走りを“おかわり”したくなる! 〈アバルト〉595コンペティツィオーネ
12月に入ってグッと冷えこみ、いきなりクリスマスムードにギアが入ってきた感のある東京。今年は本当にいろんなことがあったから、せめてホリデイシーズンくらいはハッピーにしたい。自分へのギフトはどうしようかな。だったら毒も華もある、こ〜んなクルマはどう? 〈アバルト〉の最上級モデル、595コンペティツィオーネだ。
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かわいらしいルックスから勝手に癒し系の走りを想像していたら、火傷してしまうこと間違いなし。サソリの毒は強烈なのだ。
〈フィアット〉500と同サイズのスモールセグメント車ながら、最高出力180ps、最大トルクは 23.5kgm。SPORTスイッチを使用中はなんと25.5kgmに出力が高められ、まさに飛び出すような加速が楽しめてしまう。
そもそもこのボディは、かわいらしいデザインのためのディメンションではなく、ハンドリングを破綻させないよう熟考された“走りのためのカタチ”。つまり、タイヤをしっかり四隅に配置し、次に乗員のいるキャビンを、そしてルーフのある頂点を徐々に絞り、三角オニギリ(さしずめイタリアなら包みピッツアのカルツォーネといったところ?)のようにすることで、ロール値を最小まで抑えてタイヤのグリップを限界まで使えるパッケージを叶えている。
ベースの〈フィアット〉500だって相当に面白い挙動を見せてくれるのだけど、595コンペティツィオーネは先述のスペックを持つ1.4ℓターボエンジンを搭載。さらに高性能排気システムの“レコードモンツァ”を採用し、サスペンションは〈コニ〉、そしてブレーキは〈ブレンボ〉と、クルマ好きならニヤリと頬が緩んでしまうようなスパイスがたっぷりとちりばめられているのだ。
さらにクルマニアを喜ばせるのは5速MT(ATモード付きシーケンシャルトランスミッションモデルもあり)というアナログさ! ただでさえパワフルなエンジンを低いギアをわざと選んで走らせるという、ハイカロリーでマニアックな楽しみ方ができる。一回乗り出すともうちょっと、あとひとつカーブを曲がってからと、どんどん走りを“おかわり”したくなるくらいの中毒性の高さを見せる。
グイグイとコーナーに切りこんでいっても、ガッチガチのサスペンションがビターーーーッ!とボディを支えて、恐ろしいほどに曲がる! 曲がる!
なんというか、このパワーとボディの小ささ、そしてイタリアらしいあけっぴろげな官能にあふれたわかりやすいターボの爆発、などなどが合わさって、明らかにちょっと経験したことのない世界観を実現しているのだ。
スポーティなのにどこか色気とエロのある内装の作り方もユニーク。ハッチバックの3ドアだけど、後部座席は意外なほどにスペースがあるのもいい。
こんな小さなクルマに真紅の薔薇でも積みこんで、ベタなクリスマスデートな~んてのもイイんじゃない? 自分にも彼女にも、最高のプレゼントになるかも!
★DATA 〈アバルト〉595コンペティツィオーネ
●全長×全幅×全高:3660×1625×1505mm
●車両重量:1120kg
●ホイールベース:2300mm
●エンジン:1.4ℓ直列4気筒DOHC 16バルブ インタークーラー付きターボ
●最高出力:180kW(132PS)/5500rpm
●最大トルク:230Nm(23.5kgm)/2000rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:前輪駆動
●税込み価格:383万円
●アバルト
TEL:0120-130-595