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2023.11.24


知る人ぞ知る街にイングリッシュコテージの家

もともとノースハリウッドだった一角が、1991年にアップスケールな住宅地となったバレー・ヴィレッジ。この街に住むのが、1929年築のチューダー様式の家をモダンに大改装した会計士兼モデル。同じくモデルの妻と一緒にスタイリングした洒落た家を案内しよう。


Valley Village
カリフォルニア州ロサンゼルス・バレー・ヴィレッジ
owner
ブランドン・ベル
会計士兼モデル

知る人ぞ知る街にイングリッシュコテージの家建築当時のチューダー様式イングリッシュコテージの面影が残るリビングルーム。「’20年代バチェルダー・タイルが美しい暖炉が、家の構造で一番気に入っている。当時の独特な窓ガラスも職人技が感じられて好き」と家主。

英国風チューダー様式に
西海岸のセンスを加えた家!


知る人ぞ知る街にイングリッシュコテージの家3つの部屋に分かれていたのを広々としたワンフロアに改装。左奥にブレックファストヌック、右奥にキッチン、手前はダイニングルーム。ディスカウントストア〈ターゲット〉のテレビCMにも使われたそう。「家の中で一番気に入っている部屋。僕が料理している間、子供たちがテーブルで宿題などをするのを見ていられるから」とベル。右手のバーキャビネットの一角には〈パーリック〉の洒落たミニ冷蔵庫が。

この人がオーナー!
知る人ぞ知る街にイングリッシュコテージの家ブランドン・ベル[Brandon Bell]
1981年、ロサンゼルスで生まれ育つ。
10代の頃からモデル活動をし、会計士となって15年。
会計事務所〈ベル・タックス・カンパニー〉を経営。雑誌やCM撮影に家を貸し出す事業も行う。


ダウンタウン・ロサンゼルスから北西にクルマで25分。バレー・ヴィレッジは、瀟洒な家々が並ぶ小さな街だ。ここに暮らしているのが、「25分でビーチや主要スポットへ行けて便利。学校区レベルも高い」と語る、会計士兼モデルのブランドン・ベル。1929年築のチューダー様式イングリッシュコテージの家を2016年に購入し、半年かけて大胆に改装。「キッチンと朝食用ダイニングルームとフォーマルなダイニングルーム、3つだった部屋をひとつのフロアにまとめた」そう。

リビングルームとダイニングルームの境目は、スクエアからアーチ形に自らリノベーション。家族で集まれるこの広々とした空間は、いまや彼のお気に入りの場所に。一方、リビングルームの窓や暖炉、バスタブは1929年当時のまま。レトロな意匠も巧みに残している。

そんなふうに古いものと新しいものの融合を好む彼が目指したインテリアは、明るくモダンな“カリフォルニア・チューダー”。家の特徴を尊重したうえで、モダンかつクールな雰囲気に仕上げている。子供部屋以外は、白、黒、青、グレー、ウッドの色で統一してシックに演出。この佇まいゆえ、雑誌やTVのCM撮影のロケ場所としても使われるとか。

あなたにとって家とは? と聞くと、「思い出を作り、一日の終わりにいつも安心して集まれる、家族が最も快適でいられる場所」とベル。そんな温かい雰囲気あふれる家だからこそ、ロケ隊にも人気なのだろう。

邸宅データ
知る人ぞ知る街にイングリッシュコテージの家●敷地面積:0.17エーカー(約208坪)
●家の面積:2600平方フィート(約73坪)
●家の値段:165万ドル(1ドル145円換算で約2億3925万円)
●部屋数:10部屋(3寝室含む。バスルームは3室)。2階建て
●築年:1929年
●建築家:不明
●家族構成:妻と子供3人、計5人。ペットは犬1匹

知る人ぞ知る街にイングリッシュコテージの家裏庭もリノベーション。スイミングプールを造り、パラソルとチェアを並べ、ブティックホテルのような雰囲気に。子供たちと毎日泳いでいるとか。

知る人ぞ知る街にイングリッシュコテージの家リビングルームの65インチのTVは、絵画に見える装置で洒脱な佇まいに。チェアは〈マギー・アンド・カンパニー〉。

知る人ぞ知る街にイングリッシュコテージの家キッチンの横にあるドア脇には、カスタムメイドの引き出し付きのベンチを設置。靴などを収納できて便利だそう。

知る人ぞ知る街にイングリッシュコテージの家裏庭には、食事が楽しめる屋外テラスも。庭にはアボカド、グアバ、マイヤーレモン、ブラッドオレンジなどの木々が生い茂る。

 Check point! 

①ギャラリー風の廊下
知る人ぞ知る街にイングリッシュコテージの家2階へ上がる階段と、ベッドルームへ続く廊下。奥にある鏡は、観光名所にもなっているフリーマーケット“ローズボウル”で手に入れたとか。重厚感のあるキャビネットは、お手頃価格の〈ターゲット〉で購入。2階にはプレイルームと、上の娘のベッドルーム、リビングルームがある。

②モダンなベッドルーム
知る人ぞ知る街にイングリッシュコテージの家〈サラ・シャーマン・サミュエル〉のモロッコ風ウォールペーパーが個性的なベッドルーム。ベッドとサイドテーブルは〈ルル・アンド・ジョージア〉。ベッド脇にはタイ旅行で購入したブッダ像をディスプレイして、落ち着いた雰囲気に。

③アンティークのバスタブ
知る人ぞ知る街にイングリッシュコテージの家1929年当時のままのバスタブは骨董品のように存在感たっぷり。古いものと新しいものを巧みにミックスさせている。

④洒落た屋外ラウンジ
知る人ぞ知る街にイングリッシュコテージの家裏庭の一角にソファやテーブルを置き、ブティックホテルの屋外ラウンジ風に。ファイヤーピットを配し、気温が下がる夜や冬も快適に過ごせる。

⑤シンプルなキッチン
知る人ぞ知る街にイングリッシュコテージの家白×黒×ウッドでまとめたキッチンには、カスタムメイドのキャビネットを設置。冷蔵庫をはじめ、電子レンジやトースターなどをすべて収納してすっきり。キャビネット内に電源コンセントがあるため、各機器を外に取り出して使う必要なく便利。ガスレンジは高級ブランド〈ヴァイキング〉。

⑥裏庭のホームオフィス
知る人ぞ知る街にイングリッシュコテージの家裏庭にあるベルのホームオフィス。「毎朝ガレージ内のジムでエクササイズして、子供たちを学校へ送った後、ここで昼間は仕事」とベル。温かみのあるデスクは〈レストレーション・ハードウェア〉。

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Information

雑誌『Safari』12月号 P43~47掲載

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写真=ヴァラダ・サーキン・ワーツ 文=藤本庸子
photo : Vlada Syrkin Werts text : Yoko Fujimoto
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