SUVが武骨だったのはもはや過去のお話!?
なにかと“スポーティ”なものが話題を集めている昨今、ファッションも然り、そしてクルマも。〈BMW〉のX2は、まさにそんなスポーティでスタイリッシュな1台だ。
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- ドライブは楽し! Vol.37
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- ドライブは楽し! Cars Safari Magazine
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、なにやら世の中がざわつきはじめている。都心の一等地には外国人用のホテルが建ちはじめ、臨海地区には新たな道がひかれた。それに中心となる新国立競技場も日々建築が進んでいるのがわかる。テレビを点けてもそう。アスリートを題材にした番組が目につく。プロ競技ではないアスリートたちが、これだけクローズアップされることはなかった気がする。
そんなスポーツブームは、もしかしたら日本だけではないのかもしれない。近頃発表会などで目にする新型車からもそんな風潮は読み取れる。たとえば、セダンが4ドアクーペと呼ばれるのもそうだし、ステーションワゴンに“スポーツ”の名をつけるのもその傾向のひとつ。スポーツブレークやスポーツツーリスモといった名称が、メーカーカタログに記載される。カタチもまんまスポーティで、リアピラーが垂直に立つ昔ながらのステーションワゴンはほぼ全滅だ。でもって、それは当然SUVにも波及している。クロスカントリー風のスクエアなボディスタイルはマイノリティで、多くのSUVがスタイリッシュに仕上げられる。
その先駆者となり、代名詞とも言えるのが〈BMW〉Xモデルだ。しかもその偶数シリーズはいかにも〈BMW〉らしいスポーティさを全体で醸し出す。X6やX4の流れるようなフォルムはこれまで美しいクーペを世に送りこんできた彼ららしい仕事ぶりといえるだろう。
そんな中で今回、〈BMW〉が仕掛けてきたのがこのX2。もはや背の高さを感じさせないスタイリングはクーペに近いクロスオーバーで、スポーティさはこれまで以上。リアピラーの角度はX4やX6ほどではないにしろ、ピラーの長さを短くすることで大胆なフォルムを形成している。しかもそこに〈BMW〉のマークを配するというニクい演出も。これには’70年代の3・0CSクーペを思い出した。要するにこのクルマは、彼らの意図する“クーペ”なのである。
それらのデザインから生まれたメリットは“かっこいい”というだけじゃない。全高が1535㎜に抑えられたことで、都心に多い全高1550㎜に制限された機械式駐車場を利用できる。これは嬉しい副産物。タワーマンションに住んでいる人にも朗報だ。なので、カーゴにスポーツギアを積みこんでガンガン出かけてくださいな。時流に合ったスポーティなライフスタイルを送れまっせ!
このクルマの楽しみ方&使い方
スタイリッシュなデザインとエンジン、そして走りに注目が集まる〈BMW〉だが、ハードウェアばかりではなく、ユーザー目線に立ったソフトもかなり進化している。そのひとつがスマートフォンと連動して使える便利なサービスだ。〈BMW〉専用アプリをダウンロードすれば、「そんなこともできるのか!」って感じなのだ。具体的には、スマホの操作でクルマに乗らずともエアコンを作動させたり、ドアのロックや解除ができる。「あれ、カギ閉めたっけ?」ってときに便利。リモコンキーじゃ到底無理ってくらいクルマから離れていても操作できるので、うっかりしやすい人には最適だろう。
それと事前にスマホやパソコンで目的地を検索し、それをアプリで送信しナビゲーションに設定することも可能。クルマに乗りこんでからまた設定するのはムダだからね。これもあるととても便利だ。また、これらとは違う別のBMWコネクテッドというアプリを使えば、SNSもクルマの中で楽しめる。ツイッターの更新情報をディスプレイで確認できたり、テキスト読み上げ機能を使えば、友達の投稿を耳で聞くこともできちゃうのだ。いやぁ、まさに未来カー。
このほかにも、こうしたBMWコネクテッド・ドライブと呼ばれる技術の中には事故時に自動的にSOSコールをしたり、クルマの状態を自動的にディーラーに通知したりと、最新テクが満載なのだ。
01 キドニー・グリル
微妙なデザイン変更でさらに進化!
キドニー・グリルの存在は変わらないが、微妙にデザインを変えたことでこれまでとは印象が異なる。六角形が強調され、下のラインのほうが少し長く見える。ボンネットからのラインを受けるような造形となりボディとの一体感が増したようだ。
02 エンジン
ここはすでに定評あり!ですから
日本に導入されるラインナップはガソリンエンジンのみ。1 . 5リッター直3直噴ターボと2リッター直4直噴ターボの2種類。最高出力は前者が140 ps、後者が192 psで、トランスミッションはそれぞれ7速DCTと8速ATが組み合わされる。
03 リヤスボイラー
さすがのエアロダイナミクス!
コンパクトボディでもエアロダイナミクスにこだわっている。Cd値は0 . 28というから立派なもの。それにひと役買っているのがこのMリアスポイラー。センター部と左右で角度を変えるなどして効果を追求。デビューパッケージに設定される
●SPECIFICATIONS
BMW X 2 xDrive20 i
●全長×全幅×全高:4375×1825×1535㎜
●ホイールベース:2670㎜
●エンジン:2ℓ 直4 DOHCターボ
●トランスミッション:8速AT
●最高出力:141 kW(192 ps)/ 5000 rpm
●最大トルク:280 Nm / 1350 - 4600 rpm
●駆動方式:4輪駆動
●定員:5名
●税込み価格474万円
●BMWカスタマー・インタラクション・センター
TEL:70120 - 269 - 437
雑誌『Safari』7月号 P214・215掲載