オリンピックとアスリートを支え続ける〈オメガ〉【全5回】
Vol.1 タイムキーピングヒストリー 視聴者のハラハラとドキドキを創出!
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2024年7月26日からいよいよ、パリ2024オリンピックが開催される。本大会では32競技329種目を実施予定。アスリートたちの熱き勝負に胸が高鳴る瞬間が、まもなくやってくる。そして、そのすべての競技の計時を務めるのが、スイスの高級時計ブランド〈オメガ〉。金、銀、銅を分ける結果を正確に計測し、ドラマチックな物語の幕切れを観客や視聴者へと伝えていく。さらに各レースの勝敗を正確に示す詳細かつ膨大なデータも計測・発信。勝敗の裏側にある事実もあわせて届けていくことになる。
ここではそんな〈オメガ〉の技術がオリンピックの発展とそこから生まれたドラマにいかに密接に関わってきたのかを紹介していく。
【タイムキーピングヒストリー:視聴者のハラハラとドキドキを創出する〈オメガ〉】
はじまりは1932年
〈オメガ〉が初めてオリンピックのオフィシャルタイムキーパーとなったのは1932年のロサンゼルス大会。それ以前のタイムキーパーは、様々な会社が製造するストップウォッチをそれぞれ使用していたため、精度にばらつきがあったという。そのため〈オメガ〉は大会用に30個のストップウォッチを新たに用意。これまで5分の1秒単位までしか測定できなかったものを10分の1秒単位まで正確に計測できるようにした。さらに中間タイムが記録できるスプリットセコンド機能も搭載させて、大会を成功へと導いた。
初のテレビ中継で選手のタイムを画面表示
私たちが観ているテレビ中継には、選手のタイムが同時に表示されている。これは〈オメガ〉が開発した新装置“オメガスコープ”によってもたらされたものだ。初めてオリンピックをテレビ中継したのが1964年のインスブルック大会。世界から数十のテレビ局が現地入りをし、200時間以上の放送を行なった。その画面下に選手のタイムを重ねて表示。競技会場の外にいる人々にもリアルタイムにレース状況と結果を伝え、興奮と感動の世界共有を果たした。
視聴体験を向上させたバーチャルレコードライン
2008年の北京大会からテレビ画面に登場したのがバーチャルレコードライン。プール上に赤いラインを重ねて表示し、これより先にゴールすると視聴者はすぐに世界新記録が生まれたことがわかるという仕組みだ。一見、放送するテレビ局の技術革新のように思えるが、こちらも〈オメガ〉の技術を提供して実現したもの。レース前に各コースに選手の名前と国旗が表示されるのも同様の技術が生かされている。
【オリンピックでの出来事が計時進化へと繋がった!】
タッチパッドを生んだ激しいデッドヒート!
1960年ローマ大会の男子100m自由形決勝。米代表ランス・ラーソンと豪代表ジョン・デヴィッドは互いに譲らず、そのままゴール。当時は判定を目視で行なっていたため、どちらが勝ったのかを巡って審判の意見は真っ二つ。ラーソンに味方する計時上の有力な証拠もあったが、金メダルはデヴィッドに渡ってしまう。この出来事により、水泳連盟はミスジャッジを無くす技術発明を〈オメガ〉に依頼。
〈オメガ〉は選手が1.5~2.5kgの圧力をかけて自らタイマーを止めるタッチパッドを開発し、1968年に導入。各レーンの両端に設置した。現在ではフィニッシュの瞬間を〈オメガ〉のハイスピードビデオカメラでも記録し、勝敗を判断できるようにしている。タッチパッドは、スポーツ計時の歴史上、最も高度なイノベーションのひとつと言えるだろう。
1948年から導入されたフォトフィニッシュカメラ
目視による判定は水泳だけでなく、陸上競技でも採用されていた。ゴールラインにはタイムキーパー用のはしご段を設置。目視でゴールを確認し、ストップウォッチで計測を行なっていた。
1948年に初めて導入された当時のフォトフィニッシュカメラ
より正確な判定を下すため1948年のロンドン大会では、あらかじめ決められた場所で一定時間内に起きたあらゆることを記録するためのカメラ“フォトフィニッシュカメラ”を初導入。各選手がゴールラインを超えた瞬間を示す1枚の合成写真を作成し、ゴール順番を判定した。現在では、毎秒最高1万枚の記録が可能なほどカメラが進化。これも〈オメガ〉が開発、進化をさせている技術だ。
【column /〈オメガ〉が誇る重要な計時機器】
①電子スターティング ピストル編
競技スタートの合図として使われるスターティング ピストル。従来のピストルだと、ピストルに最も近い選手がゼロコンマ何秒か早く音が聞こえるため若干有利になるという課題を抱えていた。
〈オメガ〉はその課題を解消するため、フラッシュガンと音響発生装置がひとつになった全く新しい電子スターティング ピストルを開発。「スタート音が再生される」「閃光が走る」「スタート信号が計時機器を作動させる」の3つが同時発生。フィールド競技では、各スターティングブロックに設置されたスピーカーからスタート音が発せられることで、どの選手も同時にスタート音を聞くことができるようになった。この電子スターティング ピストルは2010年のバンクーバー大会で初めて導入されている。
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