そこは天空の別世界! 〈3100クルムホテル・ゴルナーグラート〉
スイスアルプスで最も標高が高いホテル〈3100クルムホテル・ゴルナーグラート〉へは、登山鉄道でアプローチする。その乗り場であるツェルマットの街はガソリン車の乗り入れがNG。この時点ですでに空気が美味しい。
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- 眺めのよいホテル! vol.8
電車に乗り込むと、やがて窓の向こうは切れ切れになった雲が流れ、氷・雪も交じった冬景色に。雲の中を抜けると、一気に晴れわたった空が広がる。鉄道に揺られて約45分で、天空の別世界にやってきたことを実感する。空気がさらに澄みわたった山頂からは、4000m級の山々を29座も一望。自分の足で登ってきたような達成感に似た気分に満たされる。
レストランやスキー目的の日帰りでも人気のホテルだが、実は最終列車が麓へと出発した後がお楽しみ。アイベックス(アルプスヤギ)や雪ウサギなど、高山に暮らす動物たちの姿がひょっこり。頭上には満天の星が。惑星も肉眼で見えるほどの迫力で、宿泊ゲストだけに許されたスペシャルな時間となっている。22の客室は、樹齢100年を超すというヨーロッパマツをふんだんに使用。この木材が循環器系と睡眠に効果的だというリサーチ結果もあるとか。科学的根拠はどうあれ、確かに心地よく、不思議と疲れも取れるような!?
客室のデザインは余分なものがなく、シンプルで、窓に広がる雪の高峰と氷河の圧倒的な風景を引き立てる設計。その雄大な光景は、客室の西側がマッターホルンビュー、南側がモンテローザ山群。各部屋にホテルを囲む山の名前がつけられ、それぞれの山頂の石が壁に飾られている。なかでも憧れの部屋が、2室のみのスイート。建物の両端の塔にあり、マッターホルンをはじめとする、アルプス連山の大パノラマが展開。サンセットのピンク色に染まった雪山や氷河も、部屋にいながら望める絶景だ。
レストランは2カ所。スイス郷土料理を提供する写真の〈ヴィ・ザ・ヴィ〉と、ビュッフェ形式の〈パノラマ・セルフ・サービス〉。どちらも眺望が最高のスパイス。
建物の両端の塔にある、円形をした2室のジュニアスイート。客室名はそれぞれ“マッターホルン”と“モンテローザ”。壁に飾られた山頂の石は、触ってもOK。部屋にいながら、頂を極めた気分になる!?
ドーム状の部分が天体望遠鏡のある“ステラリウム・ゴルナーグラート”。朝一番の景色も、深呼吸したくなるほど爽快!
乾いた空気と人里から離れた環境は、天体観察に最適。ホテルに併設した、大学の研究施設“ステラリウム・ゴルナーグラート”では、常駐の天文学者によるガイドも。宿泊者には特別な入場のアレンジもあり。
チューリッヒ空港からツェルマットへは、鉄道で約3時間~3時間30分。バスやクルマは、テーシュで駐車。ツェルマットからはゴルナーグラート鉄道で約45分。
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●3100クルムホテル・ゴルナーグラート(3100 Kulmhotel Gornergrat)
住所:Gornergrat 3100m, 3920 Zermatt, Valais, Switzerland
TEL:+41-27-966-64-00
料金:ダブルルーム・ウィズ・モンテローサ・ビューCHF495 ~、ジュニアスイート・モンテローサ・ウィズ・マッターホルンビューCHF720~など
雑誌『Safari』1月号 P224~225掲載
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