【週末は映画が相棒】心が癒される!
誰もが号泣する感動映画5選!
なにかとストレスがたまる世の中。週末に巣ごもり生活を考えているなら、感動映画で心を癒すのもひとつのストレス解消法。ここでは誰もが泣ける傑作映画をご紹介。鑑賞の際には、ハンカチをお忘れなく!
『ビューティフルマインド』
製作年/2001年 原作/シルビア・ネイサー 監督/ロン・ハワード 脚本/アキバ・ゴールズマン 出演/ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー、エド・ハリス
夫婦の絆に涙する!
すべての真理を見つけるという、理想を追い続ける数学者の卵ジョン。名門大学院を卒業した彼は米国防省の暗号解読員として活躍するが、敵国の刺客の影に、つねに怯えていた。そんな彼の救いとなったのが、かつての教え子アリシアの存在。ジョンの不安定な精神状態は、やがて統合失調症と診断され、その病状は日増しに悪化していった。彼の妻となったアリシアは辛抱強く彼を救おうとする。
ノーベル賞を受賞した数学者ジョン・ナッシュの伝記に基づくヒューマンドラマ。周囲には変わり者と見られるだけで、じつは精神を深く病んでいた彼が、妻の献身的なサポートによって快方に向かい、絆の大切さを学んでいく。妻アリシアとは実際には離婚していた時期もあり、映画が史実と異なるとの批判も受けたが、離婚しても彼を見捨てなかったアリシアの献身は事実に基づく。主演を務めたラッセル・クロウはもちろん、アリシア役でアカデミー賞を受賞したジェニファー・コネリーの熱演にも注目。
『スモーク』
製作年/1995年 監督/ウェイン・ワン 脚本/ポール・オースター 出演/ハーベイ・カイテル、ウィリアム・ハート、ストッカード・チャニング
さまざまな人生の物語に心が震える!
舞台は1990年、NY、ブルックリンの下町。独身男オーギーが経営するタバコ屋には、さまざまな人がやってくる。作家のポールもそのひとり。数年前、強盗事件に巻き込まれた妊娠中の妻が亡くなって以来、彼は執筆を進められなくなっていた。そんなある日、黒人の家出少年と知り合ったポールは、その面倒を見ることになり、オーギーに頼み、彼の店で働かせることに。一方、オーギーは昔の恋人と再会したことで、過去と向き合う……。
現代アメリカを代表する作家のひとり、ポール・オースターの短編小説を、彼自身の脚色によって映画化した群像劇。愛する者を求め、失い、笑い、泣いて、なお続く、さまざまな人生の物語は、生活感あふれるダウンタウンの風景に溶け込み、リアルな肌触りをあたえる。悲喜劇が収束した果ての、ラストのクリスマス・ストーリーは、トム・ウェイツの名曲の効果も手伝い、感情を揺さぶらずにおかない。姉妹編『ブルー・イン・ザ・フェイス』とともに、必見!
『チョコレートドーナツ』
製作年/2012年 製作・監督・脚本/トラビス・ファイン 出演/アラン・カミング、ギャレット・ディラハント、アイザック・レイバ
偏見に立ち向かう姿に感動!
1979年、カリフォルニアに住むショーパブのパフォーマー、ルディは隣室の住人であるドラッグ中毒のシングルマザーの息子で、ダウン症の少年マルコを引き取ることに。ゲイの恋人で検事局で働くポールとともに、家族のような愛情に結ばれていく彼ら。しかし、世間の同性愛への風当たりは強く、マルコと引き離されたルディとポールは法廷で争うことを決意。そんなふたりに、さらなる逆風が……。
ゲイの男性が育児放棄された子供を育てた実話にヒントを得て製作された、疑似家族の物語。同性愛者への世間の偏見をリアルに見据えつつ、この逆風に立ち向かうゲイカップルの奔走を描く。彼らと、その“息子”となるダウン症児の強い絆は、胸を引き裂かれるような展開と相まって強烈な後味を残す。ちなみに、主人公ルディを演じた『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』の演技派アラン・カミングは、本作の製作以前に実際に同性婚をしている。
『フィラデルフィア』
製作年/1993年 製作・監督/ジョナサン・デミ 脚本/ロン・ナイスワーナー 出演/トム・ハンクス、デンゼル・ワシントン
考え方も境遇も違う2人の絆にグッとくる!
米フィラデルフィアの法律事務所で働くアンドリューは、ゲイでエイズ患者であることを隠している。そんなある日、仕事のミスを盾に取り、事務所は突然、彼を解雇。その実質的な理由が病気にあることを知ったアンドリューは法廷で争おうとするが、偏見から彼の弁護を引き受ける者はいなかった。同性愛嫌いの黒人弁護士ジョーもそのひとりだったが、やがてアンドリューに共鳴して弁護を務める。そして全米注視の裁判が幕を開けた……。
『羊たちの沈黙』のジョナサン・デミ監督が、トム・ハンクスとデンゼル・ワシントンを迎えて手がけた必見作。同性愛やエイズ患者に対する世間の偏見を告発しながら、ふたりの男の法廷での共闘を描く。考え方も境遇も異なるふたりの間に芽生える友情は、戦いが厳しくなるほどに強くなる。そんな彼らの心の結びつきにグッとくる力作。難病を体現したハンクスは本作でアカデミー主演男優賞を受賞。
『最強のふたり』
製作年/2011年 監督・脚本/エリック・トレダノ、オリビエ・ナカシュ 出演/フランソワ・クリュゼ、オマール・シー、オドレイ・フルーロ
思いやりと友情に心があったまる!
頚髄損傷によりカラダを動かせず、介護を必要とする大富豪フィリップ。その新しい介護人に、は貧困街に住む前科者の移民青年ドリスが選ばれた。盗難を働きかねない者を雇ったことに周囲は反対するが、フィリップは障がいを気にせずズケズケとモノを言うドリスを気に入っていた。ともに過ごす時間の中で、彼らは強い絆で結ばれていく。やがてフィリップは文通相手の女性に心を惹かれるが、障がいに負い目を感じて恋に臆病に。ドリスはそんな彼を励まし、応援するのだが……。
世界中で大ヒットを飛ばし、フランス映画の日本での興行記録を塗り替えた好編。障がい者に対して、人は憐れみの目を向けがちだが、本作のドリスは違う。フィリップが車椅子生活者であろうと、大富豪であろうと遠慮せず、ほかの人間に見せる思いやりと同じような気持ちで接する。そんな目線の対等さに、学ぶべきことは多いのでは? 東京国際映画祭では最高賞のサクラグランプリを受賞。
photo by AFLO