〈ニッサン〉GT-R
最近にわかに、〈ニッサン〉のフラッグシップ・スポーツカー、GT-Rがアツいと思いません? たとえば突如降臨したテニス界の、いや、世界をも熱狂の渦に巻きこんだスポーツ界のニューヒロイン、大坂なおみ選手。
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全米オープンでの快挙わずか数日後に発表された、〈ニッサン〉とのブランドアンバサダー契約にも驚かされたけれど、サプライズはむしろそのあと。ピュアEVのリーフが彼女への献上品として用意されたステージ上で、大坂選手はまさかの「GT-Rが好き」発言。しかも「白がいい」とボディカラーの指定まで! 出席した役員から「わかりました、用意しましょう」とその場で貸与が決定。近く、彼女がGT-Rをドライブする日が来るかもしれない。
さらに最近でいえば、お値段約9200万円から(!)の“GT-R 50 by イタルデザイン”が発表されたのも記憶に新しい。GT-Rがまさかのイタリアン・カーデザイン界の重鎮とコラボレーション⁉ これにも世界が驚いた。
このクルマは、GT-Rが2019年に、そしてイタルデザイン社が2018年にそれぞれ生誕50周年を迎えることを記念してローンチされる、生産台数50台以下の限定モデル。購入者は、すでにお披露目されているプロトタイプをベースに、自分好みにカスタマイズが可能なのだという。よって“約9200万円(90万ユーロ)以上”というクルマが、ユーザーの選択肢によっては、さらに高額なモデルへと膨らむ可能性を示している。
「う〜ん、なんだかとっても気になって来た!」な~んていうアナタ! ではさっそく、今改めて注目を集めるGT-Rを再検証。いったい、どんなクルマなの?
現行型のGT-Rは、それまで“スカイラインGT-R”として存在していたワングレードから、スピンオフするかたちで2007年に登場したハッチバック型スポーツクーペ。R35(アールサンゴー)と、愛をこめて型式で呼ばれることもあるほど、熱狂的なファンを持つ。
毎年のように細かなブラッシュアップが行なわれている同車だが、2017年モデルでは2007年の発売以来、最も大きな変更(ビッグマイナーチェンジ)を受けた。その変更箇所は多岐にわたる。内外装はもちろんのこと、パワートレーン、車体、サスペンション、また吸音・遮音分野にまで手を加えられた。結果、どうなったか? もんのすご〜っく、乗りやすくなったのだ。
V6 3.8ℓツインターボエンジンは、いまや570psを発生させるまでに進化。スペックだけを見れば、その刃はさらに研ぎ澄まされて、さらに尖ったかのように見受けられる。しかし、今のGT-Rはむしろ、登場してすぐの頃のそれよりも、ある意味でスポイルされたかのようだと言ってもいい。もちろんよい意味で、だ。いや、誤解のないように言っておくと、硬く締まったサスペンションや獰猛なパワーを生むエンジンはむろん健在だし、このままサーキットに持ちこんだって、レーシングカーそのままのキレた走りを楽しむことが可能なことに変わりはない。
しかし、その“硬く締まったアシ”は、一般道において(つまり速度に応じて)至極素直に、路面からの入力をいなすようになった。
四輪駆動のGT-Rは、リアにマルチリンクのサスペンションを採用しているのだが、これがよい仕事をしているのが理由だと感じる。
それから、ノーマルモードでは飛び出すようなトルクも抑えられ、ドライバーアンダーコントロールで操作できるのも心地よい。
つまり、ある意味、過敏なまでにレーシングカーライクだったそれまでのモデルよりも、もう少し大人のエレガンスを手に入れた感じ、それが今のGT-R。
コレなら息詰まる試合を終えた大坂なおみ選手を、優しくも激しくも受け止めてくれること間違いなし!?
★DATA〈ニッサン〉GT-R ピュアエディション
●全長×全幅×全高:4710×1895×1370mm
●ホイールベース:2780mm
●車両重量:1760kg
●エンジン:3.8ℓV6 DOHC+ツインターボ
●最高出力:419kW(570PS)/6800rpm
●最大トルク:637Nm(65.0kgm)/3300~5800rpm
●トランスミッション:GR6型デュアルクラッチ
●駆動方式:4WD
●税込み価格:1023万840円
●日産自動車お客さま相談室
TEL:0120-315-232
URL:http://www.nissan.co.jp