ポップな家具、アートで開放感あふれる空間を彩る
ヴィンテージ感漂うソファ、個性的なアートや雑貨に似合うのはガラス越しに暖かな陽射しがたっぷり入る西海岸的開放感。築50年のマンションをリノベーションした片山邸は、あえてむき出しの天井や使い込んだ床のヴィンテージ感を生かし、遊んだ小物使いでらしさを全開に。そのポップな技を是非参考に!
- SERIES:
- 西海岸的なハッピー・ルーム! vol.54
片山邸/1LDK/70㎡
むき出しの天井や太い梁のヴィンテージ空間に、インドアグリーンとビビッドなソファが映える。年代を感じさせるキャビネットには好みの飲み物を並べて
はじまりは〈ハウストラッド〉のボタニカル柄のソファとの出合いだ。スクエアなフォルムと木の質感、華やかな存在感が気に入って7年前に購入。以来、「リノベーションをするとしたら、同じデザイナーに依頼したいと決めていました」と片山さん。在宅ワークが日常になり住環境のよさを求めて築50年のマンションを購入し、念願のリノベーションを施した。
「ひとつの空間で、仕事をしたりくつろいだり、好きなことができる広さを確保したい」と、独立型だったキッチンの壁を取り払って50㎡近いLDKに。むき出しの天井や、ドイツ製の自然塗料を塗った床は「剥がれ落ち方も格好いい」とそのまま生かした。使い込まれたヴィンテージ空間に、ポップなクッションや床置きでスタッキングしたバケットハット、植木鉢使いにした〈シュプリーム〉の金魚鉢など遊んだインテリアで、自分たちらしさを発揮。梁を避けて天井から下ろしたバーチカルカーテンは、縦のラインが天井の高さを際立たせるだけでなく、梁の厚さのぶんだけカーテンと窓との間に空間が生まれ、グリーンのための格好のインナーテラスになっている。
もうひとつ片山邸を特徴づけているのがカウンターと一体のアイランドキッチン。洗い物は壁側のシンクで、大火力調理や盛りつけはカウンターの並びでする。レストランのシェフズカウンター気分で、ライブ感のある料理と食事を楽しめるつくりだ。夫妻が一緒にキッチンに立つときも回遊しやすく、友人たちが来たときも好きに使ってもらえる。
スーッと滑り下りる蓋! 用と美を備えた手作りの茶筒
日本茶が好きな片山さんが愛用しているのが、出身地・京都の〈開化堂〉の茶筒。フォルムの美しさと、実用性の高さが特徴だ。ひとつひとつ手づくりされたもので、上蓋を閉めるときに手を離すと蓋がスーッと滑り下りていく。茶葉が空気に触れるのを最小限に抑えるよう気密性が高く作られているためだ。使いはじめて5年以上が過ぎ、時間とともに銅の色合いが深まり、味のあるツヤが出てきている。
「仕事中、気分転換したいときはキッチンカウンターへ席を移動したり、ルーフバルコニーに出てリフレッシュしたり、オフの日は料理しながら飲んだりと、インテリアの遊びも行動の自由も縛られない、贅沢な時間を過ごしています」
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●ハウストラッド
TEL:03-6412-7406
URL:www.housetrad.com
雑誌『Safari』3月号 P198~199掲載
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photo : Takafumi Matsumura text : Kuniko Nakajo