[シルヴィオ・ウルシーニ]
Silvio Urshini
ブルガリ銀座タワーの9Fにある“ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン”。就任10周年を迎えた総料理長ルカ・ファンティンは、伝統的なイタリア料理に現代的な解釈を加えた新しい食体験を提供しているのだが、ここを運営しているのは、イタリアンジュエラー〈ブルガリ〉を母体とするブルガリ ホテルズ&リゾーツ。
2004年のミラノを皮切りに、 バリ、ロンドン、ドバイといった主要都市でホテル事業を展開。2022年末には東京・八重洲のブルガリホテル東京の開業を控え、話題を集めている。こうしたリス トランテやホテル事業の陣頭指揮を執るのが、シルヴィオ・ウルシーニ。果たして、 リストランテとホテル事業とのアプローチの違いがあるのか、聞いてみた。
「銀座のリストランテではイタリアンスタイルを軸にしながら、日本の食材または調理技術を用いたコンテンポラリーな イタリアンを提供しています。その土地の特色を取り入れるアプローチはホテルも同じです。東京で開業するホテルでは、 日本の芸術品や生花などからインスピレ ーションを得た空間演出も考えています。 また、宿泊に限らず、レストランなどの利用を通じ、日本のみなさんとの関係性を築いていくことが理想です」
ちなみに、ホテルの顧客からの賛辞で心に残っている言葉を聞くと、こんな答えが返ってきた。「〈ブルガリ〉のホテルに各国でお泊まりいただいたお客様から、“街に光を放っている宝石のようなホテル”と言っていただ いたことが本当に嬉しかったですね」 3年後に開業するブルガリホテル東京 が、果たして東京という街をどんなふうに輝かせてくれるのか、心待ちにしたい。
銀細工職人のソティリオ・ブルガリが、1884年にローマで創業。ジュエリーをはじめ、多角的なブランドとしての世界的な地位を確立。シルヴィオ・ウルシーニは、クリエイティブディレクターを25年以上務めた後、2001年に自ら立ち上げたホテルズ&リゾーツ事業の責任者に就任。
『Urban Safari』Vol.13 P5 掲載
photo:Mamoru Kawakami text:Takumi Endo