気になる最高級グレード“X”!〈ランドローバー〉ディフェンダー110 X D300
華麗なる復活を遂げた……、な〜んてクルマは世に多くあるけれど、なかでもコチラはその成功パターンの最たるモデルではないかと思う。〈ランドローバー〉ディフェンダーだ。
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本格派クロスカントリーでありながら、日本でも扱いやすそうなサイズ感。加えて、先代までのヘリテージを踏襲しつつ、きっちりと先進的でもあるデザインに。さらにドアを開けた瞬間に現れる、ハッとさせるほどのラグジュアリーさ。正直、一回試乗してしまえば、もう「気に入るしかない」っていうくらいに心を鷲掴みする演出に満ちている。その証拠に、出るなり日本でも大人気になったってこと、クルマニアなら周知の事実だ。
そ~んな人気を受けて、2020年の導入当初はガソリンエンジンの110だけだったディフェンダーも、いまやショートバージョンの90、さらにパワートレイン追加と、バリエーションを増やしている。で、今回ご紹介したいのは、リッチなロングバージョンの110に人気のディーゼルエンジンが搭載された、ディフェンダー110 X D300だ 。
※写真はディフェンダーX トロフィーエディション
最上級グレード“X”だからこそ叶えられたゴージャスな内装や美しいインターフェイスなど、注目点は多々ある。しかし、なによりもハッと息を呑むのは、そのシルキーすぎるエンジンのなめらかな吹け上がり! そう、断然“踏み心地”が最高なのが、このD300の魅力なのだ。
搭載されるのは3ℓの直6ディーゼルターボエンジン。諸元は最高出力300PS、最大トルク650Nm。そして、このなめらかかつ鋭い加速で体験できる豊かなトルク&パワーの立役者として、組み合わされた48Vマイルドハイブリッドシステムの恩恵は大きい。
試乗シーンは低速から中~高速を体感できるクローズドコースだったが、街乗りスピードに達する前の、いわゆるパーキングスピードの頃からその質感の高さは卓越している。とにかく静かで、とにかくフラット。揺れないのだ。それは「え? これってほんとにディーゼル?」なんて具合。むろん、いまやプレミアムブランドのディーゼルエンジンは、どれもかなりフラットだしどれもかなりサイレントではあるけれど、ディフェンダーのコレは、フラットさという意味では抜きん出ているような気がする。
さらに、クルーズ状態になると……、いや、正確にはそのクルーズ状態に入る前、加速が乗りはじめたあたりから、この6気筒ディーゼルは、醍醐味を存分に発揮しはじめる。そう、直6だからこその深~いトルクの泉がこんこんと湧き出てくるのだ。シームレスで繊細な感じ、ちょっと“オフローダー”の域を超えている。都会でこそ乗りたいオフローダー、な~んていうとちょっと語弊があるかもだけど、都会を味わい尽くせる味にもあふれているのは間違いない。
むろん〈レンジローバー〉らしい悪路走破性も、性能的にはぬかりはない。だけれど、それでもあえてもう一度言おう。一生オフロード性能を試すシーンに行かなくても、それでよいと思えるほどの走りを提供してくれる稀有なオフローダーとは、まさにコレのことかもしれない。
★DATA 〈ランドローバー〉ディフェンダー110 X D300
●全長×全幅×全高:4945×1995×1970mm
●車両重量:2420kg
●ホイールベース:3020mm
●エンジン:3.0ℓ直列6気筒DOHCターボ
●最高出力:221kW(300PS)/4000rpm
●最大トルク:650N・m(66.3kgf・m)/1500~2500rpm
●トランスミッション:8速オートマチック
●駆動方式:四輪駆動
●税込み価格:1197万円