独自路線がいい! 〈ランボルギーニ〉ウルス
スーパースポーツカーメーカーが手掛けるSUVは、発表当時こそ強い反発があったものの、結果は諸兄もご存知のとおり。もはやオーダー待ちの行列が途切れない、大人気セグメントとなっている。世代を追うごとにハイパフォーマンス版を次々繰り出すコチラも例に漏れずにそう。で、改めて試乗してみたら、そりゃ人気にも納得。だって、まごうかたなきスポーツパフォーマンスに、豊かな居住空間がくっついてくるんだから! 〈ランボルギーニ〉ウルスだ。
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登場は2017年で、日本上陸は2018年のこと。現在では、ウルスSとウルス ペルフォルマンテの2タイプが展開されている。
SUVになっても〈ランボルギーニ〉らしさを破綻させない、独自路線を貫くカーデザインがまず、目を引く。パキパキとした独特の直線を多用したエクステリアは、スポーツモデルと同じく、ウインドウエリアから下を2/3、その上を1/3の、黄金比を継承しているのでバランスがいい。細く鋭いライト、大きなエアインテークに、大胆でありながら繊細な手法を用いたエアロパーツ形状も、高級車であることをディテールで匂わせる演出が巧みだ。大径ホイールの、あけすけなまでのスポークの細さも、ホイール自体の素材のよさを強くアピールする。
写真はすべてウルスS
個人的にはリアデザインのシャープさが好み。ヘッドライトと同じく、リアライトにもYの字をモチーフとしたデザインが採用されていて、その下には大げさなまでのディフューザーが施される。左右に配されたデュアルエギゾーストパイプが実に凛々しい。見どころ満載、クルマの周りをぐるっとまわるだけでも口元が緩みそうな迫力は、代役不在、唯一無二の魅力なのだ。
写真はすべてウルスS
インテリアも例に漏れない。いや、むしろインテリアのほうがほかのモデルとの共通点を多く見つけられるかもしれない。まるでなんらかの儀式なのかと思わせるような、“真紅のフラップを開けて押す”という、余計なひと手間を喜ばずにいられないスタータースイッチや、その左右に振り分けられた、おなじみイタリア語の走行モードレバー、それに車高調整のレバーは、まるで戦闘機のよう(乗ったことはないけど!)。それらが置かれたセンターコンソールまわりは、近代のクルマがスイッチを排除してどんどんミニマル化して行く中、どこ吹く風と物理ポタンを多用させる、超アナログ路線が楽しいのだ。そうそう、所有している間、一生押さないようなボタンがあったとて「かっこよければ、むしろOKなんだよな」と舌なめずりをしてしまうような感覚を思い出す。
そしていったん、エンジンに火を入れたが最後。その咆哮や背中を蹴られるような鋭い加速、がっちりとフラットなサスペンションなど、これが初の〈ランボルギーニ〉となる人でも「これか!」とその歴史や美学、クルマづくりを一瞬で腹落ちさせられる、強烈な個性に満ちている。
ツインターボ付き4ℓV8エンジンの、666CV/850Nm(ウルスS)という数字はまんま、ドライバーへのよきサプライズになるだろう。このアクセルペダルこそ、ベタ踏みするようなことは一生ないんだろうなぁと、嬉しい残念を噛みしめながら。
★DATA 〈ランボルギーニ〉ウルスS
●全長×全幅×全高:5112×2018×1638㎜
●車両重量:2197㎏
●ホイールベース:3003㎜
●エンジン:4.0ℓV型8気筒ツインターボ
●最高出力:490kW(666CV)/6000rpm
●最大トルク:850N・m/2300~4500rpm
●トランスミッション:8速オートマティック
●駆動方式:四輪駆動
●税込み価格:3200万339円
●ランボルギーニ カスタマーサービスセンター
TEL:0120-988-889
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