トレンド発信地の街にディテールまで創造的な家!
流行に敏感な人たちが集まる街として知られる、シルバーレイク。多くの芸術家やクリエイターが住み、湖のまわりに個性的な造りのスタイリッシュな家が並ぶ。この土地に建つ、多国籍企業の重役のレトロモダンな邸宅を紹介しよう。
- SERIES:
- 西海岸リビング&インテリア! vol.9
Silver Lake
カリフォルニア州ロサンゼルス・シルバーレイク
owner
デビッド・ウェインバーグ
多国籍テクノロジー企業(音楽ストリーミング部門)の重役
リビングルームの大きな窓からは貯水池“シルバーレイク”が見わたせる。右手には建築家のアイデアで作った巨大なブックシェルフ。オーナーが家の構造で一番気に入っている場所とか。カラフルな家具を配し、創造力いっぱいの空間に。
こだわりのコーナーが映える家!
家を購入したときは5部屋あったフロア。思いきってそれぞれの部屋の壁を取り壊してワンフロアに。リビングルームからダイニングルームとキッチンまで見わたせて、開放感たっぷり!
デビッド・ウェインバーグ[David Weinberg]
1962年、ニューヨーク州ニューヨーク市生まれ。1990年代後半からLA在住。
多国籍音楽会社の上級副社長を経て、
多国籍テクノロジー企業のミュージックコンテンツ事業開発部門の執行役員。
ロサンゼルスのお洒落の最先端をいく街、シルバーレイク。ダウンタウン・ロサンゼルスとハリウッドの間に位置してLAの穴場となっている。街の名前の由来は、東京ドーム約8個分の貯水池“シルバーレイク”。この湖の目の前に建つ家を購入したのが、多国籍テクノロジー企業(ミュージックコンテンツ事業開発部門の執行役員)で活躍するデビッド・ウェインバーグ。この街を気に入った理由は「散歩が楽しめる街だから」と話す。
購入したのは2013年。「1926年築の家に数年暮らしてみて、どこをどう変えたいかをじっくり考えた」とか。その結果、建築家のバーバラ・べスターに大規模な改装を依頼。2019年にモダンでスタイリッシュな家にリモデルした。
改装のコンセプトは、新旧のミックス。暖炉や窓など、古い家の魅力は残しつつ、居間の壁に大きな本棚、ベッドルームの壁一面にはモダンなクローゼットとキャビネットを作り、バスルームには天窓を取り付けるなど新しい工夫も加えた。インテリアのテーマは「モダンだけど温かさがあり、オープンだけど私的な空間」。たとえば、キッチンの一角にベンチシートを設けることで、広いフロアにプライベート感と独立した雰囲気を両立させた。
あなたにとって家とは? と聞くと「僕たちを守り、精神的な糧となり、温かく、魂の宿るところ。友人たちが気軽に立ち寄れる場所でもある」と大企業の重役らしい答えが返ってきた。
邸宅データ
●敷地面積:0.12エーカー(約149坪)
●家の面積:1632平方フィート(約46坪)
●家の値段:217万ドル(1ドル135円換算で2億9295万円)
●部屋数:7部屋(寝室2部屋含む。バスルームは2室)。平屋建て
●築年:1926年
●改装年:2019年
●建築家:バーバラ・べスター
●家族構成:パートナーと2人。ペットは犬1匹
裏庭から望む家のポイントは、シカモアの木。左手にベッドルーム、ふたつのバスルーム、デン、ゲストルーム。右手にはキッチン、ダイニングルーム、リビングルーム。家の中央にホームオフィスという構造。窓に設置された網戸は壁の中に納まる仕組みで、プリーツ加工が美しい。
「キッチンのカウンターからダイニングテーブル、リビングルームの窓まで一直線に繋がることを意識して建築家が設計した」と説明するウェインバーグ。木製ボウルに果物を入れるアイデアは、日本のインテリア本を参考にしたとか。
裏庭から家の前まで歩ける、ゆるやかな階段。レモンやオレンジの木々などがアーチ状に並び、香りが爽やか。家の前の庭には、各種のハーブを育てている小さな畑も。
落ち着いた色の家具で、よりプライベート感を確保するデン。
①和モダンなキッチン
親日家のウェインバーグが集めた日本製の器やお気に入りのボトルなどがディスプレイされたキッチン。花や植物も添えて清潔感も。スピーカーを設置したのは、音楽好きだからこそ。
②中央にあるオフィス
右側にはダイニングルーム、左側にはデン。様々なアイデアが浮かびそうなホームオフィス。デスクの後ろには、本がびっしり詰まった大きなブックシェルフが。
③コーヒーを楽しむ空間
レザー製ベンチシートに座ってひと息入れるコーナー。「家の中で一番好きなスポットはここ」と話すウェインバーグ。壁にかかった絵はアーティスト“マイク・セイジョー”の作品。この家のために描いてもらったとか。「改装のために庭の大きな木を切らなければならなかったから、その思い出を絵にしてもらった」そう。
④裏庭にある屋外ラウンジ
ダイニングテーブル、ラウンジソファを設置した、屋外ラウンジ。〈ブロミック〉の洒落たヒーターがあるので、冬でも屋外でゆっくり快適に過ごせる。「家の中のリビングルームやダイニングルームのような感覚でいられる」とか。
⑤風が抜けるベッドルーム
窓が左右のベッドサイドにもあるため、ベッドルームは明るい雰囲気。白とベージュで統一して、落ち着く場所に。裏庭の木々や花々の眺めも美しい。ちなみにバスルームには天窓が配され、ベッドルームと同様に明るい光が差し込む。「建築家が天窓で明かりを取るのをすすめてくれた」そう。
⑥都会的な白のクローゼット
ベッドルームのクローゼットとキャビネット。ウォークインクローゼットを壁一面に設置したようなデザインは、本棚と同じく建築家が設計した特注。
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雑誌『Safari』2月号 P53~56掲載
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photo : Kaori Suzuki text : Yoko Fujimoto