欧州No.1の隠れた名車! 〈プジョー〉208
生活にスタイルを求める『Safari Online』読者諸兄のことだから、きっと“好きなモノの傾向”にだって、ズバッと芯が通っている人も多いと思う。たとえばクルマだったら「買うならやっぱ欧州モノ!」とか、「アメ車最高!」とか。だけど、そんな“ショッピングリスト”に、フランス車を入れている人はどれくらいいるだろうか? グルメやファッションならいざ知らず、クルマとなったら、フランス製は日本じゃまだ“スキモノのクルマ”、な〜んてイメージも根強いのでは?
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しかし、実は今、欧州で大人気なのはまさにフランス車なのだ。なかでも〈プジョー〉208は2021年2月の欧州(27の国と地域)新車販売で、No.1を獲得したとのニュースが。そう、実はこの208、自動車業界でも評価の高い、隠れた(日本では特に)名車! クルマ自体の出来のよさと流行に敏感なみなさんにこそ、是非注目してもらいたい1台なのだ。
〈プジョー〉はライオンのロゴマークを持つ、フランスの自動車メーカーだ。ごく最近まで、ほかに〈DS〉〈シトロエン〉と、3ブランドを抱えるPSAグループの1ブランドだったが、2021年1月から〈フィアット〉や〈クライスラー〉、〈アバルト〉を擁するFCAグループと合併。ステランティス N.V.の一員となったことは記憶に新しい。
しかし、グループがどうあれ、実は最近(厳密にいえば現行〈シトロエン〉C3の発売くらいから)PSAグループのクルマの出来は凄まじくよかった。
〈DS〉はラグジュアリーに、〈シトロエン〉はポップなアクティブさをアピール。そして〈プジョー〉はしなやかなスポーティさを誇る。それぞれの個性が商品にしっかりと生かされ、たとえ目隠しをして乗ってもなお違いがわかるくらい。それほどまでに明確なキャラ分けがなされ、さらにどれもが運転する楽しさを存分に味わえるという具合だったのだ。
なかでもやはり、〈プジョー〉といえばコンパクトハッチバックのイメージどおり、ブランドを代表するパッケージである208は、渾身の出来だ。設計段階からBEV(バッテリーEV)をも見越されていただけに(そしてすでにこの208のEVバージョンは日本でもローンチ済だから、別の機会に記事にしたい)、プラットフォームの完成度は異様に高い。つまり重いバッテリーにも耐えられる、頑丈な車台で走りの基礎体力を支えるのだ。
パワートレーンは内燃機関モデルの全グレード共通で1.2ℓ直3ターボ。100ps/ 205Nmを発揮するものだ。数字だけ見ると「ん、100PS?」と、もの足りなさを感じる人もいるだろうが、いやいやどうして。これが諸元以上のガッツリトルクなのだ。縁の下の力持ちは8速ATの滑らかさ。この賢いATによって、1.2ℓエンジンでもスカスカ感のない、みっちりと密度の高い加速を楽しめるから、安心してほしい。
筆者が試乗したシーンは高速道路~ワインディング。どのシーンでも、この208は見た目の3割増しでパワフル&トルキー。
目の肥えた欧州で認められた、ピリリと辛い小粒のハイファッションなフレンチテイストを、是非体験してみて!
★DATA 〈プジョー〉208
●全長×全幅×全高:4095×1745×1465mm
●車両重量:1160kg
●ホイールベース:2540mm
●エンジン:1.2ℓ直列3気筒DOHCターボチャージャー付き
●最高出力:74kW(100PS)/5500rpm
●最大トルク:205Nm/1750rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:前輪駆動
●税込み価格:249万9000円~
●プジョーコール
TEL:0120-840-240