3つ星シェフ・小林圭×〈とらや〉のレストラン〈エスプリ・セー・ケイ・ギンザ〉は“美食の研究所”!
誰もが憧れるディナーのシチュエーションといえば、銀座での美食。フランス版ミシュランガイドでアジア人初の3つ星シェフになった小林圭さんと、5世紀にもわたる歴史を歩んできた和菓子屋〈とらや〉が、2024年4月20日銀座に〈エスプリ・セー・ケイ・ギンザ(ESPRIT C. KEI GINZA)〉をオープンした。
店名に入れられた“C”は、“キュイジーヌ(cuisine)”=“料理・厨房”、“クレアシオン(creation)”=“創造性”を表現。レストラン中央に構えたダイナミックなオープンキッチンや銀座を見下ろす夜景が大人のムードを醸成している。上質な“銀座の美食”でありながらも、アラカルトで気軽に好きなものを注文するという、肩肘張らないスタイルだ。
レストランの中央には、ダイナミックなオープンキッチンが
フランス料理の域を超え、なににもとらわれず、自由な発想で、美食の革新を追求するレストラン=“美食の研究所”をつくりたい、そんな小林さんの想いを体現させた。シェフを務めるのは、ヨーロッパでも研鑽を積んだ杉本昌久さん。小林さんと和菓子屋〈とらや〉が2021年にオープンした最初のレストラン〈メゾンケイ(Maison KEI)〉ではスーシェフを務め、パリにある小林さんの〈レストラン ケイ(Restaurant KEI)〉でも研修した、小林さんからの信任が厚い料理人だ。
ここで是非とも味わっておきたいのが、メインディッシュの炭火焼だ。
“太田家 但馬太田牛A5 炭火焼き Sirloin サーロイン 100g”1万円
“太田家 但馬太田牛A5 炭火焼き Sirloin サーロイン 100g”は、自社経営の“太田牧場”を営み、数多くのアワードを受賞する、神戸市兵庫区の〈太田家〉が手掛けた太田牛が主役となっている。上質な脂がたっぷりの太田牛は、サーロインともなると、その佳味や口溶け感が半端なく、ふくいくたる和牛香が広がる。炭火焼きされて薫香をまとっているから、余計に食欲がかきたてられるのだ! 焼き上がると、テーブルまで運んできて見せてくれるのが嬉しい。
“京都七谷赤地鶏 炭火焼き”5200円
牛肉以外で体験しておきたい炭火焼は、“京都七谷赤地鶏 炭火焼き”。七谷赤地鶏は、肥育期間が長く、適度に運動しているので、肉質は弾力があって非常にジューシー。皮がパリパリに焼き上げられていて、身は肉汁にあふれていて旨味に満ちている。そのほか、“岩手 石黒農場のホロホロ鳥 炭火焼き”などもラインナップ。
コンディモン(調味料)は、鶏の出汁からとったジュドヴォライユや仔牛の出汁からとったジュドヴォー、もしくは生山葵、柚子胡椒、おろしポン酢の薬味セットをチョイスできるから、好みで選んで。
“アメーラトマトのサラダ アーモンドミルクとバジル”1900円
“アメーラトマトのサラダ アーモンドミルクとバジル”は人気のある前菜。甘いアメーラトマトになめらかなアーモンドミルクのエスプーマが合わせられ、仕上げにバジルグラニテがかけられる。すべてを混ぜてから食べるとより美味しくなり、カプレーゼともまた違う、さらにフレッシュな新しい食味。
“最中 キャビア 毛蟹 グリビッシュ”6500円
“KEI”が刻印された最中を用いた“最中 キャビア 毛蟹 グリビッシュ”6500円も、シグネチャーの一品。蟹味噌を使ったバター、ほぐした毛蟹の身、ほうれん草のグリビッシュソース、圭シェフの名前を冠した“キャビアリ クリスタル ケイ セレクション”のキャビア、花穂紫蘇、金箔が大胆にサンドされている。塩味と酸味、バターの香りと磯の滋味が一体となり、素晴らしい風味が広がるのだ。
“ラングスティーヌのラビオリ ソースクリュスタッセ”3500円
