ハリウッド近くの山の上に自然と一体化した個性的な家!
ハリウッドから北へクルマで数分。山の上にある静かな住宅地。山を下ると街の名前の由来である〈CBSスタジオセンター〉や洒落た店が立ち並ぶ。ここに自ら設計した自然と住居を融合させた家に建築家が暮らす。彼の邸宅を案内しよう。
- SERIES:
- 西海岸リビング&インテリア! vol.10
Studio City
カリフォルニア州ロサンゼルス・スタジオシティ
owner
デビッド・トンプソン
建築家
木や石など、自然の素材を生かした家。玄関の木製のドアと壁が落ち着きをもたらす。左側には可動式ガラス窓を全開したダイニングルームが覗く。その奥はリビングルームとスイミングプールが続き、開放的な圧巻の眺め。
外と内が融合したモダンな家!
ふたつの棟にはリビングルーム、ファミリールーム、キッチン、ダイニングルーム、ブレックファストルーム、ゲストハウス、ガレージを配置。構造のカギとなるのが、前方と後方にある巨大な可動式ガラス窓。外と内を仕切る窓を全開すると、裏庭のスイミングプールから中庭まで繋がる開放的な空間に。ちなみに左手にはベッドルームとホームオフィスの別棟が。
デビッド・トンプソン[David Thompson]
1969年NY州ブルックリンで生まれ4歳でLAへ。
ウエストハリウッドのサンセット大通り近くで育ち、建築家兼アーティストの父親の影響で建築家に。
建築会社〈アセンブルッジ・プラス〉社長。
ハリウッドからローレルキャニオン通りの坂を数分クルマで登ると、静かな住宅地がある。ここから坂を下っていくと〈CBSスタジオセンター〉を中心に広がる、ベンチュラ通りの瀟洒な街並みが現れる。そんなふたつの顔を持つ、スタジオシティ。この街の山の上に建築家デビッド・トンプソンが暮らす。
「7年前から妻と娘2人と住んでいる。自然も街も両方楽しめるから気に入っている」と語る彼。築1946年の家を2014年に購入して、建て直したのは2019年。「建築デザインのコンセプトは自然と家が繋がり、外と家の中の区別がないオアシス」。目を引くのは床から天井までの高さがある、壁のような巨大な可動式ガラス窓。全開すると窓が壁の中へ収まり、まさに自然と家と人間が一体になる感覚が味わえる。年間365日ほとんど晴天の西海岸だからこそ実現した家だ。
“眠る”“暮らす”“ゲストハウス”と名づけた3つの棟に分け、それぞれを繋ぐ橋状のガラス張りコリドーを配置。より自然が楽しめるユニークな構造も魅力的だ。
あなたにとって家とは? と問うと「自然の中で家族と過ごす場所。サンクチュアリ」。インテリアのテーマは、温かくて快適、クリーンでモダン。彼の父親が描いた絵や有名・無名に関係なく心ある作品を飾り、ほのぼのとした雰囲気を大切にしている。「開放感がある一方、心と向き合える家にした」と目を輝かせて語る、仕事への愛と情熱にあふれた建築家だ。
邸宅データ
●敷地面積:0.41エーカー(約502坪)
●家の面積:3009平方フィート(約85坪)
●家の値段:296万ドル(1ドル135円換算で約3億9960万円)
●部屋数:11部屋(寝室5部屋含む。バスルームは5室)。平屋建て
●築年:2019年
●建築家:デビッド・トンプソン
●家族構成:妻と子供2人、計4人。ペットは犬2匹
ダイニングルームの前には、オリーブの木がアクセントになった中庭が。可動式ガラス窓を開けると、レストランの屋外テラス席のよう。壁にかかっているのはトンプソンの父親が描いたダウンタウン・ロサンゼルスのビル群の絵。
“ゲストハウス”棟と“暮らす”棟を結ぶコリドー。「ガレージから家の中へ入るときに、中庭の木々を見ながら歩くと鳥肌が立つほど感動」とトンプソンの妻。
左にブレックファストルーム、右にキッチン。「家族と長く過ごす場所」だそう。オリーブの木で爽やかさを演出。
天窓と大きな窓で明るいバスルーム。シャワー室には石鹸やシャンプーなどが表に見えないよう工夫の設計が。
①ふたつの棟を繋ぐコリドー
右に“暮らす”棟、左に“眠る”棟。このふたつの建物を繋ぐガラス張りのコリドー。野草とアロエが生い茂る中庭の間を行ったり来たりするたびに、自然と触れ合える作りになっている。
②機能性に優れたキッチン
トンプソン曰く「シェフのキッチン」。レストランと同レベルの優れた機能性の機器が揃っているのだとか。重厚感のある大理石のキッチンカウンターは、アート作品のように存在感たっぷり。
③特注で誂えたベンチシート
トンプソンと妻が使うベッドルームには、カスタムメイドのベンチシートを設えた。ファブリックとクッションは〈マーク・アレクサンダー〉。引き出しを付けて、使い勝手のよいデザインに。ここにも可動式ガラス窓を施して、外気と太陽をたっぷり享受できる場所に。
④自らデザインしたベッド
スイミングプールと木々を望む、トンプソンと妻のベッドルーム。トンプソン自らが作った木製ベッドとナイトスタンドは実用性もルックスも抜群。ペンダントライトは〈ガロッティ&ラディス〉のもの。ちなみにトンプソンは家具を製造する事業も行っている。
⑤モダンなガレージドア
正面入り口。左がガレージを兼ねた“ゲストハウス”棟、右は家族たちのベッドルームとホームオフィスを配した“眠る”棟。壁やドアや床などに温かみのある木を使っているのと同様、このガレージのドアや壁面にも木を採用。中央の長い通路を奥へ入ると玄関が。
⑥個性あふれるリビングルーム
リビングルームのコーヒーテーブルとサイドテーブルもトンプソンのデザイン。ギター2本もインテリアの小物代わりに。
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雑誌『Safari』3月号 P45~48掲載
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photo : Kaori Suzuki text : Yoko Fujimoto