そのデザインに既視感ナシ! 〈トヨタ〉クラウン クロスオーバー
「ダンゼン輸入車派!」という『Safari Online』読者諸兄は多かれど、「このクルマだけはちょっと気になっている」という声も聞こえてきそう。実はこのクルマの記者発表翌日、実車が突如、六本木ヒルズ前に展示された。まさにたまたま(!)その場を通りかかった筆者だったが、クルマの周囲には近寄れないほどの人だかり! むろん六本木ヒルズという地の特性も多いにあろうが、オーディエンスには圧倒的に若い人々が多かったのが印象的だった。多少うがった見方をしたにせよ、今回のデザインは「その名を知らない人にも強く響いている」と考えていいのかも。〈トヨタ〉新型クラウン クロスオーバーだ。
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実は一部海外にも輸出されていたこれまでのクラウンだが、新型からは北米などに向けても展開される、本格的なグローバルモデルになることがアナウンスされている。これからローンチ記念イベントなども現地で行われるというが、SNSなどを見ると、ハイブリッドのみで構成される今回のクラウンを、北米では概ね好意的に受け止めているようだ。その大きな魅力のひとつがデザインだという。
まず市場に導入されるのは、クーペSUVテイストのクロスオーバーだ。新型クラウンはスポーツ(ハッチバック)、セダン、エステート(ワゴン)と、4車種のボディタイプラインナップを、来年にかけて徐々に完成させていく。その第1弾となるのが今回ご紹介するクロスオーバーというわけ。
う〜ん、明らかに攻めている。歴代のクラウンをよく知る人ならなおのことだけれど、クルマのことをよく知らない人にも驚きを与えるようなデザインになっているのは、冒頭の六本木ヒルズでも実感した次第。とにかく既視感がない。
コミュニケーションカラーになっているのは、カッパーのようなブロンズカラーと艶ブラックのバイカラー。この色の切り替えがまず大胆で、専門家的にはライトまわりのボディ形成などの難易度の高さに、市販車に踏み切った〈トヨタ〉の覚悟を強く感じてしまう。
美しいのはサイドビューで、ウインドウまわりの伸びやかなラインと21インチタイヤ(!)の踏ん張り感が、工業製品としての品格を強く漂わせているように思える。リアエンドのクーペラインの収束も見事。「こんなのクラウンじゃない、だけどすごくいい!」と、ヘリテージを大胆に覆したあざやかな手法に、拍手すら送りたくなる。
対して意外だったのは、圧倒的シンプルに作り込まれたインテリアだ。とかく新型モデルには華美なインテリアを与える流行に対して、クラウンはあえてこちらも大胆な引き算を行った。チーフデザイナーは「もし、もの足りないと思っていただけたら、それは我々の思うとおりなんです」と頷いた。時代がミニマルを求めるのだから、クラウンも使いやすくシンプルに。そう進むことで新たな“上質”を提案したかったという。実際に乗ってみると、直感的に運転に意識が自然と向かう。実に快適だった。
試乗したのは2.5ℓのリダクション機能付きハイブリッド。今後注目のパワーブースト付き2.4ℓハイブリッドが出てきて、これこそが“本命”ではあるのだが、この2.5ℓも伊達じゃない。圧倒的静粛性とフワフワかつしっとりの新感覚ライド感。21インチの存在感をいい意味で感じないハンドリングに驚いた。新時代クラウンの味、是非体験してみて!
★DATA 〈トヨタ〉クラウン クロスオーバー G“アドバンスド レザーパッケージ”
●全長×全幅×全高:4930×1840×1540m
●車両重量:1790kg
●ホイールベース:2850mm
●エンジン:2.5ℓ直列4気筒ターボ
●エンジン最高出力:137kW(186PS)/6000rpm
●エンジン最大トルク:221N・m(22.5kgf・m)/3600~5200rpm
●フロントモーター最高出力:88kW(119.6PS)
●フロントモーター最大トルク:202N・m(20.6kgf・m)
●リアモーター最高出力:40kW(54.4PS)
●リアモーター最大トルク:121N・m(12.3kgf・m)
●トランスミッション:電気式無段変速
●駆動方式:四輪駆動
●税込み価格:570万円
●トヨタ自動車 お客様相談センター
TEL:0800-700-7700
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