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CULTURE カルチャー

2026.06.20 NEW


島が舞台のサスペンス・スリラー映画5選!

 

 


『ライトハウス』
製作年/2019年 監督/ロバート・エガース 出演/ロバート・パティンソン、ウィレム・デフォー

この世のものとは思えない雰囲気と映像美!
19世期半ば、荒れた海を照らす灯台のそびえる孤島に、二人の男たちが派遣されてくる。彼らの任期は4週間。ベテランの老人は新人をあらゆる雑用仕事でこき使い、彼らの関係性は次第に不可解で険悪なものとなっていく。いや、きっとそれは海や島、そして灯台の光そのものが持つ、人間にはなす術もない幻想的な力のなせる業。狂気と嵐とアルコールに呑まれた二人の運命の行き着く先とは……。

全編モノクロームでありながら、特殊なフィルムやカメラレンズの組み合わせによって鮮烈な色味を実現させた本作。アラン・ポーを思わせる怪奇ストーリーながら、どこまでが現実で、どこからが幻想なのか、全ての真相は闇の中だ。頭の中が「?」でいっぱいになる瞬間も多いが、しかし何よりもデフォー&パティンソンの凄み溢れる二人芝居が観る者を強烈に惹きつける。観るたびに理解を超えた楽しみ方が分かり、この世のものとは思えない雰囲気や映像美にひたすら陶酔し、気が付くとすっかり取り込まれている我ら。その意味でも怖ろしく、引き返しの効かない危ない映画だ。
 
  

 


『ザ・ビーチ』
製作年/2000年 監督/ダニー・ボイル 出演/レオナルド・ディカプリオ 、ティルダ・スウィントン、ヴィルジニー・ルドワイヤン

この世の楽園に待ち受ける運命とは!?
『トレインスポッティング』のダニー・ボイル監督が、後に『28日後…』シリーズなどを共に手がける鬼才アレックス・ガーランドの原作小説を映画化した異色作。バックパッカーのリチャード(レオナルド・ディカプリオ )は、通常の観光客がたどり着けないような究極体験を求めて「伝説のビーチ」を目指す。地図を頼りに無人島を見つけようやくたどり着いたのは、一人のリーダーのもと旅人たちが共同生活を送るコミュニティだった……。

果たしてここはユートピアか、それとも闇を抱えた世界の果てか。手にした自由の代償を支払うかのように、最初は気にもしなかった綻びは徐々に全体へ広がっていく。そのシニカルな崩壊図の見事さこそ、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』『28年後…』などにも際立つガーランド節と呼ぶべきもの。撮影のため自然に手を加えたことが訴訟騒ぎになったり、主演候補のユアン・マクレガーを捨ててレオを起用したことでユアン&ダニーが長らく不仲に陥るなど、何かと火種を生んだ一作。だが、映画そのものは今なお鮮烈で、悪夢的なまでに面白い。
 

  

 


『ビー・デビル』
製作年/2010年 監督/チャン・チョルス 出演/ソ・ヨンヒ、チ・ソンウォン

閉鎖的な島で巻き起こる阿鼻叫喚ホラー!
勤務先でのトラブルや身近で起こった暴力事件の影響でソウル生活に疲れたヘウォンは、しばらく休暇を取って自分が生まれ育った島を訪れる。しかしそこで目にした光景は、幼なじみのボンナムがまるで奴隷のように人々に蔑まれ、こき使われ、虐げられ続けるという異様なものだった。親友のヘウォンとの再会で束の間の笑みを浮かべるヘウォン。だが、一つの悲劇的な出来事が彼女の心を完全に崩壊させ、閉鎖的な島は地獄絵図へと引きずり込まれていく……。

ねっとりとした不穏さが醸成されていく前半と、そこから全ての制御盤が吹っ飛んかのように血に染まる後半。これが初長編監督作にもかかわらず、チャン・チョルスの語り口にはベテランの風格すら感じる。それもそのはず、彼は鬼才キム・ギドクのもとで助監督として研鑽を積んだ人で、恐れ知らずで型破りでそれでいて骨太な社会性を併せ持った作風はきっとそこから来るのだろう。監督がテーマの一つに据えた「傍観する人々」にも注目したい。ホラー描写に震えつつ、エンドクレジットの余韻の中で深く考えさせられる一作だ。
 

  

 


『HELP/復讐島』
製作年/2025年 監督/サム・ライミ 出演/レイチェル・マクアダムス、ディラン・オブライエン

無人島で立場逆転! 怖くて楽しい下克上ムービー!!
服装センスや社交性には問題ありだが、仕事はバリバリできるし、一時は昇進を約束されていたリンダ。しかし新CEOブラッドリーが就任するや、新体制で彼女はすっかり蚊帳の外に置かれるどころか、周囲に内緒で応募したリアリティ番組『サバイバー』へのオーディション映像が見つかり、笑い者にされる始末。そんな矢先、彼女や役員を乗せたプライベートジェットが上空で大破し、リンダとCEOだけが無人島に流れ着く。文明社会から隔絶された地で、二人は華麗なまでに立場を逆転させていくのだが……。

この島ではお金や地位など何ら意味を持たない。それでもなお横柄に主導権を握ろうとするCEOと、サバイバル能力を駆使して逞しくグイグイと突き進むリンダ。どちらが無人島の王にふさわしいかはあまりに明白だ。序盤のフラストレーションを覆す下克上があまりに爽快な上、『死霊のはらわた』や『スパイダーマン』でお馴染み、鬼才サム・ライミによる笑っちゃうほどハイテンションな悪夢的スリラー描写にも注目。ライミ作品の常連、ブルース・キャンベルのカメオ出演も見逃せない。
 

  

 


『ガーンジー島の読書会の秘密』
製作年/2018年 監督/マイク・ニューウェル 出演/リリー・ジェームズ、ミキール・ハースマン、グレン・パウエル

占領下の島に刻まれた、読書愛あふれるミステリー!
イギリス海峡に浮かぶガーンジー島は、英王室の属領でありながら自治権を持ち、第二次大戦中はナチスドイツに占領された歴史を持つ。本作は、夜間の外出禁止を言い渡された島民が秘密裏に食料を持ち寄って交流する中、怪しむナチスに対して「本好きが集まって朗読し合う会合です」と偽ったことで生まれた読書会をめぐる物語。戦後、ひょんなきっかけで会に興味を持った作家ジュリエットは、島を訪れて話を聞こうとするが、主要メンバーのエリザベスの不在をめぐって誰もが硬く口を閉ざし……。

苦難の時代、読書に希望を見出したコミュニティの人間模様を描きつつ、戦時下の愛、親のいない一人の少女、狭量な人々の偏見などが絡まり合って、先読みできないミステリーが醸成されていく。何よりイギリス本土とは全く異なる時間の流れを持つガーンジー島の魅力が格別。美しい自然に囲まれ、潮風に吹かれ、地産地消の食の香りが漂い、そして物語の中心には名著の言葉や人々の読書愛がしっかりと息づく。謎に翻弄されながらもゆったりと堪能できる極上の一作だ。

 


 

 
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