温菜は“ラングスティーヌのラビオリ ソースクリュスタッセ”がイチオシ。滋味と力強さのあるラングスティーヌ(アカザエビの身)をラビオリで包み込んだ。バジルの泡、セルフィーユの新芽のフレッシュ感がいい。ラングスティーヌを用いた濃厚な甲殻類のソースがラビオリによくからむ。
“最中 キャラメルアイスクリームとヌガティーヌ”1200円
〈とらや〉の餡をつかったデザートが“最中 キャラメルアイスクリームとヌガティーヌ”。キャラメルアイス、あんこのソース、ヌガーが挟まれていて、なかなかのボリューム感。餡の濃厚な俊味が、キャラメルやヌガーの苦味とよいコントラスト。様々な食感が折り重なり、キャラメル香が心地よく鼻を抜ける。
シェフソムリエを務める中島一希さんのもと、ワインも充実。フランスを中心に780種類4500本が取り揃えられているから驚きだ。
左:“ローラン・ペリエ ラ・キュヴェ”3600円 中:“ドメーヌ・ラリュー シャサーニュ・モンラッシェ 2020”5400円 右:“シャトー・ピション・ロングヴィル レ・トゥーレル・ド・ロングヴィル 1998”4300円
ファーストドリンクのシャンパーニュは“ローラン・ペリエ ラ・キュヴェ”。フレッシュさとエレガントさ、バランスよさを兼ね揃えたシャンパーニュで、柑橘類と白い花の香りがほどよくからむ。前菜から肉料理まで通してもいい1本だ。“ドメーヌ・ラリュー シャサーニュ・モンラッシェ 2020”は、上品なアロマと丸みのあるボリューム感が特徴の白ワイン。旨味があるので、魚介料理の滋味をさらに引き出してくれることは間違いない! 素晴らしいバランス感がある赤ワインが“シャトー・ピション・ロングヴィル レ・トゥーレル・ド・ロングヴィル 1998”。黒果実味とエレガンスが際立っていて、肉料理をやさしく包容してくれる。
〈サンルイ〉とのコラボレーションで生まれた〈サンルイ・バー・バイ・ケイ〉
ひとつ上の12階には、フランスの高級クリスタルメゾンの〈サンルイ(Saint-Louis)〉とコラボレーションした〈サンルイ・バー・バイ・ケイ(ST LOUIS BAR by KEI)〉がある。食前か食後に訪れて1杯いただくのも粋な使い方だ。江戸時代の焼酎とみりんを用いた和のカクテル“本直し”を現代風にアレンジした“エドマエサワー(Edomae Sour)”(2500円)など、4種類のオリジナルシグネチャーカクテルが出色。そのほか、季節ごとに替わるシーズナルカクテルやオリジナルレシピのカクテルなど、様々なプレミアムなお酒が揃っていて、ここだけでしか飲めないものがたくさんある。
次の彼女とのデートは、銀座にできた最旬の美食スポットで決まりなんじゃない?
●エスプリ・セー・ケイ・ギンザ(ESPRIT C. KEI GINZA)
住所:東京都中央区銀座7-8-17 虎屋銀座ビル 11F
営業時間:17:30~23:00(20:30LO)
定休日:月・日曜
TEL:03-6274-6611
URL:https://www.maisonkei.jp/esprit_c/
●サンルイ・バー・バイ・ケイ(ST LOUIS BAR by KEI)
住所:東京都中央区銀座7-8-17 虎屋銀座ビル12F
営業時間:17:30~23:30(料理22:30LO、ドリンク23:00LO)
定休日:月・日曜
TEL:03-6274-6612
URL:https://www.maisonkei.jp/st-louisbar/
※サービス料別
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1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。