世界が待っていたSUV! 〈三菱〉アウトランダーPHEV
世界的なSUVの流行により、用途もデザインも、走破性もハンドリングも、様々なバリエーションが用意されたこのカテゴリー。しかし、カーデザイン的に見ると、最新の流行は“ロバスト”というところに向かっているという。ロバストは堅牢な、頑強な、強靭な、などという意味。つまり、今SUVにはタフなイメージが求められているってこと。しかし、『Safari Online』読者なら、イメージじゃなく本物のタフを、求めたいですよね?
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まさに今日、そんなアナタにバッチリのクルマが発表されたのでシェアしたい。世界中で愛される本格派プラグインハイブリッド四駆、〈三菱〉アウトランダーPHEVが8年半ぶりにフルモデルチェンジした。
パジェロが日本での販売を終えた今、〈三菱〉のフラッグシップを担うのがこのアウトランダーPHEV。世界中の道なき道を走破してきたブランドの技術の粋が濃縮されているモデルが、「今はコレ!」と言っても、過言ではない。
しかし同時に〈三菱〉は、プラグインハイブリッドはじめ、電動化技術で高い評価を得ているメーカーでもある。特にこのアウトランダーPHEVは、世界に先駆けてプラグインハイブリッド技術を本格的なクロスオーバーモデルに導入したクルマ。当時まだ根強かった、ハイブリッド技術に対する軟弱なイメージや、重量と走破性の両立への懸念、寒冷地での耐久性への疑問などを、北欧での圧倒的な販売台数や、車種別プラグインハイブリッド車世界販売第一位という数字で覆した、まさに開拓者とも呼べるモデルでもある。
新型はそんな歴史を軽やかに背負ったうえで、エレガントに、そしてさらにタフに生まれ変わった。刷新はプラットフォーム、ボディ、エンジン、シャシーなど、ほぼすべてに及ぶ。
まずはデザインだが、冒頭に書いたロバストを〈三菱〉の共通フェイスに落としこんだ、存在感あるものになっている。デリカD:5、エクリプスクロスなどにも使用されているマスクだが、アウトランダーPHEVの大柄なボディサイズに乗っかると、驚くほどにすんなりと受け入れられる。
さらに感激なのがインテリアだ。昨今、SUVのインテリアにはラグジュアリーを求めるのがセオリーだが、コチラもその期待を裏切らない。やや“ヨンク”っぽい質実剛健なギア感は残しつつ、目に触れ手に触れるすべてが上質で心が安らぐ。
特に最上級のPグレードに採用されたブラック&サドルタンの組み合わせはオススメ。そして、使い勝手的にも3列めシートが初採用されるなど、大幅なユーティリティの向上を得ている。
むろん走りも劇的向上だ。直接的なユーザーメリットとしては、モーターでのEV走行エリアが拡大したこと。フロント/リアモーターの出力を大幅に向上させ、パワフルな走りに貢献するほか、バッテリー容量を拡大したモーターで、そのモーター由来の走行レンジを伸ばしている。
また、〈三菱〉のお家芸である四輪駆動車制御技術はさらに洗練。特に“ターマック”“グラベル”“スノー”“マッド”と用意されたドライブモードの緻密さは感涙モノ。筆者の試乗シーンはサーキットで、迷わずターマックモードを選択してアクセルペダルを蹴ったが、電子制御の介入がありえないほどナチュラルなのに、効果はテキメン。素直で速くて、まるで背の高いレーシングカーを操縦しているかのよう! ドカンと来るモーター由来の加速を、四輪がどこまでも破綻させることなくコントロールして、恐ろしいほどのコーナリングスピードを発揮してくれた。これからやってくる雪の季節、これなら行けない道はない!
ちなみにクルマ自体を非常時の電源にできることもプラグインハイブリッド車ならではの恩恵。このアウトランダーPHEVなら、なんと一般家庭の12日分の電力を賄えるのだ。
う~ん、また世界で大いに受け入れられそう!
★DATA 〈三菱〉アウトランダーPHEV P(7人乗り)
●全長×全幅×全高:4710×1860×1745mm
●車両重量:2110kg
●ホイールベース:2705mm
●エンジン:2.4ℓ直列4気筒 16バルブ
●エンジン最高出力:98kW/5000rpm
●エンジン最大トルク:195Nm/4300rpm
●モーター最高出力(前/後):85kW/100kW
●モーター最大トルク(前/後):255Nm/195Nm
●駆動方式:四輪駆動
●税込み価格:532万700円~