆく。戦後の赤狩りの中、共産主義者との過去が問われ、彼の人生は大きく変わっていくのだった……。
『オッペンハイマー』
監督:クリストファー・ノーラン
出演:キリアン・マーフィー、エミリー・ブラント、 マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.
全国公開中
配給:ビターズ・エンド ユニバーサル映画
©Universal Pictures. All Rights Reserved.
ヒットメーカーのノーラン監督作とあって、ベテランから注目の若手まで、豪華キャストが集結。この人がこの役で!? と、スターたちの登場を楽しみながら見てみて。
【Star 01】ノーラン作品常連のキリアンが主演!
キリアンといえば、ノーラン作品に欠かせない名脇役だけど、本作ではついに主演に抜擢。監督お墨つきの演技力はさすが。若手スター、フローレンス・ピューとのシーンも見ごたえあり。
【Star 02】天才を追いつめるダウニー・Jr.!
戦後、オッペンハイマーを破滅へと追い込んでいくストローズを熱演しているのが、ダウニー・Jr.。年配の役をこなすため、地毛を1/3まで減らして挑んだそう。執念の男を迫真の演技でこなし、見事に初オスカーを獲得!
【Star 03】頼れる陸軍将校はマット・デイモン!
“マンハッタン計画”を指揮する将校には、「威張っていても信頼できる人が必要だった」というノーラン監督。デイモンの持つユーモアと存在感が、映画に安定感をもたらしていて、ハマリ役。
前作『TENET テネット』では、飛行機破壊シーンで実機を使うなど、CG嫌いで有名なノーラン。今回も核実験シーンは、CGではなく特撮で表現。実際の脅威を再現したいという思惑どおり、リアルなシーンになっている。
観客を、オッペンハイマーの頭の中に引きずり込みたかったというノーラン監督。天才科学者の思考や感性を表現するため、素粒子の動きを視覚化するという試みに挑み、美しい映像が完成した。オッペンハイマーからの視点をカラーで、ストローズからの視点をモノクロで描いているのも面白い。今回、モノクロ場面を撮影するためだけに、新たにカメラを開発したというノーランらしいこだわりも。新感覚の映像を是非劇場で体験してほしい。
ハリウッドで今なにしてる!?
5歳でデビューし、実に50年以上(!)のキャリアを持つロバート・ダウニー・Jr.。彼が今年のアカデミー賞で、3回めのノミネートにして初の受賞を果たした。受賞スピーチでは冗談交じりに自身の“ひどい子供時代”そして、妻でフィルムプロデューサーのスーザン・ダウニーへの感謝を語った。「私の獣医……いや、妻に感謝します。彼女は、怒りっぽい保護動物のような私を見つけ、愛情をもって私を生き返らせてくれた。だから私はここにいるんだ」と。かつて薬物依存でどん底にいたとき、仕事を通じて出会ったスーザンとの関係が、ハリウッドへの復帰と成功に導いたことは間違いないだろう。
私生活はあまり明かされていないものの、夫婦で設計から携わったマリブの邸宅が、とにかくすごいのは有名。それは、『アイアンマン』シリーズで彼が演じた天才発明家トニー・スタークよろしく、超ハイテクで、ユニークで、豪華。ビニシェルという技術で作られたコンクリートのドーム型のデザインで、太陽光パネルを使って空気から飲料水を取り出すシステムや、風力発電を取り入れるなど、環境保護へ取り組む姿勢も窺える。
仕事の面に目を移すと、夫婦でプロデューサーを務めるテレビシリーズ『The Sympathizer』が話題になったばかり。ベトナム戦争後にアメリカへ逃れたスパイを描いたダークコメディ&スリラーで、ダウニー・Jr.自身も、今までにない複数の役で登場。そのコミカルな演技が注目されている。今後も公私ともに夫婦で二人三脚しながら、ハリウッドを牽引する活躍が期待できそうだ。
マリブ近郊のズマビーチを見下ろす高台に建つ、ロバート・ダウニー・Jr. の大邸宅。家は2軒建てられ、大きなプールとクレーテニスコートがある。敷地の一角には動物園兼農場があり、ラマなどの動物が飼われているのだとか。とにかくユニークな形でハイテク!
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text : Yuka Marmo Okamura
photo by AFLO