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CULTURE カルチャー

2024.09.28


俳優マ・ドンソク「ハリウッドでのプロジェクトもいくつか進行中です」 【『犯罪都市 PUNISHMENT』インタビュー】



2017年に韓国で公開されて以来、急速に人気を拡大し、日本でもファンの熱烈な支持を受ける『犯罪都市』シリーズ。その第4作『犯罪都市 PUNISHIMENT』が好評を博している。拳ひとつで凶悪犯に立ち向かう刑事マ・ソクトが今回は、違法オンラインカジノを隠れ蓑にする凶暴かつ凶悪なIT犯罪者を追いかける。ソクトの暴れっぷりはこれまで以上に痛快で、アクション・エンタテインメントの王道とも言えるだろう。

とにかく、マ・ソクトは強い。格闘では、まず負けない。怪力で、度胸も満点。ITには弱いが、人情に厚い正義漢。そんな主人公を魅力的に演じるとともに、プロデューサーとしてもシリーズを牽引しているのがマ・ドンソクだ。俳優になる前はボクサーを目指していたが、トレーニングを今も積み重ねて、マ・ソクトの戦闘能力に説得力をあたえてきた。頼もしい存在感を示した『犯罪都市』シリーズの大ヒットにより韓国の国民的な俳優となり、今やハリウッドも熱視線を注ぐ存在。そんなマ・ドンソクに、シリーズ最新作について話を訊いた。

――マ・ソクト役に4度、挑んだわけですが、前作より魅力のあるキャラクターにするためにどんなことを心がけたのでしょう?

「マ・ソクトは前作と同じ人物なので、自分で自分を真似しないよう気をつけながら演じました。前作でうまくいかなかったことはやめ、うまくいったことはそのままにしつつも、それだけを繰り返さないように。マ・ソクトという人物の核を守りながら、経験を重ね、進化していく刑事の姿を見せたかったんです。「”演技とアクションに変化をつけなければ”という強迫観念をなくすと同時に、“そこに安住しよう”とする怠惰な気持ちも捨てなければならない。様々な観点から総合的に考えようと心がけています」
 

 
――マ・ソクトは前作と同じ部下たちを率いていますね。そういう点では、リーダーシップの点での成長が見てとれましたが、彼を中心とした捜査陣のチームワークを面白いものにするために、どんなことを話し合ったのでしょう?

「シナリオを作る段階から私も加わっているので、マ・ソクトだけでなく、他のキャラクターの魅力がうまく伝わるように議論しながら作品を作っています。部下のペク・チャンギを演じたキム・ムヨルはすでに様々な能力を備えた俳優だったので、シナリオ段階からその魅力がよりよく見えるように考えましたし、本人もうまく演じてくれました」

――プロデューサーとして、過去3作とはどんな違いを出そうと心がけたのですか?

「毎回、映画の中で扱う事件に沿ってそれに合うドラマやキャラクターを作ります。そうすれば、自然によい変化が生まれるからです。マ・ソクトというキャラクターや私たちが追求しようとする強烈でリアルなアクションを、毎回違った形で見せるのは簡単なことではありません。軽快なストーリーだった第3作の『犯罪都市NO WAY OUT』(2023年)とは異なり、今回は事件が変わり、映画の中に流れる感情も重くなりました。アクションの面では、前作で見せたような連打をなくし、パワーを前面に押し出したボクシング・アクションを中心に見せようとしました。基本的にドラマとアクションがうまく噛み合うようにするのが、最も大事なところです」

――今回の敵であるペク・チャンギの暴走を、マ・ソクトの行動と並行して描き、最終的にこのふたりが対決する···…というストーリーの流れが見事でした。

「まさにその流れを作り出すことがこの映画の核心でした。シナリオの段階からその流れを作るために努力しましたし、撮影や編集をしながらも、その流れはつねに頭にあり、そのためにスタッフと話し合い、考え、知恵を絞りました」
 
 
――ペク・チャンギ役のキム・ムヨルとは『悪人伝』以来の共演ですね。起用の理由について教えてください。

「今回の悪役であるペク・チャンギは、アクション自体の難易度が高いキャラクターです。危険で高いレベルが要求されるので、運動能力にすぐれ、経験があり、カラダの使い方がわかっている人が演じなければならないと思いました。そこでキム・ムヨルさんを思い出した。演技もすばらしく、人柄もいいので『悪人伝』だけでなく、是非もう一度、作品を一緒にやりたいと思っていました。再び会えて本当によかったし、思った通りにうまく呼吸も合いました」

――キム・ムヨルと演じた、クライマックスの旅客機内でのファイトはアクションの最大の見せ場ですが、狭い場所での肉弾戦をどのようにつくっていったのでしょう?

「空間に制約があったので、カメラワークによるトリックはほとんど不可能でした。そのため、アクションのリアリティに気を遣いました。もっとも大事だったのは、そこまで積み上げてきたドラマを、この場面で爆発的な力で見せることです。ホ・ミョンヘン監督は、アクションデザインのうまいベテランですから、短いアクションシーンの中でもストーリーを作り出すことができます。その中でペク・チャンギならではの技術的な部分やマ・ソクトのボクシング・アクションが目立つように、調整していきました」

――『犯罪都市』シリーズは、すでに8作目まで構想が練られていると聞いています。今後マ・ソクトは、どんな変化を見せるのでしょう?

「マ・ソクトは少しずつベテランになっています。これから昇進をする可能性もあるし、あるいはアクシデントが起きて閑職に飛ばされることも起こりうる。また、大きな事件を担当し、怪我をする可能性もある。戦闘能力が制限されたような状況を克服するなど、彼の状況のバリエーションをこれまでたくさん考えてきました。そのような姿を、これから作っていくシリーズでたくさんお見せできると思います」

――『エターナルズ』(2020)に続くハリウッド映画への出演予定はありますか?

「具体的に明らかにすることはできませんが、ハリウッドでのプロジェクトもいくつか進行中です。間もなく撮影に入る作品もあります。発表できる時点になったら、明らかにしますね」

『犯罪都市 PUNISHMENT』9月27日より公開中
企画・脚本・出演/マ・ドンソク 監督/ホ・ミョンヘン 脚本/オ・サンホ、キム・ヒョンソク 出演/キム・ムヨル、パク・ジファン、イ・ドンフィ、イ・ボムス 配給/ハピネットファントム・スタジオ
2024年/韓国/上映時間109分

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取材・文=相馬学 text:Manabu Souma
(C) 2024 ABO Entertainment Co.,Ltd. & BIGPUNCH PICTURES & HONG FILM & B.A.ENTERTAINMENT CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED.
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