あのパジェロの最終章!〈三菱〉パジェロ ファイナルエディション
いまや百花繚乱の様相を呈するSUVだけど、こんな華やかな状況になったのはわずかここ数年。それまでは“ヨンク”な〜んてひと括りにされて、実に男臭く、汗と泥の香りすら漂う世界観を展開していた。そんな時代もあったんだから。そんな下積み時代(?)を経て、いまやSUVはご存知のとおりの大ブレイク。セグメントを跨いで、隙間なしに埋め尽くされたニューモデルたちは実に個性豊かで目移り必至。あの〈ランボルギーニ〉や〈マセラティ〉ですら参入したことから、SUVがどれだけ“出せば売れる”車種なのかは想像に難くない。
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しかし、そんな時代に逆らうようにして、あるひとつの偉大な時代を築いたクルマが、ひっそりと表舞台から去っていくのをご存知だろうか。〈三菱〉パジェロだ。現行モデルの国内販売向けパジェロは、2019年8月で販売を終了する。
そう、このクルマこそ、かつて“泥臭い男の外遊びカー”だったこのジャンルのクルマを、デートカーに押し上げた二大巨頭のうちのひとつだったと思わない? ライバルは〈トヨタ〉ハイラックスサーフ。バブル最盛期、映画『私をスキーに連れてって』の大ヒットで、スキーが“トレンディ”で“イケイケゴーゴー”なスポーツNo.1に急浮上したとき、ゲレンデには“出会いを求めて”という清々しい下心を携え、若者たちが我先に押し寄せた。そんな彼らがゲレンデへのお供に選んでいたクルマこそが、パジェロかハイラックスサーフのどちらかだったのだ。「このクルマに乗っていればモテるから」。そんなチャラい理由でパジェロを選んだとしても、オーナーの満足度は恐ろしいほどに高かったはず。
〈三菱〉はかつて“世界一過酷なレース”といわれ、完走すらも困難だった時代のパリ・ダカールラリーを何度も制した“オフロードの匠”。過酷な競技からフィードバックされた四輪駆動制御技術は、今も昔も惜しむことなく、同社のクルマに注ぎこまれてきた。都会のニーチャンがポワポワしたパステルカラーのマシュマロみたいなスキーウエアに身を包んだ原田知世似の彼女を乗せて、うっかり凍結路に入ってしまったとしても、クルマ側が助けてくれた、な〜んてことも多々あったハズだ。
〈三菱〉の四輪駆動制御技術には“SH-AWD”の総称が付いているが、このモジュール化最盛期の時代において、〈三菱〉はいくつかのシステム(!)をそのクルマの性格に合わせて使い分けている。ことにパジェロに搭載されたSH-AWDはまさに、SUV部門のフラッグシップにふさわしい、最も優れたモノがいつの時代のモデルにも搭載されていたのだから。そんなパジェロの最期の雄姿を見送るべく、用意されたのがその名も“FINAL EDITION”。ネーミングだけでどこか胸が締めつけられるような切なさを感じさせるけれど、37年間のご愛顧閉店セールらしく、豪華な内容になっている。3.2ℓ直4ターボディーゼル×5ATの“EXEED”をベースに、ルーフレール、電動ロングサンルーフを標準装備。インテリアにはもちろん本革シート。さらにパジェロといえばの悪路走破性には、リアデフロックとタフネスにも貢献する寒冷地仕様を標準装備としている。限定700台。是非チェックしてほしい。
★DATA〈三菱〉パジェロファイナルエディション
●全長×全幅×全高:4900×1875×1900mm
●車両重量:2340kg
●ホイールベース:2780mm
●エンジン:3.2ℓ直列4気筒インタークーラー付きターボ
●最高出力:140kW(190PS)/3500rpm
●最大トルク:441N・m(45.0kgf・m)/2000rpm
●トランスミッション:5速スポーツモードAT
●駆動方式:四輪駆動
●税込み価格:453万600円
●三菱自動車お客様相談センター
TEL:0120-324-860