アグレッシブさを追加!〈フィアット〉500Xスポーツ
秋の長雨シーズンだからたとえるわけじゃないけど、まさに雨後のタケノコってくらいに、今年はミドルサイズSUVが国産・輸入車ともに大人気。「こんなにもバリエーションがあったのか」って、取材しながら感心してしまうほど! そんな中、イタリアンカーだって負けちゃいない。あの“ルパンのクルマ”でお馴染み〈フィアット〉500のクロスオーバーモデル、500Xに最上級グレードが追加された。〈フィアット〉500Xスポーツだ。
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イタリア車の魅力は、ほかのどこの国にもない、底抜けの陽気さと官能が同居していること。〈フィアット〉ならそこに“キャラっぽいキュートさ”が加わる。そして、その“イタリアらしさ”を存分に感じさせるのがボディカラーだ。
500Xスポーツに追加されたのは、まさに完熟トマトを思わせる専用色“セダクションレッド”。ほかにも“イタリアブルー”なる青、“ジェラートホワイト”、“ファッショングレー”と、ネーミングだけで欲しくなるようなカラフルなラインナップが揃う。
さらに専用の外装も。大開口がパフォーマンスの高さを想起させるスポーツフロントバンパーをはじめ、同色のサイドスカート、スポーツリアバンパーが用意される。さらにドアノブやボンネットの鼻先、ブランドアイコンから左右に伸びるフィンなど、随所にマットっぽいダークグレーのアクセントカラーが用いられてキュッと印象を引き締めるほか、足元も19インチに。背高感の強かった500Xが、こうなるとスタイリッシュに、ロー&ワイドな印象だ。
エンジンは1.3ℓの直4ターボで、変更はない。しかし、もともと元気なエンジンだから、「ボディサイズに対して非力なんじゃない?」な〜んて心配はご無用。最大トルクは270Nmを1850rpm から発生させる頼もしいスペックだ。
さらに500Xスポーツには、“スポーツ”の名に恥じない専用サスペンションが設定されるほか、ステアリングにも専用セッティングが加えられている。さらに、ノーマルの500Xに対して車高もマイナス13mmのダウン。「さぞかしワインディングが楽しいに違いない」と、箱根に持ちこんだらコレが大正解!
先にも述べたけれど、〈フィアット〉の誇るダウンサイジングターボエンジン“ツインエア”は、飛び出るようなトルクとパワフルな過給がウリ。それはクロスオーバーモデルの500Xとて変わらない。
しかし、確かにノーマルモデルではロール値などから総合して、全体的にもっとおっとりした印象が強かった。だけど、この500Xスポーツは文字どおりかなりスポーティ! 踏めば踏むほどグワッと車体が押し出されるから、ついガシガシとアクセルを踏み足してしまう。山谷を走り回れるクイックなステアリングも手伝って、ワインディングがすごく楽しい。背高からくるロール値を利用して、わざと左右に揺れるような切り返しを味わいたくなる感じなのだ。
サスペンションもカタすぎず、しっかり粘るキャラは残されている。このへんは、石畳の道で大衆車や商用車を多く手掛けてきたイタリアンブランド〈フィアット〉だからこそのなせるセッティングだと感じ入った。
今回はアシスタンス系も拡大し、かわいいだけじゃなく頼れる1台に。アイコニックなSUVは、街での目立ち度もバッチリだ。
★DATA 〈フィアット〉500Xスポーツ
●全長×全幅×全高:4295×1795×1610mm
●車両重量:1440kg
●ホイールベース:2570mm
●エンジン:1.3ℓ直列4気筒マルチエア 16バルブ インタークーラー付きターボ
●最高出力:111kW(151PS)/5500rpm
●最大トルク:270Nm(27.5kgm)/1850rpm
●トランスミッション:6速乾式デュアルクラッチオートマチック
●駆動方式:前輪駆動
●税込み価格:344万円
●CIAO FIAT
TEL:0120-404-053