光を巧みに取り入れた自然と繋がった家!
LA郊外サン・フェルナンド・バレーの南端に位置するシャーマン・オークス。高級住宅地ベルエアに隣接しているせいか、セレブ出没率が高め。ここに絶景を享受する家を自ら建てた建築家が住む。その個性あふれる邸宅を見てみよう。
- SERIES:
- 西海岸リビング&インテリア! vol.24
Sherman Oaks
カリフォルニア州ロサンゼルス シャーマン・オークス
owner
クリス・マカラ
建築家
2階フロアから階段を下りると、山と庭の木々を眺めながら食事が楽しめるダイニングルームへ。ベンチ型の椅子は家主が庭の木を使って手作りしたもの。右側の天井には大きな天窓を取り付けて、自然光が差し込む設計に。
街と山を堪能する家!
パティオの屋根を丸くくり抜いたデザインが斬新。公立公園“フォッシル・リッジ・パーク”に面し、自然を享受できるのがお気に入り。
クリス・マカラ[Chris McCullough]
1974年カナダのオンタリオ州ストラトフォード生まれ。24年前にLAに移住。
建築家の妻ペギー・スーと建築事務所〈スー・マカラ〉を共同経営する建築家。
1998年に大阪に住んだ経験も。
LA郊外でセレブをよく見かける街といえば、盆地にあるシャーマン・オークス。丘の上に裕福な人々が住み、丘の下に洒落たレストランやショップが立ち並ぶ。自然と街の両方が贅沢に楽しめるエリアだ。ここに建築家の妻と共同で家を建てた建築家クリス・マカラが暮らす。「プライバシーが守られて、街並みの眺めがいい丘の上の土地を探していて見つけた場所。これ以上開発できない自然保護地区のため、自然も味わえるから」と、移り住んだ理由を話す。
建築テーマは、自然光の移ろいを計算し、外と内の境界をなくし、自然の恵みを生かした造りの家。外装の木の柵や家の中の天窓で自然光の変化を取り入れ、木や石などの自然の素材を床や壁に用いている。また、インテリアは素材や色や光沢を重視しつつ、好きなものを収集。棚に並ぶレコードの数は1万枚。CDやカセットテープのコレクションも圧巻で、それをミュージシャンの顔や歌詞を表現したアートとしても楽しんでいる。サイドテーブルやベンチやCDラックなどの家具も、彼が作ったオリジナルだ。
あなたにとって家とは? と聞くと「自然と繋がっていて安らぎがあり、大都会のフラストレーションから逃避できる避難場所。この家は、それらの条件がすべて満たされている」と答える。自然やアートや音楽など、彼の愛するものがつまった家だからこそ楽しく暮らせて、人々が感動する建築物を造れるのだろう。
邸宅データ
●敷地面積:0.2エーカー(約253坪)
●家の面積:3099平方フィート(約87坪)
●家の値段:400万ドル(1ドル150円換算で約6億円)
●部屋数:10部屋(4寝室含む。バスルームは3室)。2階建て
●築年:2019年
●建築家:クリス・マカラ、Peggy Hsu(ペギー・スー)
●家族構成:妻と2人。ペットは犬1匹
可動式窓を全開にすると外と内が繋がる、開放的なリビングルーム。大量のレコードのコレクションが壮観。暖炉の手前上から〈ソニー〉のテレビ画面が出てくる仕様。ピンク色のベルベット製ソファは〈アンソロポロジー〉。奥にある木とスチール製サイドテーブルはマカラの自作で、庭の木で作ったとか。
キッチンからホームオフィスへ向かう廊下。壁に配したのは、マカラがカセットテープケース700個でジョン・レノンの歌詞を記した作品。右側の壁には洗濯機と乾燥機を収めた隠れキャビネットが。天窓からの採光が美しい。
マカラ作CD棚と妻ペギー作の絵画で、手作りの温かみがあるゲスト用寝室。〈イケア〉で購入したベッドとブラック・スレートの床の色を合わせてシックに。
キッチンの左横には〈フィッシャー・アンド・パイケル〉の冷蔵庫と冷凍庫を収納したキャビネットが。中央のアイランドは食事もできて便利。
①音楽鑑賞するバー
音楽好きにはたまらない、ターンテーブル付きリスニングバーとダイニングルーム。壁にかかったミニディスクで作ったアート作品はマカラ作。あるミュージシャンをトリビュートしたそう。
②光が注ぐバスルーム
正面の窓と右上の採光窓で明るいバスルーム。壁には珍しいワインカラーの大理石“カラカッタ・ヴィオラ”を採用。バスタブは〈シグネチャー・ハードウエア〉。ちなみに別室のトイレは、お気に入りの〈トートー〉。
③静寂な和風の玄関
マカラが好きな建築構造、ブライズ・ソレイユという建築技術を用いた木の柵。「日よけで建物内の熱上昇を抑える建築テクニック。玄関とキッチンに入る自然光の変化が美しい」とか。親日家ならではの日本風の池も配置して落ち着きを。
④遊び心ある読書室
ベッドルームの裏のフロアに本棚とベンチシートを設けて造った読書室。本棚と、壁にカラフルなカセットテープを用いた自作の芸術作品で、クリエイティブな雰囲気に。
⑤創造的な廊下
ホームオフィスと建築事務所のオフィスに面した廊下の壁には、マカラが作ったアート作品をディスプレイ。ヒーターの部品とワイヤーのキャップで世界地図を作ったそう。ゆかりのあるトロントや台湾などを、赤いキャップで印したのがユニーク。犬の絵はマルセロ・ロシャ作。
⑥眺めのよい寝室
山と街並みの圧倒的な眺めが魅力的なベッドルーム。ベッドは〈マッシュ・ストゥーディオズ〉、サイドテーブルはヴィンテージ家具をマカラがリメイク。青いコンフォーターは〈ラルフ ローレン〉。
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雑誌『Safari』5月号 P49〜52掲載
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photo : Toshi Sakurai text : Yoko Fujimoto