日差しと遊べる中庭を囲むモダンヴィンテージハウス
屋外の心地よさがリビングへと自然に繋がる中庭を、家の中心に備えた家。大きな窓から差しこむ柔らかな陽光にヴィンテージ感満点のインテリアがよく映え、天井や床に用いられた天然木も味わいを際立たせている。家族との伸び伸びした暮らしと、落ち着きのある大人空間を両立する絶妙なバランス感覚は必見!
- SERIES:
- 西海岸的なハッピー・ルーム! vol.04
今月の部屋 成瀬邸/3LDK+S/144.43㎡
視線を気にせず“外感”を堪能できるのも中庭を設けるメリット。キッチンへの動線はスライドドアで仕切り、生活感をシャットアウト。〈パシフィックファニチャーサービス〉の深いグリーンのソファが落ち着きを添える
緑豊かな住宅地の一画にある一戸建て。全国各地に転勤続きだった施主が、故郷に戻りようやく手に入れた夢の住み家だ。当初はフラットハウスを希望していたが、あえて2階を設け、家族の寝室をそこに集めることで、生活の中心である1階に空間の余裕を確保した。
家具は「高校時代から好きだった」というモダン・ヴィンテージテイストで統一。レッドシダーの天井にナラ材の床、壁にはレンガ仕立てのブリックタイルと、室内空間には普遍的でありながら、時を経て味わいを増す素材をふんだんに使用している。そのことが西海岸スタイルに上質な大人の余裕を加えている。
一家が気に入っているのは、空に抜けた中庭とリビングとのゆるやかな繋がりだ。「庭までがひとつの部屋のように感じられるので、ソファに腰掛けているだけでも開放感があります」と施主。天井と壁に取り付けた〈ハウストラッド〉の真鍮製シーリング&ウォールランプに、優しい明かりが灯る夜の雰囲気も格別。慌ただしい一日を終えた後でも、昼間とは違うムーディーな陰影に包みこまれると、自然に寛げるのだという。家に帰ってリビングの扉を開けるたびに幸せを感じる、と施主は満足げに微笑んだ。
01 リビングの壁にはモールで陰影のアクセントを
リビングの壁面にモールで凹凸を設けることで、昼も夜も美しい陰影が生まれるよう配慮した。ラタンと木材をコンビにした〈ハウストラッド〉のテレビボードもモダンな空間のいいアクセントに
02 光がたっぷり差しこむ2つの窓があるキッチン
キッチンも味わいある木の質感で統一。窓が2つもあるため、リビングにつながる扉を閉めても心地よい明るさに包まれたままだ
03 ガレージと室内を繋ぐ玄関は土間にして広々と
大きなシュークローゼットを備えた玄関は、土間仕様にして広さを確保。施主の書斎を兼ねたガレージ、中庭、室内とをつなぐハブの役割も果たす
04 ぽっかりと空に開けた中庭ではBBQも可能!
空に抜けた開放感たっぷりの中庭は、家族でBBQを楽しむためコンクリート仕上げに。水道もあるため掃除も容易で、子供たちのいい遊び場になっている
05 2階の存在をミニマムにし外観を限りなく平屋風に
シンプルな横長の外観は、ざらつきある左官仕上げの壁で風合いを表現。正面から見える2階の存在を限りなく隠すことで“平屋感”を強調
INTERIOR POINT
米軍ハウスの趣を醸す丸テーブル&折り畳みチェア
脚のラインが個性的な〈ハウストラッド〉の丸テーブルは、家を建てたタイミングで購入。ダイニングセットとして組み合わせている4脚の椅子は、1940年代に作られたカードチェア。戦後、進駐米軍の家族向けにデザイナー・秋岡芳夫が手掛けたという、ヴィンテージの名品のひとつだ。折り畳み椅子ながら、座るとカラダにしっくりと馴染む心地よさが魅力。家族全員で愛用している。
●ハウストラッド
TEL:03-6412-7406
URL:www.housetrad.com
雑誌『Safari』8月号 P226・227掲載
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