パンダという選択肢を忘れてない?〈フィアット〉パンダ
いよいよ秋の行楽シーズン到来! 澄んだ空気にあざやかな紅葉が映えて、どこを見渡しても見目麗しいことこのうえなし。さらにこの時期は海にも山にも美味しいものが盛りだくさん。ときたら、クルマでお出かけしなきゃソンな気すらしてこない? 景色のきれいなこの時期だから、できれば古いロードムービーみたいに、のんびり、ゆ〜ったりできるような、癒し系の相棒を選びたいところ。だったら、とっておきのクルマがある。〈フィアット〉パンダだ。
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パンダ、というネーミングだけでも十分笑顔になれちゃいそうなハッピームードを醸し出しているこのクルマ。実物=ルックスも“丸四角”を多用した、なんともいえない“ゆるかわいさ”を持っているから期待を裏切らない。
1980年に誕生したパンダは、ラテン車らしく(?)モデルチェンジが超スローペース。現行モデルは2011年に本国発表され、日本には2013年に導入された3代目。つまり、熟成も充分というワケ。しかし、モデルチェンジこそ行われないものの、工夫をこらした限定車がたびたび出てくるなど、なかなかにアクティブな販売戦略を取っているから注目してほしい。
ちなみに、この夏80台限定で発売されていたのは、“4×4 Succosa(スコーサ)”という、四駆×6速MTに0.9ℓ直2ターボを組み合わせたモノ! 通常のパンダは5速シーケンシャルトランスミッション、いわゆるセミATと言われる機構にFFレイアウトとなるから、もうパワトレ追加といってもいいような、大胆な限定車だったのだ。
写真はともにパンダ4×4 スコーサ
85psという、まったりした最高出力を四駆×MTで走らせるのも、きっと、メチャクチャ楽しそう。ちょっと昔のラリーレイド的な冒険感を楽しめるんじゃないかな? しかし、通常レイアウトの5速セミAT×FFもなかなかなもの。実はほかのクルマにない、独特のフィールを持っているのだ。
まず、サスペンションが異様に“しなる”! これによって、フランス車よりも粘っこい、なかなかに中毒性の高いコーナリングにヤミツキ必至。そして、クリープがなく、ギアチェンジのたびに“ぎっこん、ばったん”と揺り返すセミATならではのシフトショックのアナログさには、まるで小舟で波間を越えてゆくような、ゆらぎにも似たリラグゼーション効果があるんだから。むろん、0.9ℓターボだからこそ、大排気量エンジンにはない、“スペック全部を使って踏み倒して楽しむ”な〜んていう楽しさだって残されている。
決して豪華ではないけど、どこかピリっとスパイスの効いたお洒落なこの大衆車。インパクト狙いの“もう1台”にも、本気のメインカーにもなる、意外に守備範囲の広いクルマなのだ。
★DATA〈フィアット〉パンダ Easy
●全長×全幅×全高:3655×1645×1550mm
●車両重量:1070kg
●ホイールベース:2300mm
●エンジン:0.9ℓ直列2気筒8バルブ マルチエアインタークーラー付きターボ
●最高出力:63kW(85PS)/5500rpm
●最大トルク:145Nm(14.8kgm)/1900rpm
●トランスミッション:ATモード付き5速シーケンシャル
●駆動方式:前輪駆動
●税込み価格:224万円
●CIAO FIAT
TEL:0120-404-